あらすじ
演劇で世界は変えられるか? 未来は変えられるか? そもそも世界が演劇なのか? 未来は夢なのか? そしてぼく/わたしは何者なのか―。『cocoon』『∧∧∧かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと―』『BOAT』『equal』…「マームとジプシー」を率いる演劇界の若きトップランナーが自身の演劇論と半生を率直に、かつプレイフルに綴る未曾有の自伝的フィクション!!
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Posted by ブクログ
藤田貴大さんの『T/S』を最後まで読み通した。
この作品を手に取ったのはだいわ文庫の雨のアンソロジーに藤田さんの作品があり、ほんとうは収録されていたのもエッセイだったからエッセイの本を読みたいと思っていたんだけど、書店でふいに手に取ったこの物語の最初あたりを読んでみて、こっちの方が読みたいとなった。吸い込まれるように読み進めていき、流されるように読み終わった。私の中では無駄な箇所がなかったように思う。カシワイさんの挿絵もとてもよかったから、もっと収録してほしかった、でもやっぱりそれはちくまの連載の贅沢かな。装丁も名久井直子さんだし、うつくしい。藤田さんや率いるマームとジプシーの演劇には触れたことがまったくなかったけれど、演劇の序章のような、また文章や挿絵の響きは味わうことができるように思う。この本を読む前に、くどうれいんさんの『氷柱の声』を読んでいたのがちらと被さる部分があり交わった。