【感想・ネタバレ】子供は怖い夢を見るのレビュー

宇佐美まこと

[ブクログ · ★★★★★]

『僕が頼んだんだ！航を生き返させてって！航は僕の友だちだから、だから.......』
『こいつが怖い夢をみないで済むようにな』

招いた結果が悲劇になろうと、救いになろうと、
暗闇の自分を掬いあげようともがいてくれた事実は変わらない。
たとえ、血縁関係があろうとなかろうと。

傷つけ合って、すり減らし合って。
最期まで不完全で不器用な彼らのあたたかさに号泣した。

結果は最悪だったから、ずっと、今も憎んでる。
だけど、あの頃私に関わろうとしてくれた大人たちも彼らのように私の未来を想ってくれてたことは違いないんだよな。。
この憎悪を完全に消し去ることは出来ないと思うし、そこまでするつもりもない。でも、そんな一面もあったことを受け入れていこう。時間はかかると思うけど、少しずつ。

[ブクログ · ★★★★★]

ものすごーく良かった❣️
最初はネグレクト、いじめ、宗教など、重い話だわーと思いながらもう読み進めていましたが‥
読み終わったらこれはファンタジーだと思いました

[ブクログ · ★★★★★]

ファンタジー、タイムトラベル物というよりも、半村良氏の伝奇物のようなきがしました。嫌いではないです。宇佐美さんの作品はほぼ読んでいて、ということで好きな作家さんの一人ではずれがほとんどありません。展開はある程度読めてしまったのですが楽しめました。

[ブクログ · ★★★★☆]

読み応えあったから読み終えた時には色んな国を冒険してきたような心地いい疲れだった。
ズルをしてもらった航はその後慎ましくも幸せに3人で暮らすんだろうなと考えると、これまで彼の身に起こった悲しい出来事を読んでいた側としては良かったねと思えるが、たった一人の親友と出会えなくなってしまったのだけは残念。
ガオももう怖い夢を見ることがなくなりますように。

[ブクログ · ★★★★☆]

子どもは怖い夢を見る。
わずか8歳の航は赤ん坊の満里奈を助けるために川に飛び込んだ。そんな過去を男は大人になっても度々夢を見た。

表紙を見てホラーかなと思って読んでみたら、なんとジャンル分けすればいいだろう、現代日本が舞台のダークファンタジーなミステリーだ。
児童養護施設で育ち、商店街の惣菜屋で働いていた航はひょんなことからガオという男と知り合い、そこから航の幼少期、不思議な力を持つ人々の話などが展開されていく。
次々と転がっていく展開に、面白くてぐいぐい読み進められた。
これ以上はネタバレになるので具体的な内容は差し控えたい。
ラストはこれが救いなのか、これで良かったのか。
少し考えさせられた。ラスト以外にも、家族の形や様々なことを考えさせられる物語だった。
宇佐美さんの作品は面白いので、また他の作品も読んでいきたい。

[ブクログ · ★★★★☆]

死ぬ直前になんやかんやあったけどいい事もあったなって思えれば上出来だと思う。航はそのままでよかったのではないかと。

[ブクログ · ★★★★☆]

母親が新興宗教に入所して、小学校でいわれない虐めを受ける主人公の航。転校生としてやってきた蒼人に出会い、彼ら魔族の擬似家族と深く関わり、産まれたばかりの妹が宗教の神の子として扱われ殺されてしまう。魔族の力で生き返らせてもらったものの、離れ離れに。宗教に嵌ってしまった母親を憎み、大人になってガオという変わった人物に会い自分がどこへ向かいたいのか逡巡する航。最後にえっ?!となり、そして胸をなでおろす素敵なエンディングだった。

[ブクログ · ★★★★☆]

ホラーかと思いきや現代日本を舞台にしたファンタジー小説である。新興宗教に預けられた少年・航の壮絶な人生が描かれる前半部と後半部は謎のウイルスが猛威を振るう。
これがなかなかの作品だった。人とは。人生とは。大人が成すべき事は何なのかを描いていて読み応えがあった。

[ブクログ · ★★★★☆]

