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Posted by ブクログ
個人的には好みの作品でした。勢いで60歳で定年退職をした妙子が再就職先を探して奮闘&葛藤する姿に親近感を覚えました。自分だったらどうするんだろうと考えながら読み進めました。家具のタケオカや株式会社スピカのような会社も現実に在りそうで無さそうな、そんな感じが面白かったし、また孫の瑠希との共同生活から妙子が色々なことを学び、気付き、お互いのことを知って理解し合いながら少しずつ成長していき、最後には友達のような祖母と孫の関係を築いていくのが羨ましかったです。是非続きが読みたいです。瑠希は夢を叶えられたのかな? 気になりますね…。
Posted by ブクログ
60歳で定年間近だった妙子。当然、継続雇用をする気満々だった所へ、若い子達の陰口と同い年の課長の栄転で頭に来て勢いで退職してしまった。
夫とは死別し、娘も結婚していて暇を持て余してしまう。一念発起し就職活動をするが、どこもハラスメントな会社ばかりで…
とにかく妙子のバイタリティに驚きました。普通は定年してのんびり過ごしたいなんて思う所を、ボランティアなんて賃金の出ない仕事なんてまっぴらとばかりに、精力的に就職活動をするのが凄い。しかも、アルバイトやパートではなく正社員になろうとしてる所がビックリしました。
娘夫婦の養女・瑠希とひょんな事から同居生活を始めるのも良い方向へ向かっていた気がします。
再就職先も見つかったし、ますます元気で働いて欲しいです。
Posted by ブクログ
現在60歳以上の7割以上が働いているという。勿論、生活のために止む無く働く方がいる一方、主人公・妙子は、生活に困っていないのに、定年退職後、正社員として再就職を目指す。なぜ?
よく言われる、①一定の収入による安定、②社会との繋がりによる満足、③規則正しい生活による健康。妙子にはどれも当てはまらない、という。「お金じゃなくて、心の問題よね。」そこまでして、仕事に駆り立てるものとはなんでしょうか。
「働くのが好きなんだわ。ケチなのよ。貧乏性なのよ。指一本動かすのも、それでお金を稼げないなら、損したと思うのよ」と語る。本当だろうか。使い切れないほどのお金を稼ぐ目的としては、納得できない。
結局、「休むために働くという発想は、おかしい。働くために働くのだ。それが、働き者の生きる道なのだ」と、語る。答えになっていない。昭和世代を自負する主人公は、結局、老害を撒き散らすだけの存在なのだろうか。ワーカホリック、働き者という名の。
老齢者が働くことによって、若者の労働機会を奪うことになるかもしれない、とは考えないのだろうか? 同時に、採用する側からすれば、同じ投資をするなら、少しでも長く働けるチャンスのある若者に賭けるべきではないかと、考えないのだろうか? 単なる疑問ですが。
死を目前にした人が挙げる後悔の一つが、「あれほど働かなけれはよかった」と、言われている。それでも、それでも、それでも、働く理由は何ですか。
もしかしたら、神さまから卒業のアラートが届くまで、盲目的に働くことが、定年退職者に与えられた働く理由なのかもしれない、と。