あらすじ
「国民的地元のツレ」、ヒコロヒー初の小説! 平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
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Posted by ブクログ
ヒコロヒーさんの『黙って、喋って』を読んだ。
この本を読んで一番強く心に残ったのは、心地よい「もどかしさ」だ。
たとえば、『覚えてないならいいんだよ』というエピソード。言葉の裏側には「私を奪い取ってほしい」という泥臭い本音が隠されていて、素直になれない不器用さに、読んでいるこちらまで胸がヒリヒリするようなもどかしい気持ちになった。
また、『大野』のエピソードでは、大人の男女の絶妙な牽制合いに「口説けや!この男!(笑)」とついツッコミを入れたくなってしまった。こうしたジリジリとした会話の積み重ねがもどかしくも、とてもおもしろい。
そして、この強烈な「もどかしさ」を生み出している正体は、彼女の文章の描き分けにあるのだと気づいた。
表に出る会話の積み重ねは、他愛もないけれどテンポが良く、とてもあっさりしている。情景がパッと頭に浮かびやすく、スラスラと読み進められる軽快さがある。
しかし一方で、心の中の動きになると、途端に息継ぎの少ない長文で描かれるのだ。この長文が、複雑に揺れ動く心の機微を見事に表現している。
あっさりとしたテンポの良い「会話」と、内に秘めた感情が溢れ出す長文の「心理描写」。この2つのギャップがあるからこそ、表面上のやり取りの裏にある「本当はこう思っているのに」という本音がより一層際立って感じられる。
芸人としての顔とはまた違う、不器用で人間味あふれる魅力と、見事な文章表現を味わえる一冊だった。
Posted by ブクログ
恋愛小説の短編集。
いけない恋愛をしていたり、ダメな男に溺れてしまったり、だけど我に返ってダメ男と縁を切ったり、色々な人の恋愛のお話。
20代前半の、恋愛で失敗したり失恋してる時とかに読んでいたら、もっと影響を受けたかも。
恋愛小説をこんなにも色々書けるなんてすごいなぁと思っていたら、あとがきで、ヒコロヒーさん、恋愛経験ほとんどないと書いていてびっくりでした。なぜ恋愛経験がほとんどなくて、こんなに色々な恋愛小説を書けるの!?すごすぎる。
かなり短いお話もあるのに、全部引き込まれて、もっと読んでいたいお話が多かった。長編も読みたい。