感情タグBEST3
Posted by ブクログ
子供のいじめ問題を発端に、教師として、父親としての間で揺れる主人公の心情が丁寧に描かれていた。
学校の事なかれ主義や隠蔽体質、加害者に対するネット拡散の恐ろしさ。家庭内の歪みや疑心暗鬼がどんどん膨らんでくる。
家族でも、どんな思いを抱えているかは分からない。兄の駿の思いが、唯一の救いだったかな。
Posted by ブクログ
心理描写が巧み。こういう気持ちになるだろうなと思うこと多々。後半、主人公以外の家族の心情と理由が描かれ、状況が理解できるようになるがいやなんとも
Posted by ブクログ
蕁麻の表題の方が自分的にはしっくりとくるような気がした。人の心に巣喰う闇がどんどんと表在化してくる後半はなんともやりきれない気持ちでいっぱいに。様々な立場で役割を全うすることや何を優先するのか、自分が立たされた状況で一変することの怖さをひしひしと感じた。犯人は予測できなかったなぁ。棘からの毒は侮れない。人は身勝手であるものなのか、自分で矜持を持っていないと壊れてしまいそう。正義感とは、なんなのだろう。
Posted by ブクログ
穂刈は、クラスで起こるいじめに目を反らすような、事なかれ主義の中学教師だった。
しかし小6の娘がいじめで飛び降り自殺をはかり、被害者の親になってしまう。
加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。
そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かにインターネットに書き込まれてしまう。
追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く……。
加害者の母親の初期行動があかんだろう。
父親がここまで冷静で常識的な人なのに残念だ。
しかし、どの小説でも母親は馬鹿息子守りすぎじゃないかと思うが・・・やはりそういうもんなんだろう。
Posted by ブクログ
イジメを通して学校現場の闇、イジメによる加害者と被害者の家庭の綻び、ネット社会による不特定多数からの弾劾、現代社会の闇がリアルに描かれていて引き込まれた。
主人公の穂刈は中学の教師であり、イジメを苦に自殺未遂した娘の父親、どちらかというと教師としての立場を取りがちだった前半では情けなさが際立つがか後半は父として奮闘し、ついつい肩入れしてしまう。二転三転の展開に食事や睡眠を削ってでも読みたくなる作品だった。
Posted by ブクログ
最後までだれが殺したのかわからず、まさかの結末だった。家族を疑ってしまったり信じられなくなってしまったら、と思うと主人公の立場は恐ろしく辛かったと思う。普段からせめてパートナーとはなんでも話せる仲でありたいと思った。
Posted by ブクログ
いじめはいつの時代にもあって
人が集団で生活する以上なくならないな
と思います
特に小学生などのなどは閉鎖的空間だから
いじめられたら地獄だと思いう
犯人の事情もわかり悲しかった
Posted by ブクログ
いじめの被害者と加害者。
その立場が変わることで、周りの目が一気に変わるところが恐ろしい。
ほとんどの登場人物(駿君以外)の性格が好みではないからか、なんとなく陰鬱な気分で読んだ。
でも、内容自体には引きこまれて一気読みした。
イジメ、自殺未遂、ネット炎上、少年犯罪等ニュースで耳にするテーマ。文章は面白く一気に読めるが、なんとなく展開が予想できるのであまり楽しめなかった。
序盤に里美がパート勤めと記述があるのに、終盤では専業主婦という説明に変わっていて??となった。
Posted by ブクログ
読みやすさは☆4
内容は、面白い部類に入るのだけれど
深みがもっとあっても良いのかなと感じたのでトータル☆3
被害者、加害者の新書を過去に読んだ経験があるのでなおさらそう感じたのかもしれない
Posted by ブクログ
自分だったらいじめ、家族とどのように向き合えるか考えながら読みました。頭では向き合えても、現実では逃げてしまうのかどうなんだろう。
最後に蕁麻が枯れてしまったのは、家族が元には戻らないということを示唆していたのでしょうか。
Posted by ブクログ
事なかれ主義の教育現場、学校でいじめられた女子小学生の自殺未遂と来て、胸糞の悪い展開になりそうだ、失敗したと思ったけれど、すんなり一気に読めてしまいました。
人間的な弱さ、ズルさも見せる、物語の中心にいる父と子が、困難な状況下でも冷静で、上質な人達に思えて好感が持てました。気がついてしまった自分の中の悪意、周囲の思惑は、なかった事には出来ないから、この家族も、もう一つの家族も元には戻れない、どこかにトゲが刺さった様な関係性で生活を続けていかなければならないと思うと切ないです。
Posted by ブクログ
加害者と被害者の立場がコロコロ変わりそれに翻弄される主人公とその家族の心理描写と関係性がリアルだった。加害者家族をもう少し掘り下げて欲しかったと思いました。
Posted by ブクログ
いじめの被害者と加害者。教師としての向き合い方、保護者としての要望。周囲の態度の変化。マスコミやネットの恐ろしさ。家族関係の危うさ。いろんな問題が盛りだくさん。
