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Posted by ブクログ 2024年04月07日
梅田蔦屋書店のイベントで知って、実際に購入→即読破した作品。
最初手に取ったパラパラとページをめくったときは、(ちょっと難しい本かもしれない)という印象でしたが、イベントで作者である北田さんの話を聞いているととても興味が湧いてきました。
この作品は本のタイトルにもなっている「本屋の未来」について...続きを読む真面目に考えていく本となっています。
この「本屋の未来」って何かというと、コアな読者をもっと育てていくのではなく、今本を読んでいないような新規顧客を増やすこと。
これってなかなか難しいんじゃないか、そう思ってしまいがちだけど、「コアなファンやリピーターを増やすよりも、新規顧客やライトユーザー増やすことの方が、その業界を盛り上げていくこと」っていうのは、本屋とは関係ない仕事をしている私にも目から鱗。(だって、リピーターを増やす方がいいと思うでしょ?)
この本では、第1章で「本屋とは誰か?」という定義を決め、第 2章で「本屋への入り口を創る」、第3章で「本屋への入り口を広げる」
そしてそれぞれの最初は、そのテーマに沿って、北田氏の見解、そこから専門家や実際に行動している人などの紹介、その人との対談、対談を終えて北田氏のまとめ。
最初はこれが難しいような感じがして読みにくいように思ったのですが、読み進めていくとなんだかこの構成が気持ちいい!
もう早く読みたくなっちゃって。
この構成が素晴らしい! と思いました。
この本に書かれていることで1番に気付かされたこと。
それは、広義の意味でどうやら私も本屋さんになることができるということです。
実際に本を売る本屋さんは「狭義の本屋」であり、未来の読者を増やす役割を担うのが「広義の本屋」であると。
あまりに素晴らしい作品だと人に勧めたくなっちゃうし、できればそういう人でありたいと思っている私は、実際に本を売らなくても本屋になれるんだ! ということはなんだかとても嬉しい表現でした。
いろんな方のインタビューも載っていましたが、「自分は“広義の本屋”かも」を思ったところで興味を引いたのは、TikTokerのけんごさんのインタビュー。
いかに小説を興味を持ってもらえるようにするか
そういった工夫を紐解く内容はとても面白かった。
あと、プロレス好きなので、高木三四郎さんの話も面白かった!
でも他の人たちのインタビューも面白く、「こういった関わり方なら自分でもできるかも」と思わせてくれる。
何度でも読み返したくなる本になりました。
Posted by ブクログ 2024年04月06日
本が好きな人はその良さを分かっているが知らない人は知らない。その人たちにどうやってアプローチするか?本書では多様な試みを取り上げ仕掛け人の言葉を収録しています。中でも面白かったのはTikTokの紹介。分解するとなるほど良く出来た紹介手法です。これは見習いたい。
Posted by ブクログ 2024年03月29日
『唯一無二のブックマーケティング本』
「本屋とは何か」というシンプルで深い問いの答えを探すための本。出版不況が叫ばれる昨今において読書人口を増やす、つまりは未来の読者を創るにはどうすれば良いかを考え抜いている。
本書は主にインタビューと考察で構成される。出版業界の中の人(書店員や出版関係者など)...続きを読むや、本とは関係のない外の人(国語教師やプロレス業界)の話をヒントに本屋の未来のありかた・可能性を模索し、最終的に著者なりの答えを出しているところに読み応えを感じる。
一番興味深く感じたのは、本を売るためにはペルソナの設定が大事だということ。当たり前だが本屋は本を買うための場所である。しかし本が欲しい人だけにペルソナを絞ってしまうと市場は広がらず、未来の読者は創れない。
だから、最近の本屋には雑貨や文具、玩具、攻めた店舗では衣服や食料品など様々なものが置いてある。本×○○で本屋に足を運ぶきっかけを作っているのだ。本以外のものを読書へのCEP(カテゴリーエントリーポイント)にしているところが面白い。小説紹介クリエイターのけんごさんの「本を読まない人に本を紹介するときには著者紹介は不要」という言葉も印象的だ。ペルソナによって伝える情報は異なるのである。
本書を読むと、人が本を購入するときの行動メカニズムがわかる。その点で、読者ターゲットは本を売りたい人に絞られる。しかし、本書で定義されている「本屋」は非常に範囲が広い。世の中にマーケティングの本はたくさんあるが書籍に特化した作品は少ないので、書店員はもちろん、読書ブロガーやブックユーチュバー、広義の本屋に該当する多くの人に読んでほしい作品である。
Posted by ブクログ 2024年03月24日
既存の出版ビジネスの延長線上における試行錯誤といった類よりかは、異業種に絡みを持たせつつの新奇な取り組みがどのように繰り広げられつつあるかといった領域に及んでいて、この手の書籍にしては新鮮味のある内容だったと思う。