【感想・ネタバレ】自由慄のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短い自由律短歌の連続なのに、毎回きちんと怖い。
面白かった。
セーラー服の少女が屋上から地面を見下ろしている様子が脳裏をチラつく。
最初は詩集かと思っていたのに、通して読めば関係性が薄らと見える。



以下、特に好きだったもの



朝焼けに黒い液体をまきちらして、夜を散骨するように

いっぱい名前を呼んでくれた、死体になってはじめて

夢に出てきた故人にふれると、ブラウン管に
指でふれるときと全く同じ、やわらかな拒絶の触感がする

空が肌色のときだけ現れる鉄塔

一匙のくすりの粉をわけあった日が
プラセボになれますように

静物画みたいな葬儀だった

名札の安全ピンが初めての自傷だった少女が
頭の中で空に泳がせていた魚

カショオする専用の
うどんの茹で方があるように、
幽霊になる専用の
死に方があるんだと思う



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2024年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学生時代にあの形の手紙をまわしあっていたから懐かしさと少し寂しさを感じた

から私に送られる追悼句集

2回目を読むのが楽しみ

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2024年04月18日

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8月31日から遡る形で7月1日のじゆうりつへと続く。友人の死と幽霊になって現れる生と死の痕跡。死に憧れた友人のその最後は分かったような分からないようなうすらぼんやりしたものだが、友人への愛惜の情がそこはかとなく漂っていて不思議な世界観だった。
装丁もいい

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・2月6日に読み始め、10日に読み終えました。

・おもしろかった~。梨さんの本(流通に乗ってる本)はその怪文書を読みましたか以外たぶん全部読んでるんだけど、どれもガラッと変わった構成とか手法で書かれてて、シンプルにものがたりがうまい……と読むたび思っている。

・『かわいそ(笑)』と『6』読んだときは梨さんの話ってキモくて嫌(なのが良い)だな~って思ったけど、今作は全然そんなことなかったな。個人的には全然怖くもなかったかも。ふつうに少女の自由律句集から成る物語みたいな感じで読んじゃった。

・まあ、冒頭の凡例のおかげで、単なる物語として消費できないようになってるんですけどね。ほんとにうまい。


・句(…?)の内容的にはなんというか、たぶん5年前くらいは好んで読んでた系統なんだけど、ここ最近自傷とか精神疾患をコンテンツとして見ることがあまりできなくなってるので、直接的なものはあんまり…!って感じだった。だから黒い方のが好みだったかな。やっぱり不気味というか、い、嫌~…って感じのがこの人の本読んでるなって感じする。

・ただこういう思春期の病的なあれそれ…みたいなテーマって一種の美しさとか、切なさとかの「エモ」的な感情も内包してると思ってるんだけど、そういう切なくてうつくしい、風に見られる彼女たちの物語と同時にゾッとする薄気味悪さが並べられてるのはかなり良い。物語の見たくないところの存在を示されてるようで、対比が効いてる……

・組版もすごくよかったな。梨さんの本って、紙媒体になってこそ最大限のおもしろさを発揮するように作られてるから、本出るたびに欲しいなと思う。

・また梨さんの新作読みたいな♪

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2024年02月13日

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これはどうでもいい手紙ではなく「じゆうりつ」


ルーズリーフを折る事で作られた小さな手紙。299の書簡に書かれた断片的な言葉をもとに構成した(という体裁の)本です。

自殺した子とその友達の話? 赤い字の言葉は自殺した子に関わる文言? 色々な事を考えられて、ほんのりと恐ろしく、どこか儚い言葉の欠片から背景を想像し、考察するのが好きな方にはとても楽しいと思います。
もちろん、純粋に自由律俳句、あるいは詩として読んでも繊細で不気味で美しい。

印刷方法やフォントも凝っているので、そういう観点で見ても面白いです。

近々『自由慄』トークイベントのアーカイブ視聴しようかと思っているので、もしかしたら後で少し追記するかも。

※2024/02/26追記
梨さん×朝宮運河さん『自由慄』刊行記念トークイベント、アーカイブ視聴しました。見なくてもその人なりの楽しみ方がいろいろできると思いますが、こちら視聴してから読み返すと、解像度がとても上がるので興味ある方は視聴をお勧め。
お二人ともお話が上手で、『自由慄』の話を除いてもとても興味深いです。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

心に鬱を蓄積する短文集。
追悼の返歌に宿るプラセボ。
慄くのも自由……?
「これはどうでもいい手紙ではなく」───呪いの言葉。

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2024年01月30日

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