あらすじ
老人力とは何か? 物忘れ、繰り言、ため息等、従来は、ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力。20世紀末に発見され、日本中に賞賛と感動と勘違いを巻きおこし、国民を脱力させた恐るべき力。あの笑えて深い名著が正続2冊あわせて電子書籍に。
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Posted by ブクログ
赤瀬川さん、今回も救ってくれてありがとうございます。心の軽くなる一冊でした。
老人力とはいわゆるボケのことだが、彼曰くこのボケで物忘れをすることでなにか新しい情報が入りやすくなったり、変に嫌なことを覚えてなくてよかったり、また身体がちゃんと動かないことでの力が少し抜けるとか、自分のミスで予定したことに空洞ができることでその空間に余裕ができたりと、見方次第で物事を面白おかしくポジティブに捉えている。
またライカや侘び寂びも老人力の部類だとすると急に愛着の湧く存在になるからいい。
老人力を余裕を生み出す良さがあり、ときには切なくも愛おしくも感じる力でもある。
書籍の最後に関係者へのお礼を述べている中で三度の飯は妻と書いてある、あの書き方は最高。文章内では家の人などと書いているのに、さらっと入れる愛を感じるラブレターの書き方ベスト1である。
流石、路上観察記録をずっと続けていらっしゃる方である。東海道五十三次を歩いてみて、面白看板を見つけて講演会までするなんて、いい趣味だなぁ。憧れる生き方だなと思う。