【感想・ネタバレ】人はなぜ物を欲しがるのか 私たちを支配する「所有」という概念のレビュー

あらすじ

人はなぜ要らない物でも欲しがり、なかなか満足できないのか?
「自分のものにしたい」という欲望は、人の感情や社会にどんな影響を与えてきたのか?
社会格差や不平等は、どのようにして生まれたのか?
心理学、経済行動学、社会学、生物学など様々な知見を駆使し人と社会を突き動かす「所有」の正体に迫る。

◆本書に対する推薦の言葉◆

自分の直感が果たして正しいのか、ページを繰るたびに試される。
――デイヴィッド・イーグルマン(スタンフォード大学神経科学者、『あなたの知らない脳』著者)



面白く、知的で、人生の中心となるテーマを論じている。
――ポール・ブルーム(イェール大学心理学教授、『反共感論』著者)



流麗な文体、見事な論理。ぜひとも所有すべき一冊。
――ダニエル・ギルバート(ハーバード大学心理学教授、『明日の幸せを科学する』著者)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「フェイスブックやインスタグラムといった現代のソーシャルメディアが絶大な人気と影響力を集めたことで、私たちの承認への依存はさらに深まった。自分の成功を他人の成功と比べる社会的比較を行うと、自己不全感が刺激されやすい。作家ゴア・ヴィダルの警句を引けば、「友人が成功するたびに私は少し死ぬ」のである。他人は自分よりうまくやり、自分よりずっと充実した人生を送っているように見え、私たちはそのことを絶えず思い知らされる」

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

所有について、文化的背景なども参考に幅広い知識で書かれていて納得した。消費文化に疲れてるから、物を少なくしていきたいなぁ。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

モノの所有に関する人間的心理について、さまざまな角度で研究結果を踏まえて説明されている。全てを通してみると、人を物の所有に駆り立てる原因は全て関連しあっているということがわかる。
所有欲は他者よりも優位に立ちたいという顕示欲や競争欲が発端。これを基盤に社会が発展したことにより、所有の数で豊かさを図ったり、所有するものによって人を判断したりする社会が広がった。
人は他者との比較でしか自己を認知できない。モノによる比較がある社会では、他者との比較は所有欲を駆り立てる。

そして人間は、自身の所有物に対して自己のアイデンティティとして情緒的愛着を持つ。所有物も含めての自己であるという認識を持ち、モノと自分のアイデンティティを深く結びつけてしまうのだ。
アイデンティティを強めるモノを通して、社会に自分を発信する。しかしこれも結局、社会においては自己と他者との比較・競争につながる。
SNSによって自分よりも優れた(ように見える)人の投稿に不安を煽られたり、広告によって、理想の自己像を押し付けられ、消費を促進させられるなど。

所有欲を断ち切ることは人間の根本的欲求と結びついており、とても難しい。しかしその欲求が向かう先は終わりのない、果てしない競争。満足したと思っても飽き足らず、すぐに新しいモノが欲しくなる。それが人間の性、というのが恐ろしい。
けれど、本書のように生物学的、行動経済学的視点から所有欲の源を知ることで、自分の欲と向き合い、打ち勝ち、より有意義な人生の使い方に目を向けるべきなんじゃないだろうか。社会的にも、変革の時が来ていると思いたい。
すでに自分が持っているものに目を向けて、自分にとって本当に必要なことはなんなのかと、まずは考えるところから始めたい。 

消費・所有を促し続ける社会が向かう先はどこなのか。誰も幸せにしないような方向へ進むのはやめるべきだろう。

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2024年06月05日

Posted by ブクログ

人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念。ブルース・フッド先生の著書。所有欲や支配欲から解放されれば人生をきっと楽になる。多くの人が所有欲や支配欲から解放されれば社会はずっとよくなる。人間同士のいざこややいがみ合いも人間関係トラブルも所有欲や支配欲からくるものが多い。国同士のいざこややいがみ合いもトラブルも所有欲や支配欲からくるものが多い。所有欲や支配欲をなくすための薬や脳外科手術が完成すれば多くの人が幸せになれるのかもと妄想してしまう。

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

所有という概念が社会や個人にどう影響してきたかを、人類学・政治学・経済学の視点から解き明かす一冊。
特に印象に残ったのは「ディドロ効果(持ち物の調和を求めて次々と買ってしまう心理)」と「所有そのものより獲得過程に快楽を感じる心理」。
また、最後通牒ゲームを通じて、ポピュリズムの背景にある「奪われた感情」や「声を聞いてほしい欲求」にもつながることが示されており考えさせられた。
著者は処方箋を直接は示していないが、読者に考えさせる余白があり、所有の本質を問い直すきっかけとなった。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私たちは、所有という悪魔に取り憑かれている」

「どうしたらもっと獲得できるかではなく、どうしたらいま手にしているもので幸せになれるか」

「必要なのはもっと多くのモノではなく、いま手にしているものの価値にきづけるだけの十分な時間」

所有について心理学や法学、歴史学、社会学、行動経済学、しんか生物学、文化人類学、哲学などなど
様々な幅広い分野で検討される
様々な例が載っていてわかりやすいけれども、なかなかな量、、、(^-^;

「所有の追求が幸福に結びつかない」

全ては”足るを知る”という事が、自分にも地球にも優しいと言う事なのかも知れない
今こそ1人1人が考えなくてはならない局面に来ているのだと思う

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2023年07月12日

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