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Posted by ブクログ
「恋の値段は君次第」の続きのお話。
前作で、カップルになった将人と由。
その二人がもう一歩進んだ関係になるお話。
「後見人」から「恋人」へ変化した資産家の将人と天涯孤独の高校生・由との関係。
無愛想な将人の態度は相変わらずだけど、由には優しく接してくれていて、由は満ち足りた日々を送っていた。
ところが、天涯孤独だと思ってた由に、心から由を心配してくれている親戚が現れる。由を「引き取りたい」と言っているという彼らの話を聞いた将人は由に対して、「由の好きにすればいい」と言う。
将人が大人の気遣いから由に判断を委ねたのは分かるけれど、由がほしい言葉そんなものじゃなかった。
というような話。
今まで無心でただただ将人のことを慕っていて、将人が自分のことが好きだと確信を持っていて、自信満々だった由の気持ちが揺らぐ話。
確かに前作では、あれはあれでよかったと思うんですけど、本当にこの二人の関係はこのままでいいんだろうか……? という感じがややあったんですが、この本を読んでちょっと安心しました。
やっぱり、こういうすれ違いとかいろいろがあって二人の関係が進んでいく方がとっても好きです。
途中で「反抗期」って言葉が出てきますが、反抗期っていうより「思春期」だなー……と思ってなんだか、ほのぼのとしてしまいました。
こういう形のはっきりとない、本人からしたら通り過ぎてしまえばわからなくなってしまう一過性の症状って、なかなかうまく表現できないんですが、こうやって丁寧に表現してしまうのは、さすがだなー……と感動しました。
一作目を読んだ人はぜひ、この本まで読んでほしいなー、と思います。