【感想・ネタバレ】さらば長き眠りのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年07月15日

正統なレイモンド・チャンドラーの後継者と言えると思う。
レイモンド・チャンドラー+ロス・マクドナルドだな。
何とも言えないけど、読み応えが有り、素晴らしい作品だ。
煙草が無性に吸いたくなる。今の時代は煙草の扱いが厳しいような。

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Posted by ブクログ 2023年07月14日

探偵沢崎シリーズで、「私が殺した少女」の次に書かれたものです。
沢崎氏は渡辺探偵事務所の探偵なんですが、所属しているのは彼一人。
なんで「渡辺」?なんですが、主宰者でありパートナーでもあった渡辺は
元刑事なんですが、おとり捜査の最中に取引のブツと金の双方を持ち逃げして
警察とヤクザの双方から追われて...続きを読むいる、という身の上。

前作でも、その渡辺氏は絶妙に現れては消えて、深い印象を残していたんですが
今作でついに、彼に関しては決着ついてしまいます。
けっこうなエピソードだと思うのに、全くの傍流扱いで。

そして本流の方も、圧巻というか息をもつかせぬ展開で。
なかなかのアクションシーンが随所にあって、コレ、映画化されないかなって。
沢崎シリーズの第一期完結となる渾身の大作だそうで。

いや、全く。タイトル含めて非の打ちどころのない傑作だと思います。
全く語られないのに、いやだからこそ、香るように、ゆらめくように
沢崎の思いや感情が、行間から沁みだしてくるような気がします。

オススメです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月20日

久しぶりの沢崎。皮肉っぽいきざなセリフは沢崎だから似合う。こんなセリフ現実には言えない。
魚崎という青年の姉の11年前の自殺の真相を追う。
少しづつ真相に近づきそうで、それを覆すように事件が起きる。最期は、意外な事実が判明する。
ラストの真相は驚かされた。
そして渡辺を巡る因縁も終わりを迎える。

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Posted by ブクログ 2019年05月25日

1年以上ぶりに東京に帰ってきた沢崎を待っていたのは、浮浪者の男。
男からの紹介で、元高校野球選手からの調査を受けることになります。
依頼者の姉が自殺した真相を突き止めてほしいという依頼ですが、やがて背後にある驚愕の事実に突き当たります。
ハードボイルドの文章が素晴らしく、言い回しがとてもカッコいい。...続きを読む
数々の伏線が、最後には驚きの結末に収束していきます。
面白かった!!

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Posted by ブクログ 2019年02月19日

渡辺探偵事務所に勤務する沢崎が主人公のシリーズ、長編3冊目。
今回も、沢崎探偵の事実を積み上げていく捜査を共に歩み、時に痛い目にあいながらも、持てる駒の中から次の一歩を踏み出す。
本書は今までの文庫本の中でも特に分厚いページ数があり、読み始める勇気を奮い起して読み始めたが、気が付くとあと数ページとな...続きを読むるほど時を忘れて読みふけてしまう作品になっている。
作者である原さんは、綿密な下調べを行うためか、作品の発表までに時間がかかる。本作は前作から5年後に発表されたものだとあとがきにある。新作として待ちわびるリアルタイムで過ごした人たちは、辛抱強く待ち続けるしかない。
『愚か者死すべし』が次に発表された作品。『さらば長き眠り』(本書)からどれくらいの歳月が流れて発表されたのだろう。今の私はふらりと書店に行けば購入することができる。なんと幸せなことだろう。

