あらすじ
ピアノ調律師の一藤麻衣子には、忌まわしい記憶があった。父親の死を期に、母子で身を寄せた愛媛の山奥の小さな村。今はダムの底に沈んでいるその村で、少女時代の麻衣子が目撃したもの。それは村長であり、麻衣子の庇護者だった伯父が熱湯で茹で上げられた全裸の惨死体だった。伯父の肩に刻まれた十字の焼印。囁かれる隠れキリシタンの呪い――。村を捨て東京へ逃れ、ひっそり暮らしていた麻衣子だったが、ある人気女性ピアニストとの出会いから、運命の歯車が過去へと動き出す…。やがて明らかになる悪意の真相とは?2017年日本推理作家協会賞受賞後初の長編ミステリー!
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Posted by ブクログ
これはやられた! って感じでした(^ ^;
物語の序盤は、伝奇ホラー風。
ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。
それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^;
さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」
という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^;
も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^;
読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、
ページを遡って読み返すこと数回(^ ^;
一冊で5度も6度も楽しめる(^ ^
エンディングも、一応はハッピーエンドながら、
この先まだ波乱を予見させるモヤモヤは残り(^ ^;
巻末の解説を読むと、気づいてなかった
「さらなる仕掛け」が隠されていたりして...
本当にどこまで掘り下げて構成してるんだ作者は(^ ^;
いや〜、いろんな意味でやられましたわぁ...(^ ^;
Posted by ブクログ
水と音が様々な通奏低音として聴こえてくる。
半村良か横溝正史かと思いきやダニエルキイス、更にはこれでもかの力技。
何が本当か分からなくなり、自分ですらも、何人もの人格がいそう。
貫井さんや乃南さんのような人の心の闇に入り込んでくるが、読後感にはある種の爽やかを感じた。
読み通しのには、重たかった。女としての心理描写にも好感が持てました。
Posted by ブクログ
「愚者の毒」と同じ作者だったので。
だいぶ、作者のやり口に慣れてきたので、
今度こそだまされないぞ、と読み進めた。
幻のように消えた子供がいても、それは幽霊ではない。
呪いと言われても、信じてはいけない。
あっさり書かれている出来事には裏がある。
かなり真実に近づけたが、やっぱりだまされた。
ラスボスには気が付いたけど。