【感想・ネタバレ】同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日のレビュー

あらすじ

太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 日本の、否、世界の運命を別つ数日間が、複数の人の手記などによって立体的に浮かび上がる。誰もにとって地面がひっくり返るような出来事が起きたとき、言葉はふさわしくないけれど、人間というのは面白いなあと思う。作家は民衆の「語りべ」であると著者が言うように、作家の手記は特に興味深いものであった。
 玉音放送を聞いて、涙を流すどころか死を選ぶ人もいたと云う。国家のために、と命を投げ出すことも、敗戦後の日本で生きる気力を失ってしまうことも、正直理解しがたい。今は何を信じればいいのかわからない時代だから、戦時中の日本全体のひたむきさが少し眩しかったりもする(向かう方向が戦争でさえなければ…)。

 蛇足だけど、加計呂麻島で島尾ミホが「隊長がゆかれます」といった光景が、頭の中で満島ひかりで再生された。ステキだった。

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2017年09月28日

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