あらすじ
「国民的地元のツレ」、ヒコロヒー初の小説! 平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
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匿名
大人の恋愛の酸いだけ(途中口直し程度に甘いもあったけど)を全部集めたんじゃないかと思うくらい濃厚で面白かった。
ヒコロヒーが書いたってのは驚いたけど、また是非書いてほしい。
Posted by ブクログ
コメディアン?お笑いタレント?ヒコロヒーが書いた短編恋愛小説17編。
すごい。
ホントに短い小説なのだが、登場人物の「ことば」が心に刺さる。
どこにでもある日常の、どこにでもいる男女の会話。
たいていは別れ話。これが、刺さる。
すべてヒコロヒー個人の体験とは思えないけれど、
いかにもありそうな男女のすれ違い。
なんだかいい。
17編のタイトルをコピペしたかったけど、どこにもない。
ばかだねえ
あと十分だけ
覚えてないならいいんだよ
しらん
俺が福岡行って、せいせいした?
ねえ由莉ちゃん
翠さんの靴、それ汚すぎるやろ
かわいいなあ、女の子って感じ
好きな人ができた、ごめん
普通に生きてきて優に出会ったんだもん
克則さんって昔からそうなの
ごめん、疲れた
紙ストローって誰のためにそんざいしてんの
大野
朝美ちゃん、ハワイ、行こうか
春香、それで良いのね
問題なかったように思いますと
黒じゃなくて青なんだね
あとがき
センスある、頭いいんだなあこの人。
あとがきで、ほんとはタイトルを
しゃんとせいよ
もしくは
お前は黙れ、ほんでお前は喋れ
にしたかったんだと
確かにこっちの方がヒコロヒーらしい、、
あ、私はヒコロヒーは、
大竹まことのゴールデンラジオで時々聴いてる
Posted by ブクログ
ちょっと最高すぎたな。8月読んだ小説で断トツ良かった気がする。恋といううまく説明できないものへの言葉の紡ぎ方が天才だと思った。言葉でなかなか自分の思いを完璧に伝えきることはすごく難しい作業だと思う。でもこの「黙って喋って」はそういう恋心を言葉でしっかりと捕まえている感じがする。
女性が主人公で、出てくる恋人、男たちが魅力的すぎる。と、同時にちゃんとしようよとも思うけど(笑)
これが、沼るというやつだろうか。こんなやつ近くにいたら惚れてまうやろ!と心の中のリトルチャンカワイが叫んでいた。
私の推しは大野です。「大野」を読んだときに、なんとなーくパンサーの尾形さんが若いときはこんな感じなんかなとか思った。もっとぴったりな人がいるかもしれないけど。
「覚えてないならいいんだよ」は胸がギューッとさせられました。ここまでの3編でしっかり心をつかまされたという感じでした。
Posted by ブクログ
恋愛小説じゃないのがひょこっと紛れ込んでたりする。それでも単行本に入れてるくらいだからそういう紛れ込みの出来がいいのは当然なのかも。後ろのほうのがよかった。
Posted by ブクログ
恋愛ってこうだよねという、ありそうな恋愛短編集(恋愛ではない話もある)。登場人物のセリフや立ち回り、シチュエーション、時間の経過とともに変化してゆく恋愛のフェイズとその時々の気持ちの描写に、自分の恋愛では経験していない場面でも、そうそう、そうなんだよねとつい思ってしまうのだ。まるで、そのへんを歩いている女性の後ろをこっそり付け回し、見ていたかのようなリアリティがある。
著者は、愚鈍な人々による愚鈍な言動を繰り返す愚鈍物語と後書きに書いているが、恋愛なんて相手にある程度入れ込んでしまうと、愚鈍になってしまうものなのでは。
私が一番気に入った描写は「大野」のこの部分。(以下引用)
気がつけば、半分に取り分けられたかき揚げが目の前に置かれていた。大野は優しい。いつもこうして大きいほうを私にくれる。でも、私の恋人は、私にどのくらい食べるかを聞いてからいつも取り分けてくれていた。(引用ここまで)
周囲がどんなに勧めてきても、恋愛の対象になる男とならない男がいる。優しいとは思うが、大野には惹かれないのだ。世の中にたくさんいる、優しいけどモテない男ども、違いがわかるかな?
