【感想・ネタバレ】<対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもののレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大勢に語りかけても意味がない。名指しで注意すべき。
私語をするのは言語道断。みんなに人の話を聞く権利がある。
聞くふりをすることだけ上手くなることは無意味。抗議すること、聞きたくないと主張すること、自分の言葉に責任を持つことが大切。

「わからない」と発言することを我慢してしまう。など理由を伝えるのは大切。
彼らは自分の言葉を信じていない。
自分の言葉に威力があるなんて思っていない。
いつも和の精神を重んじられている。
だから黙っているし、それが当たり前。
規則さえ守っていれば安全が保障されている。

自分から働きかけることを忘れている。
定型の意味のない言葉が溢れすぎていて、聞き流すことに慣れている。
お上からの標語やスローガンがなければ行動できない人間は自分で考えて生きていけない。
わかった気になり、単純な質問をしないことで対話が終わってしまう。

弓道の無心、無心になれと言われて納得するのが日本人。
独白の集合ではなく、固有の体験を引きずりながら地道な手探りによって真理を目指す。
対話の敵は思いやり、配慮、優しさ、察する文化。
真実より思いやりを優先することで弱者の声が押しつぶされ続ける。例、人をかばって罪をかぶる。

傷つけ合わないことが大切にされ、利己的な優しさだけが蔓延る。
注意した人は真実が何にせよ、傷つけたことが責められる。
なりゆきに任せておけば責任を持たなくて良いと思っている。
思いやりとは弱くて卑怯で自分は加害者ではないと信じる暴力である。

ホットでなくウォームなやさしさが最新。
人を傷つける可能性のある言葉を使わず、距離を保ち、あたたかさで包む。
不平不満を出させないのが最良とされている。
様子を見ることでずるく善良で居続ける。
自分の信念を貫くと損をする。
我慢を誉める。自尊心の軽視。

誰も傷つけない言葉で語ることは、何も語らないのと同じ。
対話は他者との対立を大切にすること。
他者とはもっと重いもの。
澱んだ優しさの空気に馴染んで、それがなければ不快になってしまう。個人主義の排除。
論理を振りかざして対話を根絶やしにする。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

興味深い本だった。

自分の言葉を語ること。相手と真剣にバトルこと。自分の言葉や言動に責任を持つこと。
なんだか細野先生を見ているみたいだった。

・彼らは言葉を信じていない。自分の語ることが周りの人たちに尊重されてこなかったから。

・「暴力的に無意味な」言葉、はやめよう。

・「対話」とは自分固有の体験や価値観にもとづいて何事かを語ること。

・プラトンがソクラテスに「きみは自分が裸にならないで、服を着て感染しているのはズルイ。」

・ソクラテスの弟子たちは、数時間後に死にゆく師を眼の前にして、次々に「先生、まだその証明では納得いきません。先生の魂は消滅してしまうかもしれません!」

・対話の基本原理。「相手の語る言葉の背後ではなく、語る言葉そのものを問題にすること。

・「なぜ?」という疑問や「そうではない」という反論がふっとでてくる社会。

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2012年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
「何か質問は?」―教師が語りかけても沈黙を続ける学生たち。
街中に溢れる「アアしましょう、コウしてはいけません」という放送・看板etc.
なぜ、この国の人々は、個人同士が正面から向き合う「対話」を避けるのか?
そしてかくも無意味で暴力的な言葉の氾濫に耐えているのか?
著者は、日本的思いやり・優しさこそが、「対話」を妨げていると指摘。
誰からも言葉を奪うことのない、風通しよい社会の実現を願って、現代日本の精神風土の「根」に迫った一冊である。

[ 目次 ]
第1章 沈黙する学生の群れ
第2章 アアセヨ・コウセヨという言葉の氾濫
第3章 「対話」とは何か
第4章 「対話」の敵―優しさ・思いやり
第5章 「対話」を圧殺する風土
第6章 「対話」のある社会

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2011年04月19日

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