航の母江里子が生活に困窮して駅頭でチラシを受け取り「至恩の光教」の施設で何とか生き延びたところから始まる物語だが、学校で航が蒼人と出会ったことが話が展開する．蒼人は祖父、父、母と暮らしていたが奇妙な家族だと認識した航は学校でのいじめの逃げ場として彼らを重宝していた．宗教施設で妹満里奈が生まれたが、発熱した彼女に胡散臭い薬しか与えず死んだように見えたので川に廃棄されたが、航が拾い上げて蒼人の祖父喜連の術で生き返った．彼ら家族はいつの間にか消えていた．成人した航がガオに遭遇したことでストーリーが予想外の方向に進む．精肉店でバイトしていた航にガオが一緒に仕事をしようと勧誘し、「フォーバレー企画」で成瀬という女性に遭遇するが、なんと満里奈だった．ガオが蒼人の母役の友子を憎悪する背景に彼らが呪いによって半永久的に生きている事実があり、現在1700年生きているという喜連が家族(仲間)の話を語る場面が秀逸だった．ストーリーの中にタルバガン・ウイルスが引き起こす伝染性発熱疾患が出てきて、現代の様子も織り込まれているのも面白かった．壮大な歴史を踏まえたワイドな物語が楽しめた．

[ブクログ · ★★★★☆]

タイトルからホラー？と思ったらファンタジー！

惣菜屋で働く主人公・航は小学二年生の時にお腹の大きくなった母親と共に父親に捨てられ家も失った。
路頭に迷った母子は街で手渡されたチラシによって悲惨な人生を送る事になります。
チラシは「至恩の光教」胡散臭い新興宗教のもので2人はその施設で信者達と住み始めるのですよ(*_*)
至れり尽くせりの信者達のお世話に洗脳された母親はネグレクト、近所の人達からは気味悪がれ、学校ではイジメにあう航が可哀想｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡
こんな悲しい話なのか…と思ったらここからファンタジー笑
青い目をした謎の転校生&不思議家族
からの超能力…そして友との別れ。
魔族そして未知のウイルスが世界に蔓延？

こんなに盛り込んでくるとは…
それがまた上手いこと繋がってファンタジーになってるんですよ♪
で、この意味深なタイトルです。


ガオ‼︎あなた最高だ‼︎
ラストたったの４ページでハッピーエンドにしてくれてありがと〜\(//∇//)


宇佐美まこと作品はジャンルが幅広すぎて読むまでわからないと言うね…楽しい(〃ω〃)

[ブクログ · ★★★★☆]

人間の愛憎を落とし込んだ壮大なファンタジー作品。

タイトルから児童虐待物を想像していたが良い意味で裏切られた。

一枚のチラシがきっかけで新興宗教『至恩の光教』に入信した家族。
胡散臭さ満載のカルト集団で生活している事で日常的ないじめに合う少年。

ここまでは有り勝ちな流れだがそこからの展開が凄い。

世界に蔓延する感染症と1700年という長い年月を生きて来た不老の魔族の関係。
突拍子もない物語の様だが家族や仲間の絆は昔も今も変わらないと思える。

憎しみの感情から解放されたガオの行為に涙しラストシーンの美しさに溜息が漏れる。

[ブクログ · ★★★★☆]

突拍子もない話で、あり得なさと現実が半々くらいの物語で久々に手が止まらなかった。抱えた孤独に何か共鳴するものがあって、繋がる登場人物たちに感情移入してしまってつらくなることもあったけど、なんとも上手く行きすぎで、なのに未来に希望が持てるラストがとても良かった。多分私はなんだかんだでハッピーエンドが好きなんだな。

[ブクログ · ★★★★☆]

路頭に迷った母と子供だった主人公が頼った先は、新興宗教団体…母はそこで出産し、主人公は壮絶ないじめにあう…。そんな中、主人公は不思議な力を持つ家族に出会い救われる。生まれたばかりの妹も助けてもらった…。年月が流れ、新たな出会いもあり、そんな中新型感染症が猛威を振るう…。ラストシーンが本当によかった…家族のつながり、友情…いろんなものを凝縮したような内容でした。

[ブクログ · ★★★★☆]

たった一人の友達

かえがたい家族

というものに

心を砕く姿に

ついつい愛おしさが湧きます



魔族の能力が

ご都合主義になりますし

そもそも

タイムトラベル出来るなら。。。

という矛盾には目をつぶって



最後に

小さい友を救いに行く

そこが泣けるんですよ

もしかしたら

過去を変えれば

会えないかもしれない

でも救いたい



違う人生になったら

3人が友達になれる

そんな夢がみたいなぁ

[ブクログ · ★★★★☆]