『黙って喋って』という、恋愛小説っぽい本のタイトル、以前の候補にダメ出しを食らってこれに落ち着いたそうだ。愚鈍物語という言い回しもだが、当初提案したへんてこなタイトルは、芸人だからというより、照れ隠しだったんじゃないかなという気もするんですけど、考えすぎですかね。
ちなみに私が一番好きな話は「あと10分だけ」です。最後の高揚感がいい。
Posted by ブクログ
面白いけど面白くない。
80ページでやめてしまった。
展開に飽きてきた。
でも、うまいとは思う。
僕はヒコロヒーには、もっとほりさげた長編を描いてほしいと思う。
そしたら最後まで読む。
断片的表現だけではもったいない。
Posted by ブクログ
ヒコロヒーさん、初作品。恋愛短編集。
いろいろな恋愛があって、どれもありそうで。
短編なので読みやすいです。
他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
恋愛詰め合わせ超短編集。ひとつひとつが短くて読みやすい。しかもどこか聞いたことあるような恋愛がいっぱい。驚きはないけど、だからそこ読みやすい。最初は芸人が書いたてことでちょっとした比喩表現に引っかかってたけど、普通に文章うまくてスラスラ読める。
「普通に生きてきて優に出会ったんだもん」
視覚障害の彼氏を持つ女性とASDの彼氏を持つ女性が駄弁ってる話。障害がある、障害がある人と付き合ってる、なんかそれだけでひとつレッテルを貼られてるというか、それだけで特別感が出る。でも、普通に生きてきて、普通に出会ったんだよなあと。
「かわいいなあ、女の子って感じ」
女友達という特別枠。嫉妬もできない。それにもやっとしてぶつけちゃう彼女の話。
Posted by ブクログ
一緒にいる為、生きていこうとする為、傷つき、我慢し、見失った自分を取り戻すため別れを告げる等身大の会話が綴られている。もう黙って もっと喋って
Posted by ブクログ
どこかで聞いたり、はたまた自分にも身に覚えがあったようなないようなある意味平凡でリアルな恋愛の短編集だったな〜と読んでみて思ったのだけど、あとがきにある「愚鈍な人々による愚鈍な言動を繰り返す愚鈍物語はどういう存在になるのかは知る由もないのだが、あなたの人生の何かの拍子に、ああ自分もいつか読んだあの本の登場人物のように愚鈍だ、とふと笑ってくれる瞬間が生まれたならばそれはもう最高の出来事である。」というこの一言で完璧に落ちがついててヒコロヒー姉さん流石っす…!ついていきます…!って気持ちになった。小説を読むことって、共感力を高めるとかそういうことだけじゃなく、自分のようなものでもそこにいていい、そんな考え方もあっても良いという救いにもなるもんね。あと本のタイトル、最初の候補が「しゃんとせいよ」だったのにはめちゃくちゃわらった。売れなそうすぎる。笑
Posted by ブクログ
俵万智さんの『生きる言葉』で本書について書かれていて、気になって手に取った。恋愛をテーマにした短編集。日常を切り取ったワンシーンを描き、友達の噂話を聞いているような感覚で読めた。好きになり、相手に染まり染まられる過程は、多くの恋愛経験者が通るだろうから共感しやすい内容だと思う。その一方で、いざ失った時には自分らしさがどこにもなくなったように感じる虚無感や、その道を自分が選んだと自覚しているから、冷静になって「ばかだねえ」とも感じられた。
Posted by ブクログ
大人の恋愛の中でも2人の感情の動きが色々な物語で色んな角度から描かれてる。基本、女性目線だから感情移入と言うよりかは、そー思ってるんやー、思い当たる節あるかも。と反省する場面もあった。総じて、テンポも良くて読みやすい。ヒコロヒーの本もっと読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
「あの時の感情って、こういうことだったのか」という気づきがありすぎて、他の話も気になってどんどん読み進めた。
「いや、そんな場面でこんなこと考えないでしょ、クサいなあ…」っていう場面も多々あったけど、
それを含めてもどーーしても気になって読んでしまう。
過去に恋愛に傷ついた自分が、なんだか少しかわいく思えて、さらに少し癒された気がしました。
手元に置いておきたい本です。
Posted by ブクログ
短編の恋愛小説がたくさん入ってる
30代の自分にはちょっとずつ刺さるような内容
ヒコロヒーこんなの描けるって、すごい恋愛経験豊富なのかなぁとか妄想しながら読んでしまったw
友達の恋愛相談聞いているようなそんな感覚で読める一冊でした
