あらすじ
1951年のケニア。11歳の白人少年マシューが寄宿学校から自宅の農場へ戻ってくると、家のまわりの柵が以前の2倍の高さになっていた。このところ、白人に〈マウマウ〉と呼ばれる、白人移住者から土地を奪還しようとするキクユ族の武装集団が活動を激化させ、白人の経営する農場に侵入して破壊行為をしたり、農場で働くキクユ族に宣誓を強いて〈マウマウ〉に加入させたりしていたせいだ。
兄弟同様に育った黒人ムゴは、台所で下働きをしている。ムゴは、マシューに頼みこまれて嘘をついて、結果自分が叱られるという目に合うことも。そんなふたりが住む地域にも、マウマウが訪れ、ひそかに黒人たちを支配下におさめ始める…。
同じころ、寄宿学校に転入してきた父親が警察官のランスは、キクユ族は全員がマウマウで信用ならないとマシューに吹き込む。
マシューとムゴの視点で交互に物語は描かれていく。
アフリカの歴史の一場面を知るためにも、また、人はどこまで人を信じられるのか、個人的な信頼関係が社会の大きなうねりの中でいかに損なわれるか、といった普遍的な問題を考えるきっかけとしても価値のある作品。
著者は、南アフリカで育ったカーネギー賞受賞作家。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
イギリス植民地時代のケニアが舞台。
現地のキクユ人の使用人を何人も雇っている
家に住む白人の息子マシューと、
その家の使用人のムゴ
それぞれの視点から語られる小説。
現地の人が収容所に入れられたり
拷問されたり、
特に罪がないのに拘束されたり死刑に
されたりしたケニアの歴史を初めて知った。
物語ではマシューとムゴは
一緒に遊んだりする仲で、マシューの親も
使用人に対して対等に接していた。
しかし世の中の、現地人に対する疑心暗鬼や
差別意識がじわじわと迫り、、、。
2人の視点が並行に進むことで、
考えていることや周りの状況、思考が
比較でき、差別意識はこうやってできていく
のかと怖くなった。
疑心暗鬼だらけなのも差別や内戦、
戦争に繋がると感じた。
あとがきにあった、
『ゆるす心をもとう.....過去の憎しみは忘れて.....復讐ではなく協調することで、ともに国を築こう』
という言葉を残したケニア初の大統領は
植民地時代、7年も監獄されていたらしい。