あらすじ
千住の遊女おりんは、昨夜も茶を引いた。岡っ引きの幸助が捕物でしくじり、来なかったからだ。このままでは、おりんは他所へ売り飛ばされる。焦る遣り手のおひろに、やる気のないおりん。そこに現れたのは……(「女郎花」より)。深くて暗くて絶対に埋まらない男女の溝。おひろは、それを少しでも埋めようとする。飯盛旅籠を舞台に、人生の機微を描いた傑作時代小説。
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Posted by ブクログ
千住の飯盛旅籠『伊勢屋』のおばさん・おひろの話。おばさんとは、遊女屋で働く遊女以外の女奉公人で、『遣り手婆』とも呼ばれる。おひろは元吉原の遊女。年季明けに夫婦になる約束をした男もいたのだが、堅気になることなく、千住で遊女となった後、29歳でおばさんになった。ユーモアもあるが、少し物悲しい。