被害者を守るような子が、急にそんなに冷酷になれるかなとか、本当にそんな理由で家族を殺すかなとか、娘や息子が大変なときに、恋愛未満の相手に会いに行こうと思うかなとか。少し不自然に感じるところもあるけれど、ページを繰る手は止められず。
いろいろ恐ろしいし、気分悪いし、後味もよくないけど、兄の優しさに少し救われたかな。
Posted by ブクログ
いじめの対処をうやむやにしている中学教師が 娘の自殺未遂により被害者家族になってしまう。知らずにいた家族の心や形の歪みが露見し、殺人事件もあり。奮闘する教師の姿が描かれています。心に闇を抱えつつ、形を整え家族は再生継続していきます。経験を生かし、学校の問題にも向き合って欲しいです。兄だけが真っ直ぐで救われる。
Posted by ブクログ
被害者と加害者の立場が変わる。いじめを受けて自殺未遂した由佳が、陰で画策していじめの主犯の彩を追いつめ、それきっかけで殺人事件が起きたのではないかという見方がしんどかった。由佳に庇われた夏菜も見てみぬふりをしたり、結果面白がったり、個人をじっと見つめるとそれぞれに小さくても悪意がある。何ともいえない気持ち悪さが残った。
本当に強い人間は他人を貶めたり見下したりしないというのは、真理だと思った。
Posted by ブクログ
すこぶる後味の悪い作品。
正義感から、いじめられていた同級生をかばった事で新たなターゲットとなり、それを苦に自殺を図った小6女児。
ネットにはいじめ首謀者の児童の名前や、家族の情報までが晒される。
そして今度は加害者児童に悲劇が起きる。
被害者と加害者は掛け離れた存在だと思っていたが、本書で両方の立場は簡単に入れ替わってしまう事に気付かされる。
事なかれ主義の学校や、人の不幸は蜜の味とばかりにSNSに好き勝手に書き込むネット民に怒りが収まらない。
家の中にも毒は潜んでいる。
悪意という名の棘が胸に刺さる反転ミステリー。
Posted by ブクログ
追う者と追われる者、加害者と被害者が入れ替わる構造の作品は、中山先生の作品だけでも3作目かな。3作に共通しているのは無責任な大衆とSNSの怖ろしさ。
Posted by ブクログ
子供の間で蔓延っている“イジメ”問題。
それを、自分の保身のために、隠蔽する学校関係者。
一度、事件が起こると“他人の不幸は蜜の味”とばかり飛びつく、マスコミ。
その上、無責任な、ブログにSNS、画像投稿サイトに、巨大掲示板。
ある日、穂刈は、娘がイジメを受け、それを苦に、学校の教室から飛び降り、自殺未遂をしたと、知らされる。
中学教師でもある、穂刈は、教師と父親の立場で、揺れ動く。
一旦途中で、読むのを止めると、続きを読むのが、苦痛になるような、心が澱むような内容だった。
Posted by ブクログ
「いじめ」って学校にとっては不祥事なのか。
妙に納得した。
いじめの発覚した学校ではこんなやりとりが実際に行われているのかな、と思った。
それにしてもお母さん、良妻賢母だと思ってたのに何やってんだ。
Posted by ブクログ
中学教師の穂刈(父)。
クラス内のいじめを黙殺しようとしている。
そんな折、小学生の娘が校舎から転落。どうやらいじめられていたらしい。
元教師の妻と、中学生の兄。
父親なのか教師なのかと家族から問われ、自問する日々。
そしていじめの主犯格が殺されてしまい、なんと息子か参考人として警察に連れていかれてしまう。
穂刈は父として家族を守れるのか?!
という展開。
まさかあそこまで穂刈家が壊れかけていたなんてね。
兄は立派だったけど、母よ...安直でお手軽すぎないか。
これから穂刈家はどうなるんだろう。
完全に分解するか、無理やり円満な家族を演じるかのどちらかでは。
Posted by ブクログ
穂刈慎一は中学校教師。
今は主婦の妻もかつては教師だった。
事なかれ主義、と言ってしまうとどうしようもない教師に聞こえるが、所詮は宮仕。
気持ちはわからないでもない。
「もし間違っていたら」。
それが穂刈の動きにブレーキをかける。
ある日穂刈の娘、由佳が自殺未遂を起こす。
その理由はクラスでいじめられていた子を庇ったから。
そして、そのいじめの主犯が死亡しているのがわかる。
もしや、仕返しに息子が、まさか、いや、妻が…穂刈の中で疑いが首をもたげる。
本作の妙は、凄惨ないじめ描写(は、ないのだ)ではなく、小さな秘密、という心理描写なのだ。
皆が皆、鬱憤を抱え、皆が皆、疑いを持つ。
232頁、「剛い者は虚栄など張る必要が無い。嘘を吐く者、体面を保ちたがる者は、いつだって弱い人間だ。」
この言葉に、著者の思いが見える気がする。
著者も作品がが匿名の誰かに叩かれることもあるだろう、あるいは誰かを叩いてしまったこともあるかもしれない。
私たちはいつだって加害者で被害者だ。
自分だけが正しいことなどあろうはずもない。
ちくちくと痛む棘は一体誰を刺したのだろう。
Posted by ブクログ
なんだかんだで読んでしまう作家。
真犯人の初登場と手掛かりの感じに氏家〜の既視感。
そんなこんなだけどやっぱり新作を読んでしまうのだろう…
Posted by ブクログ
久しぶりの中山さん、いくらなんでも任意の少年、お泊りなんてあり得ない。そこを軸に展開なんて「らしくない」。ネットの悪意に閉鎖的な学校、お粗末なメディア、大人含め弱者のイジメ。いずれもステレオタイプすぎて鼻白む。でも胸が悪くなる、こんな罵詈雑言よく思いつくなぁ。後味悪すぎ。