あらすじ
死んだ妻に会うために霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛と、彼女にほのかな思いを寄せる、売れない作家・道尾。3人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人……。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった。人生の光と影を集めた、心騒ぐ5編。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『骸の爪』の後に読みました。
真備シリーズの3冊目。短編5話。
『オディ&デコ』では、風邪をひいた真備さんの”方言”に笑ってしまった。
『花と氷』では、”氷”と向き合いながら生きていく真備さんと北見さんに元気をもらった。
素敵な表現だと思った。
Posted by ブクログ
5編からなる真備シリーズ初の短編集。
トリックやロジックというよりも、心の動きや叙情性を噛みしめるような作品が多く、3人の内面も窺える。
道尾秀介はやはり伏線回収が巧く、そしてミステリとしての謎‐解決が文学性と一体化しているところが大きな魅力。
『花と流れ星』
夜の海岸のどこか怪しげで、どこか儚げな雰囲気が、少年の不思議な語りとマッチしている。”流れ星のつくり方”というのは、少年は明るさは感じることができ、光がにじんで見えるから可能なのだろうか。自然と目が見えると思い込まされてしまうが、実は目が見えない伏線だったというのは見事。
『箱の中の隼』
コーヒー、咳、看護婦、太陽...相変わらず伏線回収巧いなぁ
『花と氷』
チラシの謳い文句に胸が痛む。
「花と氷」という例えが美しい。
”花は綺麗だけど、氷だって大切な思い出の証だ。捨てずにゆっくり溶かしてやれば、だんだんと水に変わってくれる。
その水で、花も咲く。”