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Posted by ブクログ 2015年01月23日

前作「天使たちの探偵」(短編集)から5年ぶりに上梓された本作!
いや~~よかった!! 
もうウルウルして「沢崎、おかえり~」なんて思いながら読んでしまいましたよん。
本書の冒頭からもおわかりでしょうが、沢崎自身、400日ぶりに東京へ戻り、探偵業に復活します。
あいかわらずのチャンドラー口調、健在でし...続きを読むた。
時々、推理小説ファンでトリックとかを重視する人だったら怒るかもしれない部分がありますが、それは~あなた!沢崎だから許されるんですよん。
その部分っていうのは突然、沢崎が何も前触れなしにピタリと本当のことを当ててしまうところなんですけど。
本書もなんともいえない暗い余韻がありました。
これまた素敵なところでもあるんですけどね。
沢崎も言っておりますが、「何故」と思い、答えをみつけたら、もっと「何故」がでてくるものなんでしょうね~、人生って。
よく、ハードボイルドはちょっと・・・っていう御仁をお見かけしますが、原氏作品はハードボイルド入門者にもぴったりだと思います。
もちろんできれば最初の「そして夜は甦る」から読んでください。
絶対、お気に入りの1冊になるはず!
おまけの文庫化にあたりの書下ろしが後書きの後ろにでているのですが、これがまたいいんですよん。
もう原氏って素敵すぎ!!(笑)
沢崎ファンとして、本書の最後の部分にはまたまた感動してしまいました。
「そして夜は甦る」から続いている謎な部分の解答がでております。
だから「沢崎シリーズ第一期完結」と言われるのでしょう。

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Posted by ブクログ 2010年05月23日

事件の結末は後味悪いんですが沢崎と渡辺の結末が切なく哀愁があり満足しました。タバコの煙りと都会の渇き。やはり素晴らしいハードボイルド

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

第一部完とのこと。どうやって、と思ったら、分かりやすい『第一部完』だった。個人的にはこのシリーズの中では今までの中で一番面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月28日

渡辺の最後が、すごくあっさりしていて良かった。百合の正体にはえーっ!!てなりつつも、全体的にはぬるぬると解決していって、「仮説が核心に変わっていく」スタイルが斬新、かつ完成されていた。いい後味だ〜

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Posted by ブクログ 2023年05月20日

ハードボイルド、私立探偵沢崎シリーズ第三作。
11年前に義姉が自殺した真相を突き止めて欲しいとの依頼を受ける。
原尞氏の著作には、妙なリアリティが存在している。それは、そこかしこに、原尞氏自身が潜んでおり、ある種の私小説的な迫力があるせいかもしれない。

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Posted by ブクログ 2023年04月12日

沢崎が相変わらずハードボイルドにキメる。
高校野球の八百長の謎について辿っていくと、沢崎は能を見ることになるのだ。なんのこっちゃ。
アウトローな探偵を気どりながらも、なんだかんだ人の情に繊細さを見せるシーンが多く、いかにも日本風チャンドラーといったところ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月15日

一年以上東京を離れていた沢崎が最初にしたことは、まず連絡の取れない依頼人を探すことだった。
浮浪者に事務所を見張るよう頼んでいた依頼者は、10年以上前、高校野球の選手として注目を浴びたあと八百長疑惑をかけられた。
疑惑が晴れる直前に自殺した姉の、死の真相を探ってくれと頼む依頼者・魚住は、その後何者か...続きを読むに襲われ重傷を負う。

唐突に出てくる能の世界。
『花よりも花の如く』を読んでいてよかったな。
なんとなく能の世界のイメージができる。

この事件には二組の父と娘が出てくるが、どちらの父親もある意味毒親。
娘を憎んでいるのならまだしも、かわいいと思っていると言いながら、最終的には保身に走るのだ。
タイトルの「長き眠り」の意味が分かった時、本当に長い間無為に眠りにつかされた娘たちを思って、怒りが込み上げた。

さて、シリーズ最初から沢崎の周辺に出没する「渡辺」について、ひとまず片が付いた。
作者はこれでシリーズを終了するつもりだったのだろうか。
それとも、「渡辺」については些細なことなのか。

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Posted by ブクログ 2021年06月03日

姉の自殺の真相を調べる。
依頼されるまでと真相に関して若干こねくり回し過ぎやなーって感がした。今読むと全体的に古いなー。
だから、事情の分からん海外ものが好きなんかな。
でも、やっぱり沢崎シリーズ面白い。

