【感想・ネタバレ】文庫旅館で待つ本はのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「旅館の若女将・円が、宿泊客と同じ"匂い"のする本をオススメする」という設定からして、本好きの興味をそそられる。

旅館を訪れるのは、プロポーズを控えた友人カップルと一緒にやってきた男性、すっかり関係が冷えきってしまった夫婦、目に見えないものが見える息子とその母、塾講師のアルバイトをしている大学生とその教え子(中学生)4人組。
それぞれ各章ごとにエピソードが描かれる。
章ごとに完結するのだが、最後の5章が、それまでの章を巻き込んで展開されるエピソードで、古書に託された運命と業の深さに圧倒された。

円が本を読めない体質なので、客に「これを読んで、内容を私に教えてください」と言ってオススメ本を渡すのだが、渡された客は本を読みながら、表に出せなかった自分の本当の気持ちと向き合うことになる。
本の感想を聞きながら、その時の気持ちを深掘りして質問していく円はまるでカウンセラーのよう。
そして自分の後ろめたい思いに気づいてしまった彼らの罪悪感や戸惑いを、円の言葉が救ってくれる。

本を読むことは、自分の内面と向き合うきっかけになること。物語の中に真実を探すこと。
それこそが物語を読む醍醐味だと、実感することができた。

最後の章は予想外に重い内容だったけれど、読み終わった後は、全てが救われた気持ちになれた。

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2024年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤でなるほどこうきますか!という展開に。
淡々と進むのかなあと思っていたからびっくり。
個人的に、則子さんをひそかに応援してた(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

0
2024年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本が読めない若女将が客と同じにおいを纏った小説をおすすめしてくれる。
客はその本から何かを感じ取りそして自分自身と向き合い、自分の生き方を見つめ直すきっかけとなる。

1冊目、川端康成『むすめごころ』
男友達に秘めた「想い」を抱く青年。

2冊目、横光利一『春は馬車に乗って』
夫と夫婦生活を続けることに疲れてしまった中年女性。

3冊目、志賀直哉『小僧の神様』
亡くなった妹夫婦の息子を引き取り育てている女性。

4冊目、芥川龍之介『藪の中』
アルバイト先の塾の生徒である4人の男子中学生を引率してきた男子大学生。

5冊目、夏目漱石『こころ』
この旅館の若女将・円とその祖母の話。

最後は思いがけない展開でなかなかヘビーでした。
この中ではこころしか読んだことなかったけど、いろいろ読んでみたくなりました。
こんな旅館あったら行ってみたいな。

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2024年01月23日

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