あらすじ
戦争で両親を失って、敵対する侯爵家へ形だけの「白い結婚」で嫁いだクロエ。
虜囚同然の五年を終えた彼女を迎えたのは、氷に閉ざされた辺境の主・セオドアだった。
幼い頃に慕った「初恋のお兄さま」そのままの優しさに、ぼろぼろのクロエの心は救われていく。
そんな時、離縁したはずの侯爵家の手が迫り!?
「あの時、駆け出して君を攫いたかった」
叶わなかった運命を再び手繰り寄せるために――再会シンデレラ・ロマンス!
巻末には、幼い頃の優しい思い出が、一冊の絵本をきっかけによみがえる――書き下ろしエピソード「氷の辺境伯の趣味の話」を電子書籍限定で特別収録!
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素敵な家族愛
虐げられたヒロインが新たな相手から溺愛されるといったありがちな話では終わらず、実はその裏側で暗躍していた3人の姿に引き込まれてしまいました。ノエルお兄様素敵だったなー。
Posted by ブクログ
サイモンさんがイケオジかつ有能すぎて!
セオドア様も、クロエの兄のノエルも優秀なんだけれども(養子のルカも勿論)ついついサイモンさん推しで見てしまった。
クロエの与り知らないところで、彼女は守られていたんだなと。
それぞれが、それぞれに大きな後悔を抱えながらも。
それに対して元夫ディエゴの無様さが。
折角暗躍してくれた人の努力を無に帰す無能っぷり。
最終決戦でのやられっぷりが……コテンパンにも程があるというほどの滅多打ち。
最終的には愛人に物理的に殴られてたし。
無能で悪役であることに変わりはないんだけれども、あまりにのやられっぷりに少し同情もしてしまった。
先述のセオドア様、ノエル、サイモンさんを敵に回してはいけない。
というか、クロエを虐めてはいけない。
もれなくこの3人が報復措置を取ります。
クロエはクロエで劣悪環境で揉まれたせいか、何だかんだで逞しいし、今ならセオドア様の養子たちもクロエにつくから盤石である。
あれ、結局最強はクロエなのかもしれない。
白い結婚とはいえ、初恋かつ婚約予定だったセオドア「お兄様」と引き離されて嫁いだクロエ。
契約期間を終えて解放されてから、初恋をやり直す物語。
最初はルカに受け入れられなかったこともあって、解放後も順風満帆だった訳ではないが、他人を思いやれる優しさと揉まれて鍛えられた有能さで徐々に周りに受け入れられていく。
そもそも両片思いの二人だから、優秀なルカも途中で気付いて応援に回ってたし。
周囲から見れば、セオドア様は特に分かりやすかったろう。
そりゃ気付くよねという。
家族内だけでなく、領内でも暖かく見守られていた二人だったので。
もどかしい二人の恋模様を見守りつつ、彼女を追いこんだディエゴをどう追い詰めるのか、そのざまあ展開も楽しめた作品。
本当に容赦なくこてんぱんにしてからのタイトル回収。
「再婚」ながら皆に祝福された幸せな結婚を見られて、こちらも幸せ気分になれました。
幸せなラストで本当によかった。
既に子供たちいっぱいで賑やかな家庭だし、これからも幸せに暮らしていってほしい家族だと思います。