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Posted by ブクログ 2020年05月21日

和製ハードボイルド。

フィリップ・マーロウとエルキュール・ポアロを掛け合わせて平方根したような主人公。

執筆に4年掛かったのも頷ける、けれど
ちょっとこねくり回し過ぎて、、と感じた。

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Posted by ブクログ 2020年04月24日

沢崎シリーズ第4弾。11年前に甲子園で起きた八百長疑惑からはじまる長編作。長すぎて、登場人物がこんがらがってしまった。
前作から登場人物達が相応に歳をとり、いろんな場面で前作登場人物がひょっこり出てくるなど、シリーズファンとして楽しめる。ハードボイルドな沢崎が相変わらず渋い。

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Posted by ブクログ 2019年06月04日

沢崎探偵シリーズ第四作。

一年以上探偵事務所を留守にしていたところから話は始まる。
その帰りを待っていたのは、まずは依頼人。
その依頼人に帰りを見張るように頼まれたホームレス。
元相棒を探す警察と<清和会>。
それらが絡み合って、話は進んで行く。

依頼人の姉が11年前に自殺した原因を調べるのだが...続きを読む
コールドケースの謎解きは、なぜ面白いのだろう。
過去へさかのぼる過程が、だろうか。

謎解き自体が一体どこへ行ってしまうのかと思うぐらい、
長い道のりだったが、面白かった。
今までの作品の登場人物が再登場したのも、
個人的に土地勘のある場所が登場していたのも楽しかった。
いつのまにか平成になっていたが、伝言サービスが健在で良かったし。

長い間、留守にしていた謎も明らかにされた。
いろいろな人が帰りを待つ中、
待っていなかったのは、いまだに未詳の女だった。

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Posted by ブクログ 2019年03月21日

読みごたえがあった、そして、読む手が止まらない。第一章完という事で納得の展開。読んでいて色々考えながら読むが先の展開が予想している展開とは違い予想できない所が読んでいて引き込まれるんだなと感じる、次巻にも期待したい。

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Posted by ブクログ 2018年05月16日

探偵沢崎シリーズ第三弾。今回はシリーズでも随一の人間関係の複雑さ。このシリーズは相関図を付けて欲しいところ苦笑。今回は400日ぶりに探偵業に復帰するところから話は始まる。なぜ400日振りなのかというのも後々明かされることになるが、本流の事件とは別にこちらも衝撃的な事実が明らかとなる。その事実により本...続きを読むシリーズは転換点を迎えると言ってもいいだろう。肝心のストーリだが、今回は依頼人にたどり着くまでの話も長く、また依頼を受けてからの展開も少々冗長な印象。もう少しスピーディーな展開でも良かったのでは。しかし会話とストーリの妙を楽しむのがこのシリーズの持ち味でもあるから(あくまで個人的意見ですが)それを求めるのは野暮というものだろう。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

脱線が上手い。

とある過去の自殺が、「実は他殺なのか?」という疑惑が起こる。
かつての証言者を尋ねる主人公。それぞれが抱える闇。気まずさ。ちょっとした嘘。
じりじりと浮かび上がる、誰も知らなかった真実...。

だが。

結局は、自殺だった。
さらに。

重要な秘密を抱えていそうな依頼人が夜道で襲...続きを読むわれる。重体。
「犯人の顔は見れなかった」。
果たして、誰が?なぜ?

依頼人の家族や周囲、過去をめぐるどろどろした人間模様が暴かれて行く...
そして...犯人は...誰だ...

だが。

結局は、「小銭欲しさの、通り魔の犯行だった」。



要約して書くと、「おいおい!」と苦情を入れたくなる物語なんです。

だけれども、おもしろい。

つまり、結果ぢゃなくて、過程が全て。
論理的な整合性が全体世界をぎっちりと構成することなんて、小説を作る上で興味が無い。
いや、むしろ、それを突き崩すことのカタルシスの方が、おもしろい。

おもしろければ、それでええやん。と、いうえげつなさ。
ただ、オモシロイということに、作者なりの物差しや基準があって、そこは厳然とブレない。
辻褄とかはどうでもいいのです。

迷走も含めた、主人公の眼を通した「世界観」であり、それはつまり、「文章」なんですね。

僕は好きです。



「さらば長き眠り」原りょうさん。1995年発表。ハヤカワ文庫。
原りょうさんの唯一の小説群である、「探偵・沢崎シリーズ」長編の第3作。
2017年現在、このシリーズは第4作「愚か者死すべし」(2004発表)で止まってしまっています。

