感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読んでいて森絵都さん作の「カラフル」という作品を思い出した。
自らの魂が過去に戻りやり直すチャンスを得る。しかしそれは今まで自分が生きてきた人生の時間軸に影響はない。
「やり直し事業とか言ってたのに変えられないのか!」と主人公と一緒に苛立った部分もあったけど、確かに「未来を変えられるかも」とは言ってたけど「過去を変えられる」とは言ってなかったのよね。これはミスリードやったわ。
人生生きていく中でやり直したいって思うことは色々とあるだろう。
自分は部活での行動とか細々した事と学生時代恋愛とか位で、主人公の用に人生に影響する程度の事ではないのだけど、大小の差はあれどやり直しを願うのは誰もがあるはず。
でも人生は一度きりでやり直しなんて出来なくて、でも失敗はしてもいい。そのあと「どう生きるのか」というのが重要。学生から自分の同年代の30代前半位の人に読んでほしい一冊。
しかし主人公の「自殺目撃エピソード」はエグくて、PTSD的な事になってもおかしくないのでは?と感じた。落ちてくる同級生と目が合うなんてヤバすぎる。
そして加奈子の自殺の真相も後半明らかになるけれど、それを知ったカナコのコメントが笑えた。
カナコは生きてた頃の記憶というのは失われているからカナコと加奈子は同じ顔だけど別人格として確立されている。これはこの【やり直し】をする上で必須な設定だったのではと思う。