【感想・ネタバレ】ミステリアス学園のレビュー

あらすじ

ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張(まつもとせいちょう)の『砂の器』しか読んだことがない、新入部員・湾田乱人(わんだらんど)が巻き込まれる怪事件の数々。なぜか人が死んでいく。「密室」「アリバイ」「嵐の山荘」……。仲間からのミステリ講義で知識を得て、湾田が辿り着く前代未聞の結末とは!? この一冊で本格ミステリがよくわかる――鯨流超絶ミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 バカミスの大家、鯨統一郎による連作短篇集。第1章では本格ミステリの定義が語られ、それ以降も「トリック」「嵐の山荘」「密室講義」「アリバイ講義」「ダイイング・メッセージ講義」「意外な犯人」など、短篇ごとにミステリの要素をテーマにした物語が展開されていく。各章は独立した短篇ながら、登場人物にはつながりがあり、前の章で殺された人物がフィクションとして扱われるなど、独特なストーリー展開が特徴だ。ミステリアス学園のミステリ研究会のメンバーが、一人ずつ減っていくという「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせるプロットが進む中、途中でその仕掛けすら意表をついて変化する。
 個々の短篇の完成度は高いとは言えないが、全体のプロットには感心させられる。特に、登場人物が徐々に減っていく構造が秀逸で、この作品の大きな魅力となっている。ただ、キャラクターの魅力はやや薄く、またバカミスとして狙った要素が散見される割に、短篇の結末や物語全体のオチがやや弱いと感じた部分が惜しい。
 文章自体は稚拙ではなく、読者を引き込む力はあるため、テンポよく読み進められる。また、作中でさまざまなミステリが紹介されている点も楽しめた。しかし、最後のオチが期待外れで、もう少しパラドックスを活かした斬新な解決を期待していた。プロットの良さだけが際立つ作品だと感じる。
 総じて、個々の短篇の出来や結末に改善の余地はあるものの、全体の構成とアイデアは魅力的。評価は★3とする。

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2015年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いい♪こういうの、好きだなぁ。マトリョーシカ形式、ミステリ入門。本格ミステリってなんですか?(後でもう少しちゃんと感想登録予定)

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2012年02月21日

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