【感想・ネタバレ】大暴落!その時、どう資産を守り、育てるかのレビュー

あらすじ

株式、債券、暗号資産……。
狂った金融バブルは必ず崩壊する!

この道50年の集大成にして
かつてない警鐘と確信。

待ったなしの暴落シナリオと対策方法を
「さわかみファンド」創設者が緊急提言する!

【主な内容】
・壮大なカネあまりの、薄っぺらなバブル株高
・静かに、常軌を逸した債券バブルが進行中
・ゼロ金利に慣れてしまい、金利変動に対応できない恐ろしさ
・この金融バブルの影の主役
・バブルに踊り狂った企業が、世界中で連鎖倒産する
・経済全体に信用収縮が襲う
・資金不足で市中金利は急騰する
・国家財政は破たん状態に追い込まれよう
・エージェント資本主義の限界
・国も中央銀行も打つ手なし?
・大混乱の地獄から、新しい経済の息吹が
・債券市場の暴落で、モラルハザードが一掃される
・金利の復活で、経済活動はまともに戻っていく
・この先、年金運用のシステムがズタズタになる
・長期投資は、新しい上昇相場をも先取りする
・株価は、長期的には値上がりする
・生活者投資家の台頭

暴落直後からの「攻め」の準備をしておく
それが、最重要で最高度の戦術となるのだ。

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Posted by ブクログ

東京五輪が終了しました、そして雨のため順延が続いていますが、夏の高校野球も始まりました、その後にパラリンピックがあって、プロ野球の日本シリーズでしょうか。

コロナ禍で自粛ムードとはいえ、お祭りムードとは正面切って言えないにしても、見たくないものを「コロナ・ワクチン・大雨情報等」で覆い隠しているような気がしているのは私だけでしょうか。

東京五輪を開催するのに