【感想・ネタバレ】アウトサイダー・ポリティクス ポピュリズム時代の民主主義のレビュー

水島治郎

トランプ再選，欧州右翼政党の主流化，「れいわ」躍進……．既成政治を批判し，その周縁から躍進するアウトサイダーの政治家たち．日米欧にとどまらず，ラテンアメリカ，東南アジアにも視野を広げ，世界を揺るがすアウトサイダー政治の「見取り図」を，各国政治研究の第一人者たちが描く，現代政治を理解するための必読書．

[ブクログ · ★★★★☆]

政治的アウトサイダーは「体制批判」で支持を集めやすいが、政権を担った瞬間にインサイダー化し、内部対立や期待との乖離で失速しやすい。イタリア五つ星運動の事例は象徴的だった。

SNSというアウトサイダーメディアは、既存の政治コミュニケーションを迂回できる強力な武器だが、フェイクニュース耐性は有権者側に委ねられる。
だからこそ、既存メディアとデジタルメディアのクロスチェックがますます重要になる。

日本のポピュリズムやアウトサイダー政治を考える上でも、各国事例を冷静に見続けたい一冊