【感想・ネタバレ】元国税 相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全のレビュー

あらすじ

相続争いの8割は『資産家の家庭』よりも、『財産額5,000万円以下の家庭』で起こります。

税務調査官として約40年間、国税局・税務署及び不服審判所において、
主に相続税・贈与税並びに不動産や株式の譲渡所得税を担当する部署である「資産課税部門」であらゆる相続税案件に関わって来た、秋山税理士。

相続専門の税理士は、日本の税理士のうちたった5%。
そんな”相続専門”の税理士が、相続の基本を解説しています。


将来の相続人達に少しでも多くの財産を遺してあげられる、
賢い贈与方法についてなどの「生前対策」のほか
「死後の手続き」についても詳しく解説しています。

親に相続のことについてそろそろ考え始めて欲しい、
親と一緒に相続の話をしたいけれど、切り出し方が分からない、という方は是非本書を活用して頂ければと思います。


★本書の最後には「終活ノート」も付けました。
まずは「終活ノート」を完成させ、正式な遺言書
の作成は70 代、80 代、90 代といった節目で行うのがベターでしょう。

本電子書籍は紙書籍をそのまま再現しておりますが、直接文字を書き込むことはできません。
また紙書籍再現のため、電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。あらかじめご了承ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

相続税についての勉強はAFP/CFPの取得時に概ね勉強したため、本作の内容は私にとっては言わば復習に位置づけられるものでした。

他方で、相続税の概要は知っていても「相続」全般についてはやはり素人。そうした意味で本作は意義があったと思います。

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税金を軽くするという観点でAFP/CFPでの勉強でよく出てくるのは、①小規模宅地等の特例を利用し土地の評価を8割減させる、②生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)の有効活用、という二点ではないでしょうか。

本書の良いところは、こうしたポイントを優しく押さえつつ、国税で働かれていたという実績と知見でプラスアルファの情報を付加していることだと思います。

なかでも、「相続争いを起こさないために、遺言書の草案の読み聞かせをする」(P135)を指摘したこと、二次相続を見越した相続プランを考えること(P.152)、そして「第七章 税務調査」の章で、どういう案件で税務調査が行われるか、を赤裸々に語っていたことだと思います。

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人の死によって引き起こされる相続ですが、なにぶん家族の死がトリガーであるため、そしてその財産にかかわる話であるため、話すのに非常に気まずい。話しづらい。

でも、本書でもある通り、分割内容を言いきかせる・家族で話あうということは(遺言書を残すかどうかにかかわらず)、準備としては非常に大事だと思いました。要するに心の準備と、相続人の納得感の確保です。

ちなみにうちの場合、父は半ボケ、母は外面がよくすぐに隠蔽する、姉は遠方に住んでいる、そして私は外国に住んでいる。これではいざというときに、事実確認と財産内容把握、その後の分割云々で仕事どころではなくなってしまいそうです。

私が海外を根城にする一方で、子どもたちは私の両親の家に住まい通学する現状を考えると、私自身がどうでも良いとしても、子どもたちの日常を(少なくとも学生である間は)確保してやらねばなりません。また仮に相続税を払うとして、そうした金額についても準備しないと払えませんし(学費で手元キャッシュフロー激薄)、そうした計算を概算する機会を与えてくれた点は本書に感謝です。

いずれにせよ、親と共に財産の処分の方針について話しておくこと、嫌だけどやはりこれが相続における重要な(ある意味税金額よりも)ポイントだと感じました。

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他にも節税のテクニックやどういう申告に税務調査が入るのか等々あり、嘘や不正はしないものだなあとつくづく感じました。

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ということで相続の本でした。

類書は多くある中で本書を手に取りましたが、なかなかわかりやすかったと思います(他は知らんけど)。

相続税は残された人が払うため、死んだ本人が気にしないというのが難しいところです。子どもに迷惑をかけないと嘯く親は多いのですが、お墓だけに限らず、財産処分についてもある程度の年齢から準備するのが良いのでしょうね。

あと、子ども(相続人)の配偶者というのも、相続話がもめる時の重要なファクターではないかとひっそり考えていますが、そういう下世話なことには筆者は言及されておりませんでした。

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2024年05月26日

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