【感想・ネタバレ】金とドルは光芒を放ち 決戦の場へのレビュー

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Posted by ブクログ

この本の著者の副島氏には私が社会人になった平成元年頃からお世話になっています、中途半端な言い方ではなく、期日を明確に書いてくれるところが恐れ入ります、本を書くまでに入念な調査をしているからだと思います。

この本はアメリカ大統領選挙が終わったばかりの時点で刊行された最新本で、私にとっては54冊目の本となります。レビューをこのサイトに載せている冊数なので、もっと読んでいるはずですがとにかくお世話になっております。

これまでの著作の内容は多岐にわたっていますが、今回のテーマは彼が長年(20年以上)は購入をすすめてきたゴールドが凄い価格(グラム1万円)になる、つまり通貨の価値がそれほどまで下落することを意味しています。日本円、そして金価格のベースになっているドルの価値が両方落ちれば、そのような価格になることもあるかもしれません。

この本ではそうなる時期を2024年としています、現時点から3年半程度、丁度私が従来の定年を迎えている時です。その時に備えて、この本に書いてあることを自分なりに理解して行動に移していきたいと思いました。

以下は気になったポイントです。

・この半年間で一番大事だと思うのは、令話2年4月27日に、日銀黒田総裁が「(市場から、いや本当は日本政府の財務省から直接)国債を無制限に購入する、必要ならいくらでも買う」と言い切ったときである。これは財投債、大企業社債、CPでも無利子、無担保、無制限で買ってやると言ったのである(p4)

・WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)は、金や地球上に18万トンあると言い続けているが、本当は60万トンある。スイスとロンドン市場に溜まっている。日本の天皇家の金も、バチカン(ローマ教会)と、スイス銀行とロンドンBOE(イングランド銀行)に預けられている(p24)

・金の値段は4年後(2024)には、今の5倍になるだろう。1オンスは今の2000ドルから1万ドル、国内価格はグラム6000円が3万円となる。1万円の壁を超えるのは2021年前半だろう(p41)

・1円(1両)=1ドルで始まった円は次第に弱くなっていき、昭和になると1ドル=6円、8円となった。金解禁の再停止をして金の流出を防いだが、円は下落した。このとき欧米は政府による計画的通貨ダンピング(円切り下げ)と怒った。敗戦時には1ドル=12円=最下級兵士の月給、になっていた。これをGHQは、1947年(終戦から2年後)に、1ドル=360円とした(p49)

・東日本大震災の後、10月に1ドル=75円という超円高となっている、日本国債を買うと安心、安全であり、割増金利が付くそうだということで、各国政府、中央銀行が、イランや北朝鮮まで買いに来たためである。1994年に超円高となった(1ドル=84円)はクリントン政権が日本叩きをしたため(p51)

・米国で今回行った事業会社への融資は、2008年の金融危機時にも踏み込まなかった極めて異例の措置である、これでFRBの買取資産(本当は負債)が、4兆ドルから6兆ドルに膨らんだ、米財務省の隠れ財政赤字も今年1年で真水で、1兆ドル増えた。これはやってはいけないこと(p60)

・日銀が無制限に国債を買って無制限にお札を供給する、これは恐ろしいことだが、アメリカもEUも同じことを始めた。この副作用(天罰)が起きるのは4年後の2024年である。(p63)

・日本のコロナ経済危機対策の事業規模は、リーマンショック後(2009年4月)は、総額56兆円であるが、今回は1次補正(2020年4月)及び二次補正(5月)は合計234兆円、真水で40兆円である(p67)

・今はまだニューヨークの先物市場が作る金の値段が国際金価格であるが、あと数年でニューヨークが力を失って、金の値段は、上海黄金交易所(SGC)とロンドンのLBMAが日本でも表示されるようになるだろう(p80)

・2024−25年までにアメリカ初の世界恐慌が起きる、この時に手持ちの金の半分を売るべき、金の取引停止が政府から発表されるので。その時には米ドルが暴落、そして日本ではリデノミネイション(通貨単位の変更)が起きる、1万円が1000円になる、これは2024年に決まっている、新札切り替えと同時に行う(p82)

・今度やってくる世界恐慌では、国の抱えている借金がものすごいので、デフレにならずに旧来の恐慌とは逆に激しいインフレとなって国民生活に襲いかかる。このことに注意すべきである(84)

・英豪資本(金鉱山のニューモントゴールドコープ、バリックゴールド)は、英ロスチャイルド財閥系であり、アメリカのロックフェラー財閥とはいがみあいがある、カナダもオーストラリアもアメリカに進んで金を売って助けることをしなくなるだろう、この辺が世界史の転換点で、アメリカの没落が見えてくる(p107)

・日本の米の値段は中国市場で決まりつつある、大連北方のハルビンを中心とする中国東北部3省の巨大な大平原地帯が現在は大米作地帯になっている。ここで収穫される米の質がかなり向上した、今では日本のコシヒカリクラスまで作っている。クボタの浄水器と東レの半透膜技術を導入しているから(p109)

