【感想・ネタバレ】密室入門のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリ作家・有栖川有栖と建築家・安井俊夫による密室対談。
文章のそこかしこから二人のミステリ愛、とりわけ密室への並々ならぬ愛が垣間見られて、微笑ましい。
有栖川さんはミステリ作家である前にミステリファンの読者だと言っておられるように、その知識量は半端ではなく、安井さんがこんな感じの、というのを受けてそれは、、、と解説されるくらいたくさんのミステリを読んでおられる。一方で安井さんはミステリで描かれる建物を専門家の目で解説し、その上でミステリだからこそ許される建物の魅力にまで迫っておられる。二人の脱線しまくる盛り上がり方も、はたから見ていても楽しそう。
古今東西いろんなところで繰り広げられてきた密室の分類・解説の単なる焼き直しではなく、今後の密室ミステリの将来にも言及した、新たな密室解説書となっている。

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2015年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリの代表ともいえる「密室」について、ミステリ作家の有栖川有栖とミステリファンの建築家・安井俊夫が対談形式で語り合っている作品。
ミステリ作品からみる「密室」の定義や、建築からみる「密室」の定義の違いのほか、なぜ「密室」がミステリの原点ともいえるのか、というところまで丁寧に説明されています。
章も平易で、コアなミステリファンでなくとも楽しむことができる一冊で、図や写真なども用いて解説してくれているところも丁寧でわかりやすいです。
さらに、現代の「プライベート空間を外界から隔離して、自身の安全・安心な環境を確保しようとする」という風潮は、「プライベートな空間を破られるときの不安や嫌な感情を想起させる密室殺人を恐れる気持ちを強くする」ということにもつながっており、すでにトリックは出尽くしたとされる「密室」を扱う作品が今もなお根強い人気を博している原因でもあるという分析は説得力がありました。
2021年は、世界で初めての密室が描かれた(というより世界初のミステリが密室殺人だった)『モルグ街の殺人』が出版された1841年から180年。
ほぼ2世紀にわたってエンタテインメント作品の代表格として世界中で愛されている「ミステリ」という世界の奥深さにも触れることができたように思います。

いままで有栖川有栖の作品をしっかりと読んだことはありませんでしたが、これを機に手に取ってみようかと思います。

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2021年09月10日

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