【感想・ネタバレ】川のほとりに立つ者はのレビュー

あらすじ

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

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Posted by ブクログ

"無知"とは罪なのか…"正しさ"とは何なのか…
自分が知らないということ、社会で確立されてしまっている偏見が、一種の罪のように思えた。
読んでいくと、"人間"という括りの中でまた種族が違うような登場人物たちを見ているように思えた。
人にはそれぞれ影がかかっている部分があり、長所も短所も違うようで表裏一体となり、どちらにもなり得るということを改めて感じた。
自分が他人に対しても、小説に対しても期待しているという事実、こうであるべきと自然と考えてしまっていることに気づかされる一冊だった。

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2025年01月16日

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人間は偏見や思い込みで物事を見ているのだと改めて感じた。相手の痛みを理解しようしてもその10%も理解は難しい。今はいろいろわかってきて、人によって脳の仕組みでできること、できないこと、得意不得意があるとわかってきたことは良い面は多いが、逆に早急に区別する偏見も生まれきてるのも事実だと思った。
物語は最後は光が見えてくる形でよかったし、最後の人がそれぞれ違うと認識することが相手に寄り添うヒントなのかもしれないと思った。

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2025年01月15日

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とても考えさせられる作品でした。感想の言語化が難しい。
無意識のうちに持ってしまっている偏見や、目に見えるものだけで勝手に判断してしまっていた自分を改めて見つめ直せました。
表面だけを見て相手を知った気になるのではなく、その人その人の背景を知り、寄り添うことが大切である。しかし、すべての人にそうする必要もない。だから難しい。

自分を取り繕って、時に良い人であるかのように振る舞う、そんな自分も決して偽りなんかではない。
寺地さんの作品はどんな自分も肯定してくれるなぁ。

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2024年11月26日

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今まで、その人の背景にあるものを、想像できていなかったなと思った。
その人の行動の裏には、優しさがあるかもしれない。
想像ができる人間は優しい。

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2024年10月23日

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ネタバレ

ザ・寺地はるな作品って感じでした。
自分にとっての当たり前が他の人にも同じとは思わないで、みたいな言葉を聞いたか、読んだかは忘れたけど、覚えている。似たような言葉とか意味合いのことを見たり聞いたりする度、その通りだなと思うのにすぐ忘れてしまう。特に自分に余裕がないと「なんでこんな事が出来ないの」「なんで同じことを繰り返すの」と簡単に人を責める言葉が浮かぶ。もちろん人の目が怖くて言葉には出せないけど、日々そんなことの繰り返しで勝手に1人で疲弊していく。
寺地さんの作品を読むと、その他大勢にとっての普通が普通じゃないと感じる人達が出てきて、そのことに気づかせてもらえると思っている。
善人とかになれたらそれは凄いことだけど、そんなのにはなれないのは分かってるし、なりたいとは思っていない。だってなれないから。だから、誠実な人になりたいって言った篠ちゃんですら私には凄いと思った。
良い人ぶって...って読み手に思わせずに読ませるのは寺地さんの凄いところだと勝手に思っている。

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2025年01月15日

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途中で逃げ出したくもなったけれど、最後まで読んでよかった。
だってこれは、様々な悩みを抱えて生きる人々の内面を描いた作品なのだ。私が向き合うべき作品。
(気の置けない関係性になって初めて見えることが多い、他人が深く仕舞い込んでいる一面を、こうして本で知ることが出来るのは、
私の人生においてとても意味があることで、読書の目的のひとつとしている。)

真の多様性とは、この物語の主人公が作中の出来事を通して知った、人々の姿を指すのだと思う。
川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得なくとも、その様子に思いを馳せることならできる。

それを気づかせてくれた本だった。
私も、水底の石がそれぞれ違うことを知っていく生き方をしたい。

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2025年01月07日

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ミステリのようで、ミステリともまた違う…
自分の気持ちやこれまでの思い込み、無意識に切り捨ててきたものなどを目の前に突きつけられるようなお話
心に刺さるとはこのことだなあと思う
読後感がいいとは言えない
でも、救いがないとも言えない
私だったらどうする?と問われているかのような本

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2025年01月03日

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喧嘩別れのような状態だった恋人が意識不明との連絡を受け、事件の謎を追ったり、会わない間に何があったのかを探ったりする物語。さまざまな障害と向き合う話でもある。