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西新宿に小さなオフィスを構える「渡辺探偵事務所」。
そこのオーナーであり唯一の従業員である、中年探偵・沢崎。

かつて、「渡辺」という元刑事のパートナーがいた。渡辺に誘われて、探偵になった。
だが、その渡辺は家族を事故で失って以来、アル中に。
そして、暴力団の覚せい剤と現金を両方奪って蒸発してしまった。
残された相棒・沢崎は共犯とみなされて、警察と暴力団とに尋問され、痛めつけられた...
それからもう、数年...。個人で探偵を続ける沢崎だが、折々に「渡辺が戻っているのでは」「渡辺の居場所を知っているのでは」と疑う警察や暴力団が現れる...。

と、いうところから、このシリーズは始まっています。

#

「新宿鮫」シリーズで言うと、

「過去に警察内で自殺不祥事があった。公安警察の恥部が絡んでいた。その秘密を自殺した友人から託された主人公・鮫島は、公安警察や上層部から常にマークされ、常に監視され、襲われる危険がある。本来はエリートなのに出世も有り得ない。その代り、警察は鮫島を解雇できない」

というベースのドラマがあります。
同じような、ベースとなるドラマ構造が「沢崎シリーズ」にもありますね。



かなり、相当に深いところまで。
レイモンド・チャンドラーの文体や語り口、世界観を研究した、愛し抜いた末に、なるたけ選び抜いた文章とコトバで綴られる、沢崎シリーズ。
好みの問題ですが、僕は大好きです。

チャンドラーに精神的に師事している訳ですから、当然ながらその魅力は物語の段取りにある訳ではないのです。

ですが、以下、後年の自分のためだけの、一応の備忘録。

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今回は、「1年以上ぶりくらいに、東京に戻ってきた主人公。長い不在の理由は語られない」から始まります。

留守中に、仕事を依頼しようと事務所に来た人がいる。
その人物と会ったのは、ホームレスの中年男。そのホームレスが、沢崎に伝言してきた。

まずはその「謎の依頼人」を探すことになります。
依頼人が誰かをさぐるうちに、周辺で「事故死した男」の情報が入る。犯罪の匂い。だが、今回は、とにかく依頼人と会えないので、仕事が始まらない。



ようやく探し当てた依頼人。
元・甲子園球児の青年。
10年以上前、「甲子園で八百長を行った」という疑惑をかけられた。
数日間の報道の渦、悪意の中で、姉が投身自殺した。
その後、潔白が証明された。
だが、青年は姉の自殺を「他殺ではないか」と疑っている。
「誰にも言ったことがないことが。実は、自分に八百長を電話で依頼したのは、姉だった。事情は分からない」
その真相の調査を依頼する。

だが、同時に彼は夜道で何者かに襲われて重傷を負う。



調査が始まる。
なんと自殺した依頼者の姉は、妊娠していた。
家族関係や、「自殺」を証言したかつての3人の証言者を調査する。
どうも、どの証言も微妙な裏がありそうだ。本当に自殺なのか。
そして、依頼人を襲ったのは何者か...。



10年以上前、自殺した姉の近辺に、「細身のオートバイ乗り」がちらほらしていたことが分かる。

そして、怪我直前の依頼人が、「能」の公演のチケットを持っていた。

そんな調査から、衝撃の事実が。

10数年前。
OLでひとり暮らしだった姉には、半同棲の同居人がいた。

能の名家の娘だった。ぐれて、同性愛者(というか、いわゆるバイ。両刀使い)になって、フーテン暮らし。
そして、姉と半同棲していた。

並行して、高校球児だった依頼人の父親は、密かに借金に苦しんでいた。
それに、暴力団と、暴力団に関係した親戚と、野球部の監督も絡んだ。
暴力団の野球賭博のために、依頼人に八百長をさせなくては、破滅。と、いう瀬戸際に追い込まれ。
父親も黙認共同して姉を監禁して脅し、弟に電話して依頼させた。

