【感想・ネタバレ】この夜が明ければのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

住み込み期間バイトで集まった7人。
ある夜、仲間の1人が死ぬ。本人の鞄には脅迫状。
死体を発見したにも関わらず、警察に届けるのはやめると多数決で決まる。

みんながみんな、何かを隠している。
人が死んでも警察には届けたくないほどの秘密って、怖すぎる…。
一夜のうちに少しずつ暴かれていく過去がめちゃくちゃおもしろかった!
ラスト、私はよかったと思う!

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2022年08月18日

Posted by ブクログ

7人の季節労働者、お互い身も知らず一過性の関係のはずが1人の死によって警察を呼ぶか呼ばないかかで曰くありの過去を持つ人らと判明。母親からの束縛から逃げ出した家出人。オーバーステイの中国人、DVから逃げ出した主婦、介護放棄した孫息子、盗聴マニアが発覚し退職、事情が事情だから仕方ないねって言えるものでもない。自分ならどうするのだろう。警察に通報するだろか?助けてあげる事ができないからそのまま??

人と深く関わると碌な事ないと教えられた本でもある。

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2022年08月13日

Posted by ブクログ

パンドラの箱を開けてしまったかの様な後ろめたさを伴う読書時間だった。

北海道の港町、季節バイトに集まった七人の男女は其々に大きな秘密を抱え皆一様に何かから逃げている。

仲間の一人が不審死した事によって、六人の秘密が順に明かされて行く場面は公開裁判さながらで息が苦しくなる。
人間の暗部を抉り白日の下に晒す行為に嫌悪感を感じつつも、真実を知りたい欲求は加速し、頁を捲る手は止まらない。

皆が背負って来た過去が明らかになるたびに同情の気持ちが芽生え彼らに肩入れする自分がいた。

彼らの心が晴れ本当の意味で夜が明ける事を祈る。

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

北海道の短期バイトで働く男女7人。年齢はバラバラだが、1つの宿舎に過ごすだけあって、仲は良い方だと思う。しかし、リーダーの様な存在だった、仲野大地が街まで遊ぼに行ってから帰って来ず、探しに行くと、死体で見つかった。
工藤秀吾は警察に連絡しようとするが、一緒に探しに来ていた佐藤真里に携帯を奪われしまう。宿舎に戻り、全員に状況を報告するが、誰も警察に連絡しようとしない。硬直状態の中、高井戸唯が、次々と7人の過去を暴露していく。
田辺亮は、家族から祖母の介護を押し付けられ、疲弊仕切っていた。そんな時、魔が差して祖母を殺そうとする自分に怯え、家を飛び出す。その三日後祖母は亡くなり、殺人容疑で指名手配される。
朝戸茉莉凛(佐藤真里)は、マリリンという名前のせいで虐められ、母親から自分の価値観を押し付けられ自分の居場所も未来も無かった。そして全てを捨てて家出した。
矢島彩子は、DV夫と子どもがいることを教えてもらえず、子どもの世話をさせるために結婚したんだと悟り、家を飛び出した。
乾佳靖は、実は中国人で、とっくにビザが切れておりオーバーステイをしている。お世話になったコンビニ店長に迷惑をかけないように短期バイトを転々としている。
工藤秀吾は、半年前で警察官として、自分の正義=法律であると、仕事に熱心だった。1度その功績が称えられ、さらにやる気を出していたが、職質に失敗した事をキッカケに自分の思う『正しい』という価値観が分からなくなり、警察を辞めた。
高井戸唯は、初め盗聴を趣味として行っていたが、人間関係を操るには、映像もあるといいと思い、盗撮をするようになった。職に吐いていたが、盗撮が原因でクビになり、このバイトに来ている。ここでも盗撮を行っていたため、全員の過去、そして、仲野大地が亡くなった原因が判明するのだった。
全員はその事実を知り、仲野大地が残した現金1億円を元手に逃亡生活を行うことを決意する。


最後の結末が珍しかった。誰か1人は裏切る?ような形になる展開が多いが、全員が悪い方?に団結するのは珍しかった。何が正解なのか、何が悪いのかの価値観や視点、見方についてのミステリーサスペンスである。

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2022年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!

北海道の加工水産業の期間アルバイトに集まった7人。
そのうち、リーダー格が不審な死をとげる。
発見者の一人は警察に通報しようとするが、もう一人の発見者はその携帯を奪って阻止、
宿舎に戻るも警察に通報するのはやめようとするものが多数。なぜ、彼ら彼女らは警察に通報しようとしないのか?

