【感想・ネタバレ】お茶壺道中のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

202112/タイトルのお茶壺道中とは、幕府が将軍御用の宇治茶を茶壺に入れて江戸まで運ぶ行事とのこと。宇治茶を誇りに思いお茶壺道中が大好きで、お茶を淹れるのも上手な主人公・仁吉が、宇治から江戸の茶葉屋で奉公にあがり成長していく物語。梶よう子の史実(今回は生麦事件、和宮降嫁など)を物語に絡める手法が今回も効果的で、緊迫した空気と時勢の転換に戸惑う主人公の描写にいかされてる。主人公の人脈や商才で危機を乗りきっていく所、特に阿部様周りの出来事はラッキー要素多めな印象はあるけど面白かった。幕末の動乱や外国と交易している横浜の描写、お店のお内儀・本店の主人を始めとする商人達のしたたかさや、人間の多面性が描かれているのも良かった。序盤で奉公の様子とともに弟分や同郷の友人など丁寧に書かれてるので、彼らはもっとキーパーソン的立場かと思ったらそうでもなく、物語の畳み方・ラストに書かれた結末には駆け足感があり、書き込みの比重がややアンバランスに思える所もあったけど、今作も読みごたえあって楽しめた。

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2021年12月13日

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