別線の話として、「能の名家の両刀娘」は、いろいろあって、どうでもいい相手の子を孕み、人生に絶望して、姉のマンションから身を投げる。自殺。

ただ、その遺体が顔の峻別がつかず。
その上うしろぐらい部分があるので、父親も「娘だ」と認めてしまう。人違い。
そして、姉は、父親の知らぬところで暴力団絡みの親戚に殺されてしまった。



...と、言う驚愕の真相を暴く沢崎さんだった。



そしてまた別線で、

かつて姿を消した、探偵の先輩・渡辺が、病んで死にそうだという情報があった。沢崎さんは跡を追って東京を離れていた。

片田舎で見つけ出して、かつてのパートナーの最期を看取っていたのだった。

という、「長き不在」の理由が明かされます。

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Posted by ブクログ 2013年08月17日

4+ 

後に沢崎ものは一作出ているが、本作はこれまで続いていた因縁にケリがつくと言う意味では集大成。過去作のキャラクター達がちょいちょい登場したりするのもオールスター的雰囲気で良い。故にこれまでの作品を事前に読んでいた方がより楽しめるだろう(と言っても数が少ないのだが)。 個人的には本作の沢崎が一...続きを読む番かっこよく感じた。マーロウ的ではない沢崎らしさのようなものが見え、一皮むけた感がある。まあ読み終えてみれば、そう感じたのももっともであるとわかるのだが。いずれシリーズまとめて読み返したい(何しろ数が少ないのだから)。

ところで冒頭の登場人物表に誤字がある。よりによってシリーズにとって重要なこの人物の姓を間違えるなんてと呆れてしまうやら萎えるやら。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月13日

沢崎の3弾目。一応、シリーズの完結版らしい。
相変わらず洒脱な語口の沢崎だが、肉体的にも大変な目にあいつつも
真相にたどり着く様が素敵だ。
しかし、沢崎だけが分かっているような、「え?!どういうこと??」なシーンも相変わらずあって、どの辺が伏線だったのかわからないとこもあった。
恐らく、自分の読みの...続きを読む甘さだと思うが、不可解なまましばらく進まざるを得なかったので、多少の消化不良を以て★4つ。


渡辺と沢崎の、パートナーシップの深さは何に例えられるだろう。

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Posted by ブクログ 2009年10月24日

前作「天使たちの探偵」(短編集)から5年ぶりに上梓された本作! いや~~よかった!! もうウルウルして「沢崎、おかえり~」なんて思いながら読んでしまいましたよん。本書の冒頭からもおわかりでしょうが、沢崎自身、400日ぶりに東京へ戻り、探偵業に復活します。
あいかわらずのチャンドラー口調、健在でした。...続きを読む時々、推理小説ファンでトリックとかを重視する人だったら怒るかもしれない部分がありますが、それは~あなた!沢崎だから許されるんですよん。その部分っていうのは突然、沢崎が何も前触れなしにピタリと本当のことを当ててしまうところなんですけど。
本書もなんともいえない暗い余韻がありました。これまた素敵なところでもあるんですけどね。沢崎も言っておりますが、「何故」と思い、答えをみつけたら、もっと「何故」がでてくるものなんでしょうね~、人生って。よく、ハードボイルドはちょっと・・・っていう御仁をお見かけしますが、原氏作品はハードボイルド入門者にもぴったりだと思います。もちろんできれば最初の「そして夜は甦る」から読んでください。絶対、お気に入りの1冊になるはず! おまけの文庫化にあたりの書下ろしが後書きの後ろにでているのですが、これがまたいいんですよん。もう原氏って素敵すぎ!!(笑)
沢崎ファンとして、本書の最後の部分にはまたまた感動してしまいました。「そして夜は甦る」から続いている謎な部分の解答がでております。だから「沢崎シリーズ第一期完結」と言われるのでしょう。あ~~新・沢崎シリーズ第一弾「愚か者死すべし」が文庫化にならないかしらん。待ち遠しい~~~。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

分厚いのよ、結構分厚いのよ。(京極程では全くないが)
しかし、それを感じさせない面白さがある。
沢崎シリーズを読むと毎度思うのだが、真相を予想する時は
「思考をドラスティックに変換」する必要があると思う、
だってさ、結構「どっからそんな話になった?」てあるし。
悔しいかな面白さが勝つけど…

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

沢崎シリーズ最終章と思って読みました 本の厚みもそうですが内容もぎっしり詰まった物でした 相変わらず沢崎の渋さに魅了されつつ、もうこれで終わりかなどど思ったのもつかの間、次作へとつづく物語が...
つづき早く読みたい!

