【感想・ネタバレ】NHK 100分 de 名著 中江兆民 『三酔人経綸問答』 2023年12月のレビュー

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Posted by ブクログ

中江兆民の名前は知っていたが、初めて内容に触れ、素晴らしい考え方の人だと知りました。現代日本がまさに学ぶべきと思いました!最近の100分de名著では秀逸でした

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2023年12月28日

Posted by ブクログ

不覚にも夕方知ったのであるが、今日12月13日は中江兆民の命日である。しかも、現在NHKで「100分で名著」が、兆民の『三酔人経綸問答』をやっているという。

急いで本屋に飛び込み、本書を購い、レビューをあげることにした。19時半に初めて本書を手に取り20時50分にアップするのは、私の最速レビューである。

しかしながら、「三酔人」は過去何度も読んだ思い出の書である(詳細は略)。著者の平田オリザの「論」は飛ばし読みでも十分に理解できたと自信が持ててる。

改めて、今日こそ「三酔人」は読まれるべき本である。私は改めて思った。いや、近代「文学」の中、私にとって「三酔人」こそが、もっとも名著だと断言する。漱石よりも、鴎外よりも、荷風よりも、私は「三酔人」を推す。1番私に影響を与えた本だったからである(詳細は略)。

予想が外れて、「三酔人」の概略は、4回中、第二回と第三回で済んで仕舞う。思った以上にユニークな「三酔人」論だった。もと本を読むのが1番ではあるが、概略は本書でも十分によくわかるので、できたら手に取って欲しい。それも面倒ならば、岩波文庫版を、私が2012年にレビューしている。

平田さんの「論」のユニークな点は私論では2点。
ひとつは、明治20年当時に問答形式で、漢文で、明治憲法発布直前の日本を論じて、(現代では考えられないかもしれないが)もっとも効果的な文体だったということである。言文一致が未だ実現していなかった社会で、国家や政治についての「思想」を伝えるとしたら、これほど効果的な文体はなかったかもしれない。これまでは、兆民の難しい漢文に、みんな??を持っていた人が多かったが、この論、かなり説得力あった。
ひとつは、(これが1番本書の重要なところ)、3人の姿勢である。「あなたの立場に同意はしないけれど、理解はする」という話し合いの姿勢。これがもたらすものは、当時、もっとも現実的な、明治20年現在の日本のグランドデザインだった。そしていくつかは現代でも通用するデザイン(この言葉は平田さんは使用してない)だった。

その他、細かいところで、発見はあったのであるが、それは余裕あれば付け足していきたい。

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2023年12月13日

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