あらすじ
吃音のあるマギーは,人とうまく話ができないことに苦しみ,傷ついていた.ふしぎな力に満ちあふれた太古の森で,マギーは捨てられたユキヒョウの子と運命的に出会い,心を通わせていく.けれど,森には破壊の危機が刻々とせまっていた.ユキヒョウと木々をなんとかして守りたい――マギーは声をあげる.挿絵はダイアナ・スディカ.
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Posted by ブクログ
昨今森から出てきた熊で日本中は騒然としている。しかし本編では、なんとデパートでユキヒョウが売っている。嘘か真か定かではないが、家族へのプレゼントにユキヒョウを買っていった男性の気まぐれが、とんでもない事件の発端となる。というか、そもそも自分が世話をしたこともない動物を、安易にプレゼントに選びすぎでは。そうは言っても、選ばないと物語自体が始まらない。とはいえ、野生の動物は、言葉が通じないので、簡単に飼い馴らせない。飴と鞭で飼い馴らす他ないが、デパートで売られている猛獣系の動物に、そんな理想的な教育者がいるとは思えない。当然野生が抜けないユキヒョウは家の中で騒ぎを起こし、皆が予測した結果に繋がる。それでも、犬や猫捨てるみたいに捨てにいくなよ飼い主。
吃音のあるマギーは、人とうまく話ができないことに苦しみ、傷ついていた。うまく話そうとすればするほど、焦りが言葉を留めてしまう。本人は必死だから、顔が真っ赤になる。子供は残酷なので、そうした表情も含めて嘲りの対象とし、大人たちもまたそうした子供たちを止めない。子供の世界では、人と違うことが残酷な差別に直結する。だからマギーは国語の授業で自分が読む番になると、わざと体を傷つけて教室を離れる。度重なるこうした行動が、よけいに学校でのマギーの居場所をなくし、家族もまた、社会への第一歩である学校でつまずく娘を案じる。愛情があるが故の父親の苛立ちなのだが、マギーはそこまで察することができず、言い合う両親に傷つくばかりだ。
父親と確執のある獣医の祖父フレッドのもとで、動物とだけ心を通わせることができるマギーは、他人の嘲笑や両親の確執とも離れて、ひと息つくことができた。自分よりも弱った存在の、そして言葉によるコミュニケーションを必要としない点で、ユキヒョウは、マギーにとって二重に安心できる存在だ。そんなユキヒョウの世話を通じて、マギーは吃音をものともせず、自分の考えを第三者に伝える勇気を持つ。少女の成長物語であり、自然保護のメッセージも含んでいる。
Posted by ブクログ
吃音のあるマギーは、学校になじめず、訓練施設への入所におびえる日々。
人間以外の、ネズミや鳩、カタツムリやダンゴムシとは、普通に話せるのに・・・
母のはからいで、コンウォールの祖父の元へ預けられ、
太古からのオークの森で、ユキヒョウと出会う。
マギーとユキヒョウとそれぞれの思いが交互に繰り返され、息をもつけない面白さ。
言葉を介さず、心通じていく二人。
一方で、大切なことは言葉にしないと伝えられないこともあると、
マギーは勇気を振り絞る。
1963年のコンウォールの田舎町を舞台に、戦争の傷跡や
自然破壊、銅採掘による中毒など、さまざまな問題を織り込みながら
破綻していないところがすごい。
(マギーの吃音もだが、安直な解決策を示さない)
エピローグが良い。
古き良き時代の英国の暮らしは、やっぱり、憧れる。
Posted by ブクログ
1963年のロンドン、吃音に悩まされるマギーは誰にも理解されず、転校を繰り返している。クラスメイトにも教師にも父親にも理解されず、コーンウォール地方に住む医師の祖父のもとへ送られる。そこで、罠にかかったユキヒョウと出会う。ユキヒョウは、ペットとして飼われていたのだが、その家から逃げ出して森へ逃げ込んでいたのだ。自力で罠を外し、森にこっそりエサを運ぶマギーだったが…。
その頃は、デパートでユキヒョウのような野生動物を売っていたとか、吃音に対する理解が薄かったとか、いろいろ驚いた。
寛大な祖父の対応と、ユキヒョウを助けたいマギーの気持ちが、吃音克服のきっかけとなっていく。