事前情報なく読んだ。貧しさから、新興宗教教団に取り込まれた親子を起点に話が始まる。ちょっとファンタジー系？で、なかなか面白かった。終わり方は想定通りだか、個人的には好きな終わり方。

ただ、前作でも感じたが結末に向けてのまとめ方が、若干強引かな。

[ブクログ · ★★★★☆]

コロナ禍らしい小説かと思いきや、1つの要素として感染症も含まれる、しかし複雑な伝奇物語であった。著者の小説は作品を追うごとに好みになっており、今作もラストの救いが良かった。

[ブクログ · ★★★★☆]

宇佐美まこと２冊目。
ワタシ、宗教関係とファンタジーはまったく好きじゃないので、あらすじ見て読むのやめようかと思ったのですが、読み始めてみると、苦手なはずがスルスル読める。

航が実は・・・というのは、読んでいてすぐ分かる。
ラストのズルは、いわゆるパラドックスとかは全く無視できない人には受け入れられないかもしれないけれど、ファンタジーだし、うんズルしてもいいよって、思えるラストだったと思う。

[ブクログ · ★★★★☆]

数冊しか読んでいないけれど、なんか温もりのある執筆力の筆者。
「羊たちは草をはみ」はバッハの曲からネーミングだが当作も私の好きなオラトリオ「目覚めよと叫ぶ声が聞こえ」が繋がる。

硬い本ばかり読んでいるとこういったファンタジー本は荒唐無稽の度合いが一歩はずれるととてつもない愚作になると思う。読み始め、どんどんオカルト色が広がり「中高生向け」かなと思った後半はどんどんそのコミック調が研ぎ澄まされいい形で軟着陸したと思う・・ネガティブな意見が多いけれど。

航と満里奈、江里子らのいる世界にクロスする魔族たち・・いわばファンタジーバブルに包まれているとは言えそこから導き出された筆者のメッセージはカオス。
寂しさ、愛への希求、彷徨。人類とウィルスの関係。コロナを思わせるタルバガン・ウィルス。確かに地球上の生物群の中で人類は後進組、先住者たるウィルスを撲滅させようとしても氷河・森の中で生存を阻むことは不可能かと思う・・鳥の存在は絶対的に強いし。ヒトが「彼らをやっつけた」と思うこと自体号あんかと考えさせられた(NATO離脱した英国はコロナに拠る移民激減で難病等のケアワーカーが激減し悲鳴を上げているのも一例)都合いいところだけ自分らにあてがって「人の繁栄を謳歌」する事への警鐘のメッセージを感じた。

[ブクログ · ★★★★☆]

◆おすすめ度◆
・サスペンス＆ホラー小説度：★★★★
・SF＆ファンタジー小説度：★★★★
・「結末は決して口外しないでください」度：★★★★

◆感想◆
いじめられっ子で学校でも孤立していた航は、転校生の蒼人と仲良くなる。どこか老成した蒼人には不思議な力があり…

主人公の航がいじめられっ子だった小学生の頃と、大人になって商店街の精肉店で働く現在とが、交互に語られる展開。

「なんだか随分昔に読んだモダンホラーみたいな感じだなあ」なんて思いながら読み進むが、次第にジャンル分け不能の意外な物語りに。

どう展開するのか予測困難なことの多い宇佐美まことの小説。
本書もスペンス、ホラー、SF、ファンタジーなど、様々なジャンルの要素が絡み合ったミステリアスな展開に。
読者をびっくりさせようという驚愕のサービスもあったりして、自分の予想があっているのか確かめる楽しみも。

舞台設定や壮大な仕掛けは、家族を想う気持ち描き出すための演出だったんですね。
途中は暗い印象ですが、読後は優しい気持ちになります。

[ブクログ · ★★★★☆]

宇佐美まことの小説はけっこう読んでると思うのだけど、ここまでファンタジーなのは、初めてだと思います。読み進めて、軽く驚きました。
以下、ネタバレします。

魔族という特殊な能力を持つ人々がでてくるんですよ。彼らは、かつてその能力を買われて、ある王国の王に仕えていたのですが、内紛に敗れて不老不死の呪いをかけられてしまいます。不老不死っていいことみたいですけど、呪いをかけられた時点でその人の時が止まってしまうわけで、子供は子供のまま、老人は老人のまま、中年は中年のまま、何の成長もないまま（老化もないけど）つまり変化がないまま、永劫のときを生きていかなければならないわけです。人目を忍んで。これ、けっこうシンドイと思います。

