あらすじ
12歳のわたしが、昭和18年、ユウガオの花咲く季節へ――。
70年の時を超える不思議な夢で出会ったのは、出征する父と、その帰りを待つ家族の歴史。
花禁止令や京都空襲など、いまだ知られざる史実に光をあてた物語を 人気児童文学作家がみずみずしい感性で、現代の読者たちにおくります。
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Posted by ブクログ
児童書で戦争もので、わりと明るそうなお話だなと思って読んだ本。お花を育ててはいけないという決まりがあったことを初めて知りました。
作中の「花は誰に見られるわけでもないのに咲く。隣で別の花が咲いているのに、それを羨ましがることもなく、自分の花を咲かせてえらいね」という台詞が心に残りました。
お花は食べれるわけでもないし生きていく上で絶対に必要なものではないけど、それを省いていくような人間にはなりたくないなって思いました。読書も同じだなあと。読まなくても生きてはいけるけど、あれば人生が豊かになる。無駄な時間かもしれないけど、こういう無駄な時間を楽しめるような人でありたいです。
Posted by ブクログ
主人公が自分と同じ年齢の頃の祖母の生活を夢で見る物語。ちょうどその頃は、太平洋戦争真っ只中だった。必要最低限の食物以外(食べられない花など)は育てるなという「花禁止令」があることを初めて知った。京都での生活の様子や人々のやり取りを分かりやすくかつ切なく書いてあって、平和な時代に生まれて良かったとつくづく思う。また、平和について考えさせられる物語だった。