Posted by ブクログ
テレビで俵万智さんが褒めていたので手に取って見た本作。
芸人のヒコロヒーのトークは好きであったがこの本を読んで読む前の想像より素晴らしかった。
短い話なので読みやすく、かつすべて恋愛に関する話だが、話の主人公それぞれの言葉にしにくい心情が表現されていて、感情移入できるし情景が思い浮かべやすかった。
シーンは日常のとりたてることもない日々のことかもしれないが、人の心の中で感じるもどかしさであったり、よくないと思いながらやめらない行動の様子に共感してしまう。
あとがきには愚鈍(ぐどん)な人々による愚鈍な言動を繰り返す愚鈍物語と表現されていたが、今後私が同じような場面に直面したときに、筆者が望んでいるように、何かの拍子にこの本の登場人物のように愚鈍だと笑いたいと思った。
Posted by ブクログ
日常でありそうな物語、シーンなんだけど、女性視点から見ると、あぁこの気持ち分かるって思うことばかりだった。
男性視点だと、そんなこと?って感じなのかもしれないけど、些細な出来事で静かに熱が冷めていく様子が鮮やかに描かれていて、今後の作品も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
「国民的地元のツレ」ヒコロヒーの私のイメージは「聡いヤサグレ」
初めての短編恋愛小説集は想像以上に良かった
18篇のバックに、何故か⁈80年代後半〜90年代の曲が流れてる感じ
そしてあとがきがまた良い
タイトルが「黙った喋って」になって本当に良かったよ
その過程も含めて秀逸のタイトルだと思います
Posted by ブクログ
一冊読んで最後に心に浮かんだのは、木下龍也さんの一句。
大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある
俵万智さんの新書で触れられていたことがきっかけで、色んな恋愛模様を覗いてドキドキワクワクしたくて選んだ。が微笑ましく見ることなんかできず、翻弄される本人のようなその友達のような、ごく自分のような感覚で読んでしまった。過去に突き刺さったナイフもその時はすごく痛かったけど、でもあんなに痛かったんだからちゃんと覚えておいて忘れたくないと思った。
この本の登場人物たちにも、何か似合う一輪と出会って欲しいと願わずにはいられない。わたしは瞳が好きでした。
Posted by ブクログ
すごいね才能あふれてる。
その辺に転がってるどうにもならない恋の話たち。
どの話にも自分の片鱗がありそう。
朝日新聞WEBマガジンでの連載に4作加えた全18編の短編をまとめた一冊。
どのタイトルも登場人物のセリフから。
帯コメントは吉本ばななと西加奈子。豪華。
Posted by ブクログ
恋愛をしている男女のY字路の会話を含んだ1コマという感じ。
後から振り返ってみれば、実は人生の分かれ道だったかも、と感じるような絶妙な場面設定。
ヒコロヒーさんの感性素敵だな。
「しらん」「翠さんの靴、それ汚すぎるやろ」「紙ストローって誰のために存在してんの」「大野」が特に好き。
どいつもこいつも愚かで人間臭くて魅力的。
あとがきにあったように、題名「しゃんとせいよ」にして欲しかった...笑
登場人物達のパーソナリティーにどっぷり浸りたい。
長編も書いてほしいな。
Posted by ブクログ
おもしろかった!
共感しかない!
言いたくないのに言葉にでちゃうよねー
「ねえ由利ちゃん」
「好きな人ができた、ごめん」
この二つはめっちゃ刺さった…
ヒコロヒーさん素敵
Posted by ブクログ
2025.43
「国民的地元のツレ」 ヒコロヒー初の小説
平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶︶
【目次】
「ばかだねえ」
「あと十分だけ」
「覚えてないならいいんだよ」
「しらん」
「俺が福岡行って、せいせいした?」
「ねえ由莉ちゃん」
「翠さんの靴、それ汚すぎるやろ」
「かわいいなあ、女の子って感じ」
「好きな人ができた、ごめん」
「普通に生きてきて優と出会ったんだもん」
「克則さんって昔からそうなの」
「ごめん、疲れた」
「紙ストローって誰のために存在してんの」
「大野」
「朝美ちゃん、ハワイ、行こうか」
「春香、それで良いのね」
「問題なかったように思いますと」
「黒じゃなくて青なんだね」
どれも実際にありそうな話
がしかし自分にはどれも当てはまらなくて
なんか悲しくなったw
最後の、全部相手の好みに合わせて選んでて
別れた今自分の好みが分からない(だったか?)
