あらすじ
近代市民精神の発見であると共に、寅彦随筆の転換ともなった「丸善と三越」をはじめ、「読書論」「人生論」「科学者とあたま」「科学に志す人へ」「わが中学時代の勉強法」「『徒然草』の鑑賞」等29篇収録。
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本を読むこと、それがどれだけ自分を豊かにしてくれるか。読み方なんてどうでもいい、読みたくないものは読まなくていい。なんだか背中を押された気もする。
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岩波文庫の随筆集を持っているので、角川ソフィア文庫から寅彦が刊行されたときにどうしようか迷ったのだが、購入して良かったと今は思う。
戦後間もない時期に角川書店から寅彦の本が何冊も出版されていたことも、今回の文庫化で初めて知った。
元版の角川源義氏、文庫版に新たに付された若松英輔氏の懇篤な解説があるので、印象に残ったことを数点。
「案内者」〜案内者によって見ること、考えることが拘束されてしまう危険。
「一つの思考実験」、「ジャーナリズム雑感」〜かなり手厳しい見解が表明されている。
「レーリー卿」〜寡聞にしてこの人を知らなかったが、寅彦の親愛感が現れている。
「丸善と三越」〜寅彦らしい随想。
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好きなフレーズをいくつか。
「人々の頭脳の現在はその人々の過去の履歴の函数(関数)である。それである人があるときにAという本に興味を感じて次にBに引きつけられるということが一見いかに不合理で偶然的に見えても、それにはやはりそうなるはずの理由が内在しているであろう。」
ーわが中学時代の勉強法
「A is B, A is not B. この二つの命題は両立しうる。なんとなればそれぞれの終わりに if C is D, if C is E.という文句が抜けているのが普通である。我々はこの事を忘れて果てのない議論に時間を空費している。」
ー 人の言葉ー自分の言葉
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1950年出版の「読書と人生」を再刊行したエッセイ集。
物理学者だけあってレーリー卿(なぜ空は青いのかを説明したレーリー散乱で有名)の伝記を書いていたりする。