ここからどっぶり作品にのめり込んだ。
徐々に登場人物の過去が明らかに、
不法滞在中の実は中国人、母親の束縛から逃げだしたサトマリ、夫の暴力と子育てに疲弊した女性、祖母の介護殺人をし逃亡中の男、盗撮せずにはいられない女、職質で失態をおかし退職した男、
様々な人間模様が描かれていてリアリティがありすっと入り込めた。

さいごみんなで逃げ出す描写、ハッビーエントではないがリアリティを感じさせる作品だった。映画になりそう。

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2022年01月02日

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ネタバレ

北海道の港町で短期のバイトに参加している7人の男女。
そのうちの1人の男が遺体となって見つかる。
誰もが警察への通報を拒否する。

そこから始まるが、とにかくそれぞれが過去から逃れて短期のバイトを転々としているのに理由がある。

不法滞在だったり、母親の呪縛から逃れるためだったり、育児とDVから逃げてたり、祖母の介護疲れで放置した罪で手配されていたり、仲間外れから盗聴、盗撮にはまりそこから抜けだすことができなかったり、正義を信じ警察官になったものの空回りして辞めることになったり、
みんな何かしら抱えて逃げている。

すべて弱さのせいだろうと決めつけたくはない。
そういう選択肢もあっていいのでは…と思った結末だった。

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2021年12月15日

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ネタバレ

人間のドロドロした部分をたくさん見ることが出来る本。
6人がそれぞれちょっとずつ自分語りをしていくのが小説を色んな方向から読み解けて面白かった。
正しいことだけを貫くのは生きづらいだろうなと思いながら読んでいたので、ラストシーンの一歩踏み出す描写は気持ちが良かった。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

北海道の漁港での短期バイトで集まった男女7人。ある日そのうちの1人が遺体で発見される。通報しようとしたシュウに、周りはみんな警察に連絡しないよう説得を始める…。バイトに応募した面々が抱える事情とは…。

読む前に想像してた展開とは全然違ってたけど、これはこれで。結末も嫌いではないな。こうなったらとことん逃げてほしい。それにしても亮の事情はかなり闇深い…。
この短期バイトを渡り歩く生活、大変だとは思うけど、少し心惹かれる部分もあるなー

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2023年12月22日

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密かに期待している作家さんです。心象風景を描くのが上手いので人間ドラマ好きの僕としては大いに楽しませて頂いております。
北海道のサケ加工所で短期バイトの為に集った人々が、一人の仲間の死によって各々抱えている闇や隠れた事情が噴出。疑心暗鬼の中次第に暴かれていく人間模様。
この作者が書く本は皆どこか失敗しているのだけれども、どこか救われて欲しいという心情が表れるんですよね。犯罪と罪は別のものという事なのかな。納得出来ない終わり方と僕は感じたけれど、これは優劣言うよりかは考え方の話しなのかもしれない。

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2023年04月03日

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これは一体...。どういう心持ちで読めばよかったのか。北海道のはずれにある漁港の季節バイトに集まった7人の男女。うち1人が遺体で発見されるが、1人を除いて誰も警察に通報しようとしない。皆スネに傷を持つ後ろ暗い人たちなのだ。彼らの過去を中心に展開するミステリだが、ミステリとしてはあまりいただけない。拍子抜け感。彼らの辛い状況が明らかになっても思ったより平凡な印象だったので、さほど共感は生まれず心は冷える。あえてランキングするなら亮≧乾>彩子>大地>秀吾>真里>>唯 の順で同情できるかな。唯は最低だと思う。

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2023年02月13日

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10月-03。3.0点。
北海道東部の港で、マスの解体バイトをする7人。ある日一人が死亡し、警察に通報しようとするが、皆訳ありで通報を逡巡する。犯人は残りの6人の中にいるのか。。

少しヒネったクローズドサークルもの。テンポ良くそれぞれの訳ありを披露していく。読みやすかった。

意外とラストはあっさりだったかな。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

こういう展開は初めてです。誰しも逃げていい時はあると思うけれどこれは違うような…。それぞれ事情はあるのはわかるけれど、ずっと逃げてて言い訳じゃないような…。危うすぎる関係性ですし。

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2022年05月30日

Posted by ブクログ

クローズドミステリーかと思ったが、なかなかうまくまとまっていたと思う。
登場人物しかでて来ないが、それぞれの回想を通じて奥深い描写になっている。正解か不正解を求めるのではなく、解決出来ない現実がある以上これが理想に近いのではと思わされた。

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

色々な事情があってグレーな世界は確かにあるんだろうけど、それでもいざ私は同じ場面に遭遇したら誰に確認もすることもなくさくっと110番しますけどね、と思いながら読み終えました。
でもそういうことを言いたいわけではないのはわかりました。でも同じ道には行かないと思います。

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2022年03月15日

Posted by ブクログ

岩井さんの作品にしてはしっくりこなかった。
同じバイトで出会った仲間、中野の死によって、各々の過去と向き合いながら犯人を探し未来を探す一晩の出来事。
アルバイトたちの過去も壮絶ではあるけれど、ありきたりだし、それが逃げる理由にしては浅はかすぎる。登場人物の誰1人にも共感できないので気持ち悪いまま読み進めるしかなく、結末も腑に落ちなくって残念。
わたしには理解できないストーリーでした。

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2022年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みんなあやしい。
なるほど、自分を偽って働く理由は色々あるのだと思った。
乾さんが、その1億円という大金を独り占めしないで、分配するから一緒に逃げようとと持ちかけてきた案。
なるほどと思う。
でもこの集まりは仲間ではない。
それぞれがそれぞれを疑っている。
どうかな?
仲間割れしそう。
結局独りぼっちになりそう。
捕まりそう。
迫力のある話で、一気読みだった。

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2021年12月01日

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