みたいなことは推しに対して言えるかもw
そこまでじゃないけど、迷った時そっちを選んで
しまってる気が・・そんなもん自分の好みで
選ぼうと、今財布選びに苦慮してるところw
Posted by ブクログ
最近なんだか気になる存在が、ヒコロヒー。
タイトルを「お前は黙れ、ほんでお前は喋れ」にしようとして編集者に華麗に阻止された、と。
ただの恋愛小説、ではなかった。
Posted by ブクログ
リアルな感じを出しつつも、ちゃんと出口を残してくれているというか、現実と架空の隙間のようなものを残しておいてくれる文章だった。あまり没入せずにいろんな恋愛を疑似体験したような感覚だった。「翠さんの靴、汚すぎるやろ」、「朝美ちゃん、ハワイ、行こっか」が好きだったかな。
p.216
夫が割り込んでそう告げると、春香はいやだあと言って、また身体を左右に振った。
まだ幼いのに、なのか、幼いから、なのか、子どもは自分の判断を疑うことを知らない。
すると唐突に、できるだけ、何にも惑わされず、そのままでいてほしいと、なぜだか強くそう思った。今のまま、自分が良いと思ったことをじることをやめずに、そうして、すきな靴を履いて出かけて、色々な人と出会い、たとえそれが悲しくてつらい気持ちを与えるものだったとしても、きっとそれがいつかあなたを支えるものになるのだろうと、きらきらとした無垢な表情でこの小さな靴を見つめる彼女に、なぜだか、急にそう思わされたのだった。
「ねぇ」
「うん?どうした?」
Posted by ブクログ
短編?…というのか、5ページ程度の短い恋愛話が18話。話の締めが上がるものや、下がるもの、状況が変わらないもの…ドラマのワンシーンを読んでいるようでした。
これだけ恋愛話を考えて書くのは設定も含めて大変だったろうなぁ~。芸人さんだけあってなのか、細かな観察眼が鋭い。
これを読めば恋愛している時の男女の考え方の違いが客観的にみれて勉強になるなとも思った。
18パターンの恋愛教科書本。
Posted by ブクログ
人の細やかな機微や周囲の情景をとらえる文章と、ふとした会話の面白さがすごく良くて、ヒコロヒーの感性好きだなあと思う一方で、各ストーリー自体はあってないようなもので、恋愛の瞬間を短く切り抜いたかと思えばふっと終わってしまうのが少し物足りなかった。自分自身が作中人物のように恋愛にのめり込んだ経験がないせいか、どの話も「ああ、ふーん……やめとけよこんな奴……」と流してしまったけれど、その点については作者本人が意識的に書いているのだと後書きで分かり納得。『春香、それで良いのね』が収録作の中で一番好き。
『黙って喋って』は結果的に良いタイトルだと思うけれど、他の候補もヒコロヒーの自我が出ていて面白かった。
Posted by ブクログ
何かの賞を取った、という予備知識だけを持って手に取ったが、意外にも恋愛の、しかも短編集だった。
1話ずつが短めで、ああこういうことあったな〜こういうこと思ったことあるな〜と小さな共感が度々あって、読みやすかった。
文章からは全然ヒコロヒーを感じなかったけど、後書き読んでやっぱりヒコロヒーが書いたんだって納得した。
他愛もないよくあるような話だけど、それぞれの登場人物が目に浮かぶ感じがして、良かった。
Posted by ブクログ
同じやらかししたな…とか、あれはそういう意味だったのか…とか、過去の自分が思い浮かんで馬鹿らしくなって面白かった
短編の恋愛小説になってて、他愛ない話からもどかしくなる話まで色々載ってます
ぜひ本貸すので色んな人と語り合いたい
Posted by ブクログ
「愚鈍な人々による愚鈍な言動を繰り返す愚鈍物語」とあとがきに。
様々な男女のヒトコマを覗き見るような短編集。
会話の切り取りがタイトルになってるのも面白い。
悲喜こもごもだが全体通して軽やかなのは筆者そのもの。