【感想・ネタバレ】蛍石アクアリウムのレビュー

あらすじ

本当の自分に会える水族館

蛍石水族館の運営スタッフ・芽衣は、閉館後の水槽の前で生き物たちに話しかけながら過ごすのが日課。ある日、芽衣の問いかけに答える声が――それは数日前にやってきたジンベエザメだった。
イルカトレーナーになる夢に挫折した芽衣と、紳士なジンベエザメが力を合わせて謎を解決していく、心あたたまる友情物語。

第一章 ひとりぼっちのわたしたち
第二章 優しさであふれる場所
第三章 ペンギンだけが知っている
第四章 クラゲは夢の隙間を漂う
第五章 イルカジャンプの向こう側

■著者
音はつき(おと・はつき)
2020年にスターツ出版キャラクター小説大賞特別賞受賞。『未だ青い僕たちは』でデビュー。
著書は『夏の夜明けを待つ僕ら』『大嫌いな世界にさよならを』『人間やめたマヌルさんが、あなたの人生占います~適当ですがあしからず~』など多数。

■イラスト
前田ミック(マエダミック)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

キラキラした涼やかなイラストに惹かれて購入。
とっても可愛らしいお話でした✨
ジンベエザメが喋ったりイワシがハートの形を練習したり…現実的な目で見るとついいやいやねーよ!ってなっちゃいがちだけど、そのファンシーな世界観が可愛いしジンベエザメのミスターがすごく素敵なキャラクター^^
主人公の芽衣は幼少期からずっとイルカトレーナーになりたくて、でもそれを叶えられずにモヤモヤしていて……
けどそれも徐々に夢の形が変わりつつあり、そんな自分にも戸惑って……

私はやりたいこととか将来のことなんて何も考えずに学生生活終えてしまい、どちらかといえば美晴ちゃんタイプなので(美晴ちゃんは私と違ってやりたいことちゃんと見つけましたが笑)、子供の頃から絶対何が何でもなりたい!って強い夢を持ってる芽衣の気持ちに共感はできないけど、
ずーっと夢に向かってひたすら努力してきてそれが叶わなくて、悔しかったはずなのに段々とその気持ちも薄れてきちゃったら、今までの自分を否定するみたいで不安定になっちゃうのは何となくわかるし、「それでもいいんだ」って受け入れられるまではきっとすごく辛いんだろうな…
そのことで悩んでた芽衣に言ったミスターの
「人生は繋がっています。過去のあなたが頑張ってきたことは、たとえ形を変えたとしても、絶対に無駄にはなりません。蔑ろになんか、してないんですから」
のセリフが印象的^^

久しぶりに水族館行きたいなぁ〜!

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

水族館に行きたくなった。

表紙に惹かれて購入。文章は読みやすい。水族館が好きなので入り込みやすかった。
夢破れた主人公・芽衣の物語。主人公の心理描写が丁寧。明るく無垢な人も社会の荒波に揉まれ疲弊してしまい、その先の夢への未練の描き方がリアル。

取材もしっかりしているようで、水族館の空間が容易に想像できた。引き上げられたジンベエザメ・ミスターとの出会いから始まり、徐々に周りと感じていた壁が打ち解けていき、そして自分の夢や人生と向き合うお話。

ミスター好き!

前半の二つのエピソードはほっこりする。主人公の友人の悩みと、頑固なお爺さんのお話。
後半は前半においていた布石を回収。人生に迷う女子高生と、完璧に見えていたコンプレックスの対象の後輩の悩み。前半のキャラクターも登場しつつ、夢や努力といったものが絡まり合って、それを主人公が問題解決をすることで自分自身と見つめ合えていて、構成がとても良かった。

特に注目すべきキャラクターはイケメンの後輩(先輩)・佐伯くん。彼が物語に深みを持たせてくれている。

雑な恋路は少し気になったけど、含みを持たせた終わり方をしてくれて満足。

自分も夢とどう向き合うかちょうど悩んでいる、人生を探す女子高生と似た状況なので、また考えさせられた。

海や水族館がとても好きなので楽しく読めたが、表現力や物語が特に優れていてとても面白く引き込まれる、というわけではない。主人公の強引さと展開の少々の雑さは気になったが、楽しく読めた。

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2025年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水族館の生き物と会話ができたらいいでしょうね~
ミスターとの出会いで、前向きになっていく姿がキラキラしてて読んでくうちに心が弾んでいきます!

ミスターがとても紳士的なんですが、どこかチャーミングで好きです!
水槽の他の生き物との会話を教えてくれるのもいいですよね~
たしかに、小さい頃に大きな水槽で魚のたくさんの目に見られたら怖くなりますよね。
実は、魚たちは迷子に気づいて心配してくれただけとは……
魚たち、意外と水槽の外に目を向けて見守ってくれてるんですね~

ほっこりする内容で、一気読みできました!
続編があればぜひ読みたいです!
ミスターとのやり取りや、恋の行方も気になります!

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

ジンベエザメと運営スタッフが心を通わせ、水族館に集う人たちの背中をそっと押す、心温まる話だった。なんだか上手くいかないな…という人も、この作品を読めば前向きな気分になれるはず。

夢を追うのは素敵なことだけれど、途中で迷ってもいいし、叶えられなくてもいい。今の自分が好きだと素直に思えるならそれでいい。生き物への愛と、優しいまなざしに泣きそうになった。

ペンギンの夫婦はすみだ水族館のすいかとさくらがモデルなのかなぁ、と思ったけど、八景島シーパラがモデルとのことなので違うかも!

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2024年11月30日

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