【感想・ネタバレ】堕落論のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

角川の夏の100冊に選ばれている。
堕落することの可否とは別に、堕落していく必然性のようなものを記載しようとしている。
正しいことのみを追求しようとすると、ある面では堕落していくことになるかもしれない。
堕落することによって、初めて本当に大事なものが何かが見えてくるのかもしれない。

0
2011年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本文化私観、堕落論、続堕落論のみを再読

日本人としての強みは旧来の道徳観や美徳、情緒。その回帰こそが、堕ちてく社会、民主主義、資本主義の中で重要なことになりそうな予感はしていた。

一方で、旧来の道徳観などが崩れ去り、新たな価値観が日本に導入されようとしていた全く逆のタイミングでかかれた堕落論。ではその内容も全く正反対のものなのか。決してそうでなかった。

日本文化私観では、古くからある伝統的なものに対して、厳しい態度を取りながらも、真に必要なものであれば生き残るべしという姿勢を見ることができる。

また堕落論、続堕落論では、旧来の道徳、思想、価値などすべてを剥ぎ取り、徹底的に落ちることで、再び自分自身をとなり、自分自身を救うことができると述べている。

人は無限に堕ち切れるほど堅牢な精神に恵まれていない。何者かカラクリによってたよって落下を食い止めずにはいられなくなるであろう。それのカラクリをつくり、そのカラクリをくずし、そして人間は進む。堕落は制度の母胎であり、その切ない人間の実相を我々はまず最も厳しく見つめることが必要なだけだ

という言葉で終わる。

旧来の価値観をくずし、新しい価値観を実装し、またその価値観を崩し、ただしいものを求め続ける。これが人間であり、歴史の中で繰り返されてきたことなのかもしれない。だから私たちも堕ち続け、つくり続け、崩し続ける。

0
2019年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 最も読んでよかったのは、『不良少年とキリスト』だ。フツカヨイ的……。なんてすげぇ言葉だろう。太宰治についてこう書かれたことは、もっと多くの人が知るべきだと思った。『人間失格』を読んで、偉人を同一視して同化し、浸る人は多いんだろう。その多くの人が、どこかで誰かや何かに出会い、人間の闇を知った上でそれだけじゃないと学ぶ。間違いなく名著であり、読まれるべき本であったけれど、太宰治が自身を追い詰めた決定打にもなったんだろう。読めば、より同一視が進む人の方が多いのかな? 俺はそうだった。今回は免疫から、少しの間で消えるものだったけれど。読後、多くの人が克服して人生に支障が出なくなるものに、作者自身が終わらせられてしまったのであれば、なんと皮肉なことだろう。太宰のこの闇があまりにも深く、それが生み出した状況からだったのだろうけれど。
 俺の「堕落」についての言葉のイメージは、「怠惰」に近いものだった。もしかしたら、この著以降、「何もしない堕落こそ最も忌むべき堕落」という意識の微妙な変容が起こったのかもしれない?
 「人は永遠に堕落し続けることはできない」最近、自分自身がとんでもないことをしてしまった。人の記憶に深く介入して道を正してもらおうと(この時点でとてつもない傲慢が出ているが)、自身の悪い部分を全て出した罵倒をした。人間として最低な言葉の数々を口にして、人生で最も恥じ、ようやく俺の堕落は終わったと感じた。該当するいくつかの悪い部分から出た言動はもう二度としないし、できなくなった。ここが俺の、堕落の底だったんだろう。深すぎる羞恥が俺の堕落の止まり方だったんだろう。曖昧なものを言葉にしてもらう喜びは、深い。心からありがたい。そして『不良少年とキリスト』を同時に読ませてくれた編者にも感謝したい。一緒でなければ、俺には分からなかった。
 宮本武蔵の人格とそれによる生き方や、武士道は日本人から遠いものであるからこそ美しい(また美しく遠い)という考えには感嘆し、そして何より「人は美しいものを壊さずにいられず(処女は刺殺され)、そのため美しく美しいまま終わってほしい(死んでほしい)と思ってしまう」と言われたのには、揺るがされてしまった。でも違うことも思う。
一生涯美しさを貫けなくても構わない。それでも正しく堕落し、人生の大部分と終わる瞬間から少し前までの間美しくあれれば、それは十分に素晴らしく、それが人にできる最大限。そして、そう生きて死ぬために、人は生きていくべきだ。これも、坂口安吾より俺の智がひどく浅いだけでなく、日本人的な楽観思考によるのかしらん? それに加えて俺が上を向いているからなら、嬉しい。

なんかレビューってより日記になったな。

0
2013年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はるか昔に友人に勧められた本。ようやく読めた……!
「田舎暮らしって憧れのように語られるけど、ふたをあけたら全然そんなことないからね!」みたいな文章に凄く共感……。

0
2015年09月05日

「小説」ランキング