寺地はるなさんには珍しく、ちょっぴりミステリー風味。主人公の清瀬が事故の連絡を受けた日から進む日々と、恋人の松木が過去に経験した出来事が綴られる。

恋人や家族のことでも、知らないことがある。それが他人なら尚更。よく知らない人たちの中で生きているんだなぁと、変なことを考えた。

最後の10月25日の章は、なんだかほっとした。

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2024年12月27日

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まず、主人公がとても理性的。物事の本質がどこにあるのかを見極めようとする姿勢は、おおきな選択をする場面では特に重要だろう。直感に従いつつも、直感の裏付けが取れるまでは判断を待つ。そのスタンスを見習いたい。

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2024年12月23日

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少しミステリー調で、続きが気になりサクサク読めました。

川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。
私も同じで、表面的なことを分かって全てを分かった気でいることは往々にしてある。

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2024年12月18日

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寺地はるなの小説、心の奥の柔らかいところを無造作に触ってくるというか、揺さぶられるから読むほんとエネルギー使う
何度も離脱したくなる
でも最後まで読むと良い話だったな…って感動して気持ちよく本を閉じちゃうからまた手に取ってしまうんだろうな…

今作は偏見がテーマだと読み取れたしそういうことに関する感想を綴る人が多そうだけど、私は割愛

前に読んだ『今日のハチミツ、あしたの私』でも主人公はカフェ店員だったし、何があっても食事を欠くことはない人だった
寺地はるなのバックに食にまつわる何か大切なものがある気がしてならない
エッセイ出してないのかな、読んでみたいんだけど!

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2024年12月15日

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自分が当たり前にできることが、相手の当たり前になるとは限らない。ずっとそう思って生きてきた。
私の当たり前が他人に通用すると思っていないか、できない相手をこんなこともできないの?とおとすようなことをしていないか、改めて振り返ることができた作品。
誰かの立場になってものを考えてみることはとても大事なことだと思う。けどそれをしたくない相手にはしなくたって別にいいことも、同じくらい大事。
内容も含め、いい作品。

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2024年12月15日

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ミステリー要素もあり、先を進めたくスラスラと読むことができた。
人は表面だけではわからない面をたくさん持っている。表に見える部分に反応するのが常なのだけど、水底に色々な石が沈んでいることを忘れないようにしたいと思った。
松木の卒業文集は泣いた。

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2024年11月28日

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タイタルは「あなたの明日がよい日でありますように」の方が、、、と思い、読み進めていくうちに、タイトルはやはり「川のほとりに立つ者は」!断然いい。
私には川の中に入って、石の数を数える覚悟はあるか?

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2024年11月08日

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他者を正しく捉えるのはとても大切だけれども難しいことなのだと感じた。そして、だからこそ、コミュニケーションが大切なのだと感じた。本当の姿とかではなく、良い面と悪い面、その時によって見えている部分が違うだけ、という話が印象的だった。だからこそ、相手を偏見なく真っ直ぐ捉えるように努めることが他者理解に繋がるのだと感じた。
障害については難しいテーマだと思ったけれども、障害があっても生きやすい世の中であってほしいし、偏見がなくなると良いなと感じた。障害がある相手に対して障害があるということを通してしかその人を見なくなると訴える場面が印象的だったが、自分もそれをしてしまいがちなので気をつけたいと感じた。
最後に、わたしも温かい人間でありたいし、他者に対しても自分に対しても、汚い感情と綺麗な感情のどちらもありのまま受け止められたらいいなと感じた。
寺地さんの作品を読むのは初めてだったけれど心がじんわり温かくなる物語で素敵だと感じた。

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2024年10月29日

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ネタバレ

川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。
うーわー。わー。あー。えー?
なんだろう。こう…普通の人はたぶんあまり意識していなくて、ともすれば自分が正義だと思っている節があったりして、自分に見えている世界が他の人も同じように見えていると思っているかもしれない。でもそうじゃないんだよね。みたいな、そんなことが書いてあった。
私のきょうだいには障害があって、見た目にも分かるんだけど、例えば発達障害とか自閉症とか色々あるけども、傍目には普通、むしろ物凄いイケメンだったりして勘違いされて暴力を振るわれてしまうなんて話も小さい頃から聞いていたわけで。
私は子どもの頃から世の中理不尽みたいなものを間近に見て生きてきたんだけれども、うーんこれ難しい問題だよね。
知らずに生きてこれた人は幸せだと思う。
別に私が不幸だったとかそういう話ではなくてね。
相手が何を抱えているかなんて、他の人には知り得ないじゃない。
心の声が聞こえるわけでも見えるわけでもないし。
でそれを知ったからって表面上同情とか理解してますよーみたいな体で来られる方が傷ついたりしてさ。
我儘よ。我儘なこと言ってるのは分かってる。
うーん何が言いたいんだろうね?
その人の努力だけではどうにもならない部分があって、それを盾にして権利を訴えたい訳じゃないの。
何年か前に鬱に足を突っ込みかけたことがあってね。
その時に風邪をひいたら薬を飲むし、目が悪ければメガネをかける。心の調子が悪いなら病院に行って薬を飲むのも同じこと。と言ってくれた人がいた。
そのくらいのスタンスでいてくれるのが一番楽だし嬉しいんだよね。
なんの話してるんだろうね?
まぁ結局自分の目で見たものだけが真実じゃないってことを知っているのといないのとでは全く違うってことで。
私は私を生きていく。

