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Posted by ブクログ
日本の、否、世界の運命を別つ数日間が、複数の人の手記などによって立体的に浮かび上がる。誰もにとって地面がひっくり返るような出来事が起きたとき、言葉はふさわしくないけれど、人間というのは面白いなあと思う。作家は民衆の「語りべ」であると著者が言うように、作家の手記は特に興味深いものであった。
玉音放送を聞いて、涙を流すどころか死を選ぶ人もいたと云う。国家のために、と命を投げ出すことも、敗戦後の日本で生きる気力を失ってしまうことも、正直理解しがたい。今は何を信じればいいのかわからない時代だから、戦時中の日本全体のひたむきさが少し眩しかったりもする(向かう方向が戦争でさえなければ…)。
蛇足だけど、加計呂麻島で島尾ミホが「隊長がゆかれます」といった光景が、頭の中で満島ひかりで再生された。ステキだった。