【感想・ネタバレ】公務員版 悪魔の辞典のレビュー

あらすじ

1911年にアメリカで出版された辞書パロディの元祖『悪魔の辞典』(アンブローズ・ビアス著)をご存知でしょうか?
知らない方でも、2017年、「池上彰の総選挙ライブ」(テレビ東京)で、池上彰さんが鋭い風刺を交えて選挙に関する用語を紹介し、大きな反響を呼んだ「政界 悪魔の辞典」を覚えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。

本書は、この「悪魔の辞典」の"公務員版"として、皮肉・(ブラックを含む)ユーモア・愛情・一刀両断など、様々なスパイスを加えて、公務員にまつわる用語を書き下ろした書籍です。
民間企業、一般社会とはまた異なる専門用語があふれる公務員の世界。
たとえば「生保」と言ったら、一般に思い浮かべるのは「生命保険」ですが、公務員だと「生活保護」。

本書では、こうした略語はもちろん、地方自治制度、地方公務員制度などの法令用語から、カタカナ言葉、隠語、慣用句の類まで、 教科書には載っていないリアルな語釈で再定義しました。

例えば……

地方分権【ちほう-ぶんけん】「それが正しい」と思う自治体職員と、「それは無理だ」と考える国の役人との間に流れる深く長い河のこと。

今日中【きょう-じゅう】(1)「俺が役所にいる間」、(2)予算査定や議会(本会議)期間中などの繁忙期には、文字通り深夜零時を指す。

首長【くびちょう】たとえ人気がなくなっても任期の4年間はトップでいられる人。これを「シュチョウ」と呼ぶ公務員はモグリ。

起案【きあん】責任を多くの人、特に上司に転嫁させるための意思決定文書。

予算査定【よさん-さてい】財政課職員が鼻を膨らましながら、赤ペン片手に「こんなの無理~♪」と一人自席でほくそ笑む行為。

昇任選考【しょうにん-せんこう】当局による「踏み絵」。最近では本人申込制でなく、年限などの資格を満たすと、勝手に選考され合格者にさせられるという、「地雷」に変化した自治体もある。


■"共感・笑い・学び"三位一体の解説が満載! 本書の3つの特徴

(1)日々忙しい仕事の中で、公務員ならではの笑い・癒やしが得られる!
――自治の現場で奮闘する方々に贈る、「あるある! 」と納得、でも「クスッ」「ニヤリ」と笑みがこぼれる、そんな一冊!
(2)悪魔的視点のスパイスを加えた再定義で、専門用語を端的に理解できる!
――真面目な学術書、参考書よりもかえって理解が進むかも? 教科書には載っていないリアルな知識が身につく!
(3)本書の理解度で、「どれだけ自分が公務員に染まっているか」がわかる!
――本書の内容をすべて理解できたら、自治の達人! 一方で、骨の髄まで公務員の世界に染まっている証! ?

そんな"共感・笑い・学び"三位一体の新しい地方自治の入門書です!

■公務員志望の学生・新人職員からベテラン職員まで、知っておきたい用語を満載!

区市町村(基礎自治体)、都道府県(広域自治体)を問わず公務員(自治体職員)が用いるもの、いずれの部署においても知っておけばいつかどこかで役立つ(であろう)ものを広く収集し、その重要なものを網羅!

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Posted by ブクログ

めちゃめちゃ面白いけど、位置付けが難しい本かな笑
公務員になりたい人が読むとやる気が削がれ、若手が読むと負の面ばかりに目がいき、管理職が読むと「わかるわかる」ってなりそう。
久々に声出して笑いながら読めたので個人的には満足。でも、やっぱり公務員ってコミュ力と説明力がない人には苦しい職場だよなぁ、と思わせてくれる。
ただ、実用的な面もあって用語の解説や予算(主に財政課との戦い)などの項目は業務で活用してます。
この内容を語り合える仲間が欲しいけど、同じ自治体では厳しいかな笑

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2020年05月25日

Posted by ブクログ

アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』の地方公務員版。
皮肉・ブラックユーモア・一刀両断など、地方公務員にまつわる用語が満載です。
民間企業、一般社会とは異なる専門用語があふれる世界。
カタカナ言葉や隠語まで、テキストには載っていない用語が定義してあります。

会議〔かいぎ〕
①意思決定の責任を分散させるために、多くの部署の職員が参加させられる会合。②偉い人が自分の権力を見せつける場。③出席しているだけで、何となく仕事をしているように勘違いさせてくれる時間。④デキる職員はこの時間を活用して他の資料の読み込みなどを行う。⑤前夜の深酒をリカバリーする場として活用されることも。

ワークショップ [work shop ]
いろいろな立場の人が集まり、作業や体験を通じて、自由に意見を出し合い、提案などをまとめたり学んだりする場。必ずしも結論を出すことは求められず、付箋を大量消費しながら、「刺激になりました!」「気づきがありました!」とお互いの意識の高さを称え合うイベント。

地域振興〔ちいきーしんこう]
何をもって「地域振興」というのか、誰も理解していないのに、この用語を使うと、何となく会話が成立してしまうマジックワード。もしくは桃源郷。

UJIターン「ゆーじぇーあいたーん]
とにかく、大都市から住民を引きはがし、わが町に定住させようとする強引な手法のこと。これを誘導する職員は、「ユー、ウチの町にターンしちゃいなよ!」と言うとか、言わないとか。

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2019年12月12日

Posted by ブクログ

パラパラ読み。あるあるネタが多い。今まで経験上感じていたことが、こうやって本になっていると地方公務員共通してこういう風に思っているんだと感じることができた。軽い読み物。

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2022年09月25日

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