あらすじ
看取り士(みとりし)――逝く人の最期に寄り添い、見送る人。また、家族だけでの看取りをサポートする人のことをいう。本書は、25年ものあいだ、生と死に向き合い続けた看取り士・柴田久美子のエッセー。
日本人のおよそ8割が病院で最期を迎える一方で、その約5割が「自宅で最期を迎えたい」と願っているといわれる。しかし、自宅で看取る文化が薄くなった現代社会では、看護・介護する側がその望みを叶えてあげたくても難しい事情があるのが現実だ。こうした状況から、著者は「尊厳ある最期が守られる社会を創りたい」と願い、自らを「看取り士」と名乗った。
200人以上のケースをもとに、看取りの際の心構えや実際の触れ合い方に加え、エンディングノートの活用の仕方、旅立つ人から魂(いのち)を引き継ぐ大切さなどを紹介。厚生労働省が在宅医療・介護への方針転換を始めた今、自らの、そして大切な人のQuality of Death(QOD/死の質)を考え、より良い人生、より良い最期を送るための手引書となる。
巻末には、医師・鎌田實氏(諏訪中央病院名誉院長)との対談を収録。看取り士の誕生秘話をはじめ、死に対する二人の考え、地域包括ケアという共通の夢について語り合う。
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Posted by ブクログ
【読んだきっかけ】
「余命宣告を受けて考えた生の意味」という本を探すために「余命」というキーワードで検索。この本もヒットし、気になったので手に取りました。
【読んだ感想】
スピリチュアルよりの内容だなと感じることもありましたが、もともとそういったジャンルのものが得意でない私も不思議と嫌悪感はありませんでした。
「死とは愛が循環する場」など、息を引き取っていかれる方々を実際に看取られた方(=看取り士)のリアルな言葉だからこそ、拒否感や嫌悪感なくすっと受け入れられたと感じました。
死ぬときは、死への恐怖がなくなる。死を受け入ることができ、迎えがきたときにようやく死が訪れる。という内容を見て、ほんの少しですが「死ぬのってただ怖いものじゃないんだなあ」と。
先進国のなかでも日本は「死の質が低い国」だと知り、「そもそも死にも質があるんだ」と改めて気づかされました。
自分の願うように死を迎えられない人が多いんだそう。私もいつその日を迎えてもおかしくないのだし、「どんなふうに看取られたいか」を考えておこうと思いました。