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2024年10月27日

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ネタバレ

"自分ができることを相手に求めてしまう狭量さ"について、自覚があるが故に痛いところを突かれた気がした。
性格をすぐに変えることはできないけど、行動は変えることができる、という一文に励まされました。

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2024年10月26日

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人は色々な事情を抱えて生きている。一面的な部分で判断してはいけない。そんな物語だった。
天音は最後まで好きにはなれなかったけど。

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2024年10月12日

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 先ごろの公的な調査で、小学生の1割強の児童が「発達障害」を持つことがわかりました。実にひとクラスに4人はいるということです。
 上級の学校に進むに連れ大半はその特徴が徐々に緩和されていくそうですが、それでも世間的な常識との不適応に苦しむ人は少なくありません。その生きづらさにスポットを当てるのは大切で尊いことだと思いました。

 これまでも寺地さんは多くの作品で発達障害をテーマのなかに織り込み、細やかに心配りされた描写で提示してくれていました。その、希望を感じるようなラストに繋がっていく物語世界は、私たちに温もりや優しさを感じさせてくれてもいます。

 本作もそんな寺地文学の世界観で書かれているのですが、今回は少しばかり盛り込みすぎたように思います。

 前述したように、発達障害を持つ人は身の回りに2〜3人はいるというのが現状です。だから、清瀬と関わる人間にそういう人たちを複数配置してもおかしくはないでしょう。
 けれど、そうしたために彼らの「生きづらさ」のみが増幅されてしまって、その結果これまで寺地さんが大切にしてきた「個々の物語」がぼやけてしまった感があるように思うのです。

 さらによく読めば、樹や品川だけでなく松木や天音、主人公の清瀬まで、軽度の発達障害を持っているようにも見受けられます。

 そんな構成にしたのは寺地さんの強い意気込みの表れなのかも知れませんが、個々の物語を丁寧に紡ぐのが寺地さん本来の作品世界ではなかったでしょうか。
 ミステリー仕立てにするなどの工夫はよかっただけに、少し惜しい気がしました。

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2024年10月18日

購入済み

かんがえさせられる

恋人に何があったのか。それ紐解いていく様子はまるでミステリのようなワクワク感がありました。

登場人物それぞれが無意識に抱いている固定観念が私たちにもあり、果たしてそれが本当にふさわしい考え方だろうか?と考えさせられるような話でした。
爽快感や面白さというよりは、道徳の授業で話をよんだときのような感覚が強かったです。

#深い

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2022年11月05日

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核心部分がネタバレになるのであまり書けないのですが、恋人が隠しているものを教えてもらえず、衝動的に分かれてしまったが、ある時恋人が親友と歩道橋で殴り合って転落し2人とも意識不明の重体になってしまう。原因を探すうちに知る色々な真実と後悔。
少々テーマが先走っている所があってもったいないなと感じました。

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2025年01月07日

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1.7月23日の原田清瀬、の章を読んだ。意識を失った元交際相手がどんないきさつで同級生と揉み合いになったのか気になる。

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

「努力」という大義を押し付けられて、苦しんでいる人がいるんだなと、色々と考えさせられる本。いっちゃんの過去は読んでて辛かった…

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2024年12月23日

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ケンカ中の恋人が意識不明になる。友人も同様に意識不明。主人公は彼のことを何も知らなかったとショックを受けるが、そこに幸薄そうな女が現れて


天音って女、気に入らないわ!!!
主人公に向かって貴女は恵まれてるから分からないでしょうみたいなことを言うけれど、恵まれなかったのを理由に他人に辛く当たるからさらに恵みが遠のいているのではないですか。
恵まれない哀れな自分に陶酔して正当化しているように見えて嫌でした〜

