【感想・ネタバレ】小説家と夜の境界のレビュー

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Posted by ブクログ

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面白かった。乙一っぽさを存分に味わう。山白朝子名義で実話怪談のように小説家の話をしていくけど、話してるのも語られてる小説家も乙一のことでは?と感じられて面白い。

「墓場の小説家」
小説家は奇人変人だが、自分は別だとのたまうのが乙一らしい。そんな奇人変人を前にして喜ぶ主人公もおかしいのが面白い。
初のエピソードだから、出来るだけ怖さを出そうとしたのかなと感じられるラスト。

「小説家、逃げた」
これ絶対乙一本人だろ!って思っちゃうような小説家。逃げ出しはしなくても、逃げ出したくなったこともあるだろうし、そこからぶっ飛んだ想像を描くのがうまい乙一らしさ。
一周回ってつながるところにニコニコしちゃった。

「キ」
この小説家も乙一のことでは?GOTHの頃とか。内面と外面の解離が描かれてたし。

「小説家の怪人」
これも、たぶんクリエイターなら誰でも考える陰謀論めいた妄想を現実にした話で面白かった。

「脳内アクター」
これも乙一。自分でやってる。でも優しさが損なわれ死んでしまったというのは悲しいオチ。悲しい。

「ある編集者の変質的な恋」
編集者じゃなかったなあと思ったら……タイトル通りのオチ。背中を後押ししてたのは作者というのも面白い。

「精神感応小説家」
短編で寝たきりの話あったなあと思い出した。良い話で終わって良かった。
社会問題を絡めようと思ったのかな。面白かった。

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説家ってへんだなぁ〜。
初めて小説家の裏側を知れた気がした!!
これがノンフィクションだったら、
尚更面白すぎる。

自分もその物語の世界に入らないと
小説を書けない小説家を描いた『墓場の小説家』、対談の前に疾走してしまった
小説家の真意を描いた『小説家、逃げた』、
彼の書いた小説を読むと霊障が体験できると
言われている『キ』、
昔の知り合いの作品のアイデアが小説家レジェンドに盗作された謎を追う『小説の怪人』、
脳内に劇団員を配置し、小説を描く小説家を襲った顛末を描いた『脳内アクター』、
担当編集者にストカーされる小説家の悲劇を
描いた『ある編集者の偏執的な恋』、
人に触れるとその人の考えがわかるベトナム人と小説家の関わりを描く『精神感応小説家』。

ここに登場する小説家たちも十分恐いけど、
1番恐いのはこの小説を紡いだ山白先生だと思う!!

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 乙一さんの別名義の1つ、「山白朝子」名義の新刊が並んでいた。山白朝子名義の作品は、色々な意味で「きつい」。描写がきつかったり、設定がきつかったり。今回もきついのを覚悟して読み始めると、山白朝子名義としては異質に感じた。

 全7編、いずれも「作家」が登場するのが特徴である。執筆の流儀は作家によってそれぞれ。商業作家の多くは割り切って書いているだろう。一方で、執筆で一切悩まない作家もいないだろう。山白朝子こと乙一も、悩める作家の1人ではないか。

 「墓場の小説家」。ここまでするホラー作家はいないだろうが、頭の中を覗いてみたいと思うことはある。あくまで創造の産物として楽しみたい。「小説家、逃げた」って、そりゃ逃げたくなるだろうがっ! どうか散々利用した奴らに厳罰を。

 表現の自由という点で考えさせられる「キ」。「キ」とは作中作のタイトルでもあるが、彼の境遇は「小説家、逃げた」に似ている。強制的に作風変更を迫られた彼が、新たに獲得した執筆の流儀とは…。現実にこんなことはないと、言い切れるか?

 「小説の怪人」。超大物作家Xが、中堅作家を連れて行った秘密の場所とは。ここまで大々的ではなくても、ありそうな話である。短いながら印象深い「脳内アクター」。タイトル通りです、はい。読者は敏感だ。今後も売れ続けるかどうか。

 サイコサスペンスか「ある編集者の偏執的な恋」。編集者との相性は作家生命を左右するが、編集者に物申せる作家は一握りだろう。語り部の創造が真実だとして、そこまでして協力する理由は何だろう。うーむ、知らぬが仏で済ませてよいのか?

 最後の「精神感応小説家」は、まずベトナム人青年の独白に日本人として恥ずかしくなる。そんな彼と、事故に遭った大物作家との交流記。我儘な大物作家というのも絶滅危惧種だろうなあ。心優しい彼だから付き合えた。今後の人生に幸あれ。

 一部「黒乙一」寄りだが、山白朝子名義としては「白乙一」寄りだろうか。名義はどうあれ、乙一さんの新刊が読めるのは嬉しい。読者は早く新刊をなどと気楽に言い放つが、作家という職業の孤独さに、少しは思い至りたいものである。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

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【収録作品】墓場の小説家/小説家、逃げた/キ/小説の怪人/脳内アクター/ある編集者の偏執的な恋/精神感応小説家

小説を「書く」ことにまつわる奇譚。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

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小説家が小説家のことを書くっていうところから面白い。

その経験をしないと書けない小説家
墓場の小説家 怪談話を書くために最後は墓場で筆跡するという異常さ。

親が金に目を眩んで息子を見張りながら
とにかく数多く小説を書かせる小説家、逃げた

誰からも好青年と言われてた彼は残虐な嗜好をもちそれを小説にする キ
彼の異常な小説は出版社のせいと決めつけ息子を監禁し、洗脳させファンタジーを書かせることにしたが結局は脳内の残虐さは失われてなくて
残虐な小説を書かない代わりに、動物の命を奪うようになる。

有名な作家は実は覆面作家で山奥に小説を書かせる工場のようなものを作り、そこでたくさんの小説を産む 小説の怪人

脳内で小説に出てくる登場人物が現実でも自分を侵食して最後はその中の心優しい登場人物を殺す 脳内アクター

編集者と嘘をつき小説家に近づきストーカーとなる ある編集者の偏執的な恋
だかこれも仕組まれたことで、結局奥さんとなるDが信頼を得て小説家に小説を書いてもらう筋書きだった。これが1番うわっとなったかも。

事故で閉じ込め症候群となった作家に精神感応がつかえるベトナム人が一緒となり小説を書き上げる精神感応小説家 これは1番幸福な感じで終わる。最後に相応しいお話

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2023年06月27日

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