この魔族たちと関わりを持ってしまった少年が主人公。長じて青年になるのですが。青年になってから再び魔族の人々と関わりを持ち、やがて自分の運命を知ってしまうのですが、またしても魔族に救われてしまう、のかなぁ。
ハッピーエンドだと思います。主人公の生い立ちの描写は過酷だけど、そんなに怖くはなかったです。

[ブクログ · ★★★☆☆]

ホラーもファンタジーも
興味ないんだけど
なんかこういう話なら
「あってもおかしくないかも」と思えて良き

コロナのことかなぁ？と思わされる感じとか
割とリアルだったし

最後の展開は、まず満里奈がセーフだった時に
予想できたなぁ

最後の最後、ガオにだけ話すのも
え？過去に行けばええやん…
と思いながら読んでたから想定内

でも綺麗な終わり方で
最後まで読んで良かったと思えた

航と満里奈の名前の意味に
救われる気持ちになった

コロナもだいぶおさまったけど
誰かが鳥を操ってくれよんかなぁ？

[ブクログ · ★★★☆☆]

ホラーの気分で読み進めたらどんどんファンタジーに！
ファンタジーはあまり好きではないんだけど、そんなに抵抗なく読めたかな。

[ブクログ · ★★★☆☆]

良かった！
展開はゆっくりで，いまいち展開が読めず，ずっとどうなるん？？？って思いながらよみました。
実際，読むのやめようかと思いました(^^;;最後の数十ページで急展開！評価が逆転しましたね。
まさかーのから，最後はほろ苦いというか感動的というか、、、
良かったですねー
ぜひ最後まで読んで欲しいですね。

[ブクログ · ★★★☆☆]

前に読んだのは「羊はやすらかに草をはみ」だったので、まさかファンタジー小説とは思わなかった。
でも、過酷な状況における航と蒼人のかけがえのない友情は
「羊はやすらかに〜」の少女たちを思わせる。
永遠の時を彷徨う魔人たち、そうだよね〜「ポーの一族」や「妖怪人間ベム」みたい・・・
1700年も生きてきて、唯一巡りあったふれあいだったなんて・・・何という孤独だろう。
現実のコロナ社会を思わせる下りとガオの存在がちょっとチグハグで〜
ストーリー的には変化にとんで面白くなったのかな

[ブクログ · ★★★☆☆]

06月-11。3.0点。
離婚し、長男とお腹の中に娘のいるシングルマザー、困窮極まり新興宗教へ。長男はいじめに遭いながら、ふしぎな蒼い眼の少年と友達になり。。。

ホラーのような装丁、題名だけど、ファンタジー系。まあまあ面白い。ラストは救いがあって良かった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

あらすじを見ずに読んだので、終盤までこれは何系の話？？？と混乱した。
最後の章でぐいぐいと引っ張られ、ラスト駆け抜けた感じ。
ハッピーエンドではある。

[ブクログ · ★★★☆☆]

子供は怖い夢を見る
宇佐美まことさん。

ファンタジー？ホラー？ミステリー？
不思議な世界へ。迷い込む。

おもしろかった！！

[ブクログ · ★★★☆☆]

最後にどんでん返しが待ってた。
途中まではすいすい読みやすかったが、
主人公の仕事はあんまり興味がわかなかった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

ファンタジー、ホラー、サスペンスが混ざり合い新興宗教とイジメの中で芽生えた友情が連れてくる悲劇に怯えながら読んだ。1700年前の出来事が明かされた時、それからの長い時を思って言葉もない。
航はもう怖い夢を見ずにすむのだろうか？

[ブクログ · ★★★☆☆]

貧困と育児放棄をテーマにした作品だと思い読み進めたが、どんどん違う話になる。“超自然”を扱ったダークファンタジーだった。
学校でひどい虐めを受けていた8歳の航が心を通わせた転校生は、ある特殊な“力”を持っていた。同居している父母と祖父もそれぞれ異なる“力”を持ち、物語はこの“力”を巡る謎に変わる。折しも新型ウィルスに世界は翻弄され、大人になった航は否応なく巻き込まれていく。
偶然が多すぎるかと思いきやそれは計算ずくで、救いがない悲惨な話と思わせるが最後に大きな安堵が待っている。著者ならではの世界を堪能した。