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Posted by ブクログ 2020年03月17日

やはり面白い/ タイトルの意味が解ったところで愕然とする/ 話の引っ張り方とネタの出し方がしっかりコントロールされている/ 事件が舞い込む設定も良い/ 高校球児、能の家元、浮気した主婦、チャラついた業界人、クセの強いマンション管理人、博奕や酒で身を持ち崩す男たち、浮浪者/

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Posted by ブクログ 2020年01月05日

私立探偵沢崎シリーズ長編三作目にして、第一期完結巻。約六百頁の分厚さで、読み応え十分。過去作のキャラクター次々参入のオールスター戦に加え、渡辺絡みの三つ巴の因縁もついに決着。そして、肝心の本編はこれまた濃密。ひとつ可能性を潰す度に発覚する新たな謎は高揚感を煽るし、相棒役のホームレス・枡田とのやり取り...続きを読むも絶妙。プロットは長編三作で一番好きかも。大築流の不穏さを活用しきれていなかったり、終盤は急に駆け足だったりと、荒々しさの目立つ部分もあるが、全然許容範囲内。多少の雑味すら掻き消せる探偵の格好良さはやはり狡い。

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Posted by ブクログ 2018年02月04日

前作「私が殺した少女」を読むのに苦労したので、今作も時間がかかることを意識して、週末に読み始めたが、意外にも2日で読み終わってしまった。
前作から6年経って発表されたが、舞台もきちんと6年経っており、400日間東京を離れていた沢崎が東京に戻ってくるところから始まる。
6年経っていても、時代設定は19...続きを読む93年ごろと思われるが、やはり古臭さは感じない。前作は警察とがっつり関わっていたが、今作は警察の登場も少なく、沢崎の探偵の腕が際立つ内容。
高校野球にまつわる八百長事件、能の宗家にまつわる跡継ぎ問題など、依頼にどう結びついて来るのか、読んでいて、全然先が読めない。その謎を簡単に沢崎が解いてしまうのが、王道の探偵小説と言うものなのか。
渡辺の事件も解決し、一部では今作を「沢崎シリーズ一部完結作」と言うが、この先、探偵業も規制が入り、その後どんな探偵になっているか、まだまだ先が楽しみなシリーズ。

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Posted by ブクログ 2011年12月11日

探偵沢崎シリーズ『さらば長き眠り』読んだ。

ある種の女性に質問する際は細心の注意が必要、
なぜなら「彼女のようなタイプの人間はそのときの状況次第で、
彼女自身を演じる"女優"になってしまうからだ」。なるほど。

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Posted by ブクログ 2011年06月15日

6月-13。3.5点。
11年前に、自殺した姉の真相を、弟である元高校球児からの依頼で調査。
弟は八百長の疑いをかけられ、それを苦に自殺したと思われていた。
真相を探るが、色んな人間が襲われたり、殺されたり。
まあまあ。一気に読めた。

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Posted by ブクログ 2011年08月01日

沢崎シリーズ、一応完結。と言うことで、渡辺との関係にも決着。
本作は過去の登場人物が顔見世して、まとめ感が強く出ている。
元々個人的にはあまりこの作者は評価していなかったりする。
それがどういう訳か海外でそれしか読む物がなかったり、人に無理矢理貸されたりしてこのシリーズはすべて読んでいた。
過去の作...続きを読む品は読んでる途中でネタバレしたり、盛り上がりに欠けたりして、読後疲労感が強かった。
が、本作は意外な結末とか言うものはなかったけれど、普通に読めた。読後感も普通。
それだけにも少し何かあってもよかったかなぁと。…それは贅沢だな。

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