【感想・ネタバレ】魔術師に学ぶFXトレード ──プロ化する外国為替市場への普遍的テクニックのレビュー

あらすじ

今、外国為替市場は大きな変化のなかにある。かってより外国為替市場は米国債券市場と並んで「金融工学の実験場」であった。しかし、今では間違いなく外国為替市場が最大にして最高の市場である。日々、新手の仕組み債やデリバティブ(金融派生商品)が開発され、世界中で広く利用されていく。つまり、こうした金融商品が為替変動の「抑圧」や「爆発」に、より大きく影響する時代になったわけだ。

また、為替市場の参加者構成も多様化している。新興国企業や政府系ファンドが存在感を増し、さらには「自動売買ロボット」を駆使してミリ秒単位の裁定取引をする金融機関、市場参加者のエッジ(優位性)を分析してそれを逆手に取ろうとするヘッジファンドや機関投資家まで登場しているのである。

こうした「新時代の外国為替市場」を舞台にFX(外国為替証拠金取引)トレードをする個人トレーダーは、どのように対処すればよいのだろうか。

まずは「敵を知る」ことであろう。本書では、どのような市場参加者がいるか紹介されている。彼らの欲していることを把握できれば、心の準備ができるし、どのような対処をすればよいか考えるきっかけとなるはずだ。

そして「己を知る」ことであろう。本書では、ベテランFXトレーダーである著者が、トレンドフォローや短期ブレイクアウトなどの売買戦術で大きな成功を遂げている「魔術師」たちの運用手法をどのように解釈し、研究したか紹介している。このように自分自身に合った戦術をいくつか開発していき、戦術の効果を高める方法(つまり資金管理方法)を決定したうえで「相手に自分の戦術を知られないような戦略を組む」わけだ。

個人トレーダーには、状況の変化に臨機応変に行動できるという、職業トレーダーにはないエッジがある。そのエッジを最大限に生かせるよう、本書から「新時代のFXトレード戦略」を組むときの考え方を学んでほしい。

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Posted by ブクログ

[ 内容 ]
本書では、ベテランFXトレーダーである著者が、トレンドフォローや短期ブレイクアウトなどの売買戦術で大きな成功を遂げている「魔術師」たちの運用手法をどのように解釈し、研究したか紹介している。

[ 目次 ]
第1章 FXトレードとはどのようなゲームなのか(歴史の教訓;外国為替市場の内部構造;新しい市場参加者)
第2章 FXのトレンドフォロー戦術(基本戦術;応用戦術の検証;トレンドフォローの資金管理)
第3章 FXの短期ブレイクアウト戦術(失敗から学ぶもの;オープニングレンジ・ブレイクアウト;方向性指標の利用)
第4章 FXの逆バリ戦術(ADXとオシレーター;パニックトレード)
第5章 資金管理の冒険(短期売買の資金管理;ラリー・ウィリアムズの大胆な資金管理)
第6章 トレードの心得(ブレイクスルー;売買頻度とレバレッジ;相場の役割と自分の建玉;予測とは何か)さいごに―20msの世界で勝ち残るには

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2010年08月10日

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