私の心の狭さのせいでそう感じるのかしら

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【全体通して】
●すらすらと読みやすいけど、何がテーマなのかわかりづらい
●松木の謎のノートが、樹の字の練習だってことが早々に明らかにされたせいで、その後の「どういう結末なんだろう??」感があまりなかった。清瀬の成長みたいな描写はあったけど、そのきっかけみたいなものが松木と樹の字の練習を知ったこと、天音との関係性とかどれもぴんとこない。

【設定について】
コロナがはやっている世界観の小説はめずらしく感じたけど、それも歴史の一部なんだから当たり前なんだよなあと改めて。自分が生きているこの時代の現実が反映されてると不思議な感じ。リーマンショックとかも、その時代に生きていないから過去の当たり前の時代背景だけど、その時代に生きてたら本の設定に反映されるほど社会的なことなのか…って思ったかもね。

【清瀬と松木について】
●清瀬から見た松木の印象の、「相手を上にも下にも置かない、平たい態度」ってなかなか難しい。できてない気がする。
●清瀬の性格がわりと自分と近い気がした。「相手によって話題を選ぶ」とこだったり、真面目で頑張り屋な部分が他人への狭量さにつながる部分だったり。
●松木は清瀬から見た印象と全然違うな。清瀬から見た松木はとにかく快活な男って感じやけど、松木目線の話やとめちゃくちゃ周りのこと批判的に見てて、自分のことも過去のことも思い出しては葛藤するタイプやし。
●自分が加わることのできない話題の中で起こる笑い声は、遠心力だ。清瀬を遠いところに突き飛ばす。
→ その輪に入りたいって思うよりも先に寂しさが来る感じ。なんとなくわかる。

【品川さんについて】
●現実でもそうだけど、いわゆる「ほんとは間違ってるけど、その通りにした方が楽だから目をつぶっていること」に対して異議を唱える行動をするのは、その人自身は正直能力がなかったり、周りとのコミュニケーションが下手だったりするよなー。生きている上で不自由を感じやすいから、その通りにした方が楽なことにも目を潰れないんやろうな。でも人より劣っているように見える人が異議を唱えても、周りはその声を聞かないから、その人たちがいずれ社会から置いていかれるだけってのが今の社会だと思う。
●マニュアルに沿って仕事をやる場で個性なんか発揮されたら困る。
→その通り!まさに適材適所。個性は大事、その人に合う教育法も大事、やけど、飲食店とかマニュアル通りが大部分を占める職業ではその幅は必然的に狭くなるよ。だからいくら店長だからといって清瀬は悪くないと思った。

【菅井天音について】
●菅井天音の願望を松木がグロテスクな願望と捉えるの、自分ではあまり思わなかったらどきっとした。
●天音みたいな女のために松木が怪我するなんてー!!

【勉強】
ディスグラフィア(書字表出障害)
ディスレクシア(読字障害)

【障害についてなど】
●障害があると知ると障害者という枠だけでしか見なくなる
→自分が障害者の方と一線を引いている理由として腑に落ちた
●障害や男女に関する内容がしっかり書いてあった。いつも男は加害者、女は被害者とは限らないけど、男にも女にもそういう決めつけによる生きづらさが確かにある。
●『誰もが同じことを同じようにできるわけではないのに、「ちゃんと」しているか、していないか、どうして言い切れるのか』『「できること」と「できないこと」の間に、「頑張ったらできるけどめちゃくちゃ疲れる」がある』
→自分が「できること」を「できない」人たちのことを、「ちゃんと」してないって風に見てしまいがちだし、障害の有無にかかわらず、「頑張ったらできるけどめちゃくちゃ疲れる」ことは誰にでもあるはずなのに、それが大多数の日常生活に不可欠なこと(読み書き、歩行とか)だと障害とみなされる。

【その他】
●いろんな物語の中で、問題やコンプレックス、問題とまではいかないけど何かしら腑に落ちない経験や世間とのズレを抱えてる原因ってだいたい親なんやな
●手を差しのべられた人はすべからく感謝し、他人の支援を、配慮を、素直に受け入れるべきだと決めつけていた。
→自分が無意識に感じちゃってることだ。完全に見返り求めちゃってるけど、でも見返りなしで手を差し伸べるなんて、家族とか恋人相手でも難しいのに、天音みたいな関係性の相手にできるわけないよー。

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2024年11月28日

Posted by ブクログ

2024年は、寺地作品をよく手に取った。
その中でもこちらは⭐︎3と4の間って感じ。
単行本のカバーの深緑がすごくよくって、ジャケ買いみたいなところもあったのだけど、やっぱり文章が好きなのでサクサク読めた。

モヤっとを抱えたままエンディングを迎える作品が苦手なので、終わり方もなかなか良きでした。
評価は低めだけど個人用のフレーズ登録はかなり多かった。近いうちに再読するかもな〜

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2024年11月25日

Posted by ブクログ

恋人が意識不明で病院に運ばれたことをきっかけに主人公の清瀬が恋人が隠していた秘密、真意を知っていく物語。

誰もが大なり小なり持っている偏見、無理解がテーマとなっていて、知らないからこそ知らず知らずに無神経なことを言ってしまったり、そんな相手の姿に理解してもらうことを避けてしまったり、あるよなぁと思いながら読んだ。

でも同時に、どうしたって人間は完璧じゃないし、相手の全てをわかることができるなんて傲慢かなと思った。

天音のこと、背景を思うと憎みきれない。
ラストに向けての天音に対する清瀬の言動が響いた。

☆3.2

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

とても,深く考えさせられる物語でした。人はプリズムみたいに,1人でいろんな色を持っているなと。みる方向によって変わる。人への評価は難しい。関わり方み然り。自分も人に対して恥ずかしくない態度(?)を取れているのかな?と自分を振り返り,見つめ直しました。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

200ページほどで読みやすい。
意識不明の恋人とその友人の話。
使える、使えないで人を見たり、表面上でしか人を見てないか、、刺さるものがあった。
ADHDや筆記能力の欠如、普段気づかない障害があることを知れ、なんだか優しくなれそうな気がしたし読んでよかったと思える。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

天音の最初の印象が「なんか嫌な人」だったのがここまで徹底して歪んでたとは…それでももっと早く出会えていれば理解し合えたかもしれないと思う清瀬の逞しさがカッコよかった。
松木が目を覚ました後、松木と清瀬はどんな会話をしたのか。お互いのことを許し理解できたのか。どんな話をしたのか。いっちゃんは歪んだ天音を許せたのか。曖昧にしてた関係から秘密を紐解いていく本だったからこそ、最後その曖昧さをきっちり描くシーンが欲しかったなと思う。

余談で、この作品に出てくる松木圭太がどう想像しても神木隆之介になってしまいます。他の読者はどんな俳優さんを想像されてるのか気になります。

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2024年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「大人は泣かないと思っていた」がまあまあ良かったのと、
帯に本屋大賞ノミネートとあったので期待して読んでみた。
うーん、何でこんなに高評価なの?イマイチ腑に落ちない。ってかイライラが増した。

松木とは喧嘩をきっかけに数か月音信普通だった。清瀬の元にかかってきた電話は病院から。殴り合って階段から転げ落ち、相手ともども意識不明。
その相手とは松木の友人、樹。彼の母親は「仲がいい二人だったのにどうして」、彼の恋人だと言い張る天音は現場を目撃していたらしく「松木さんが悪い」と断言する。
一体何が起きたのか。

読み進めながら
清瀬の勤務先のアルバイト・品川も、樹も、「あ~、障害があるのかな」とすぐに気づいた。
天音の厄介さも訳アリなんだろうなと。ま、この人のことは置いといて。

品川は初めから障害のことを隠して働き、周りに迷惑がかかっているのも自覚しながらなるべく知られたくないとか。
いやいや、労働の場でそれはダメじゃないか?ボランティアじゃないんだよ。チームワークの上で賃金が発生する場所なのに「気を使われたくないから言いたくなかった」は甘え。

樹の障害についても口外しないという約束でがんじがらめで、それきっかけで恋人である清瀬と喧嘩続きでいいのかよ松木。大事な友人のことを早く紹介して、きちんと話しておけば済む話じゃん。
言葉通じるんだから意思の疎通を図れよ!

ただ、清瀬が色々と事態が明確になって来た終盤、友達の篠ちゃんと「天音さんともっと早くに知り合えていたら助けられたかな」っていう流れは
「???」
ちょっと気持ち悪かった。悪意を持って対峙してきた相手にそんなこと思うかな。


障害を持っていたら認められなかったり、
上手く立ちいかない人生に絶望していたり、
それぞれ事情はあるんだけど、わかるけど
自身の弱みや痛みを早く認めて外部に開示することも必要だと思うんだよな。

あ~ダメだ。イライラするw

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2024年10月21日

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