・日本の農産物は大阪取引所に市場が移っているがほとんど取引がない、その理由は、大手スーパーや冷凍庫業者が、生産農家や地方の港から直接、トラック5台、10台分とかを買い付けるから、魚も同じである。豊洲の卸市場でセリにかかっている魚はほんのわずか。表面上は活況なふりをしているだけで、実際の値段は市場外の取引で決まっている。豊洲市場は、高級すし屋、小さな魚屋、料亭が新鮮な高級品の魚を買うためにある(p110)

・銀は江戸時代は、金の4分の1くらいの値段であったが、今では100分の1以下に落ちている。銀は世界的に余っているが、それでも銀が蘇る時代がくる、2011年4月の125円を超えて、やがてグラム200円になるだろう(p122)

・金貨を買うのであれば、メイプルリーフ(カナダ)、ウィーンハーモニー(オーストリア)、イーグル(アメリカ)、カンガルー(オーストラリア)が良い。1オンス(31.1グラム)24万円、売るときは21万円(p127)

・ほとんどの人は専門家まで含めて日本政府の言うことを信じてボケッとしているだろう、そして預金封鎖と新円切り替えに引っかかって自分の金融資産を失うだろう、昭和21年(1946)2月に起きたことがまた起きる(p132)

・武田製薬はイギリスのシャイアー社という同業を6兆円で買ったのに、なぜか逆転してしまった。武田の真面目な研究開発部門は解体されてしまった(p142)

・金を売る時は、買ったところに売りに行くのが基本だが、高額の場合は税務署に目をつけられるので、お金に余裕のある友達に市場価格よりも1割程度安い値段で売ること(p143)

・国民が保有する金融資産別の階層分け、超富裕層:5億以上、8.4万世帯、富裕層:1-5億円、118万世帯、準富裕層:322万世帯、5000万円以上、アッパーマス層:720万世帯、3000以上、マス層:4203万世帯である(p151)

・先進国以外の新興国や発展途上国では、お札をどんどん発行したり国債を増発すると、誰もお札を使いたがらないので、米ドルとの関係ではお札の価値は下落、そして物価がすぐに3倍とかになる。なので貧乏国の政府と中央銀行はお札と国債を発行できない(p180)

・GAFA+Mの株式時価総額は合計で7兆ドルであり、ニューヨーク3市場の3分の1を占めている。このテック大手の株価が大きく崩れる(半分程度)時が、アメリカによる世界支配の終わりだと考えている(p208)

・ソフトバンクグループの銀行からの借入金31兆円のうち、17兆円はみずほ銀行から、三井住友と三菱からは3兆円ずつ(p214)資産の部が37兆円あるが、無形固定資産(のれん代、知的財産)が6兆円もある(p215)

・スーパーシティ構想の法案(改正国家戦略特区法)は令和2年5月27日、コロナ禍のドサクサで国会を通して成立した。スーパーシティとは、国が選んだ自治体(特区)を人工知能とビックデータのIT技術を使って未来型の都市にするもの。ここでは自動運転、テレワーク、キャッシュレス決済、遠隔医療、ドローン荷物配送が行われる。恐るべき監視社会の誕生である(p253)

・日本の輸出大企業(トヨタ、日立、パナソニック、ソニーなど)の経営トップが、もうこれ以上アメリカのビジネスでアメリカ政府の脅迫で利益を奪い取られたら、うちはやっていけない、と悲鳴をあげている。日本は徐々にアメリカから少しずつ離れざるを得ない。これは韓国、台湾、香港、フィリピン、タイ、インドネシアの動きを見ているとわかること(p256)

・ドイツは欧州全部の面倒を見ることに決めた、ドイツはイタリアとスペインを助ける、それぞれ21兆円と17兆円を援助、これらの3分の2は返さなくてもいい資金である。これは欧州全体の大きな政策転換である。欧州は静かにアメリカの支配から離れて、ドイツが領導しようとしている。欧州は今や、ドイツ第4帝国の版図になりつつある(p264)

・2019年10月に中国の武漢で発生した新型ウィルスは、アメリカ軍の中のヒラリー派が蒔いたもの、米中の生物化学兵器戦争であり、この戦争に中国は勝利した。コロナウィルスを迎撃した、疾病の防御や沈静化ではなく迎撃した、そういう論文が中国で出た。中国は戦争をアメリカとせずに、衰退するのを待っている(p271)

2020年11月14日作成

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2020年11月14日

Posted by ブクログ

<目次>
はじめに
第1章目先の目標は金1g、1万円
第2章金の取引停止が迫っている
第3章国に狙われる個人資産
第4章次の株価暴落を予言する
第5章国民を一元管理する菅政権
巻末特集 鉱山資源株25

2020/11/10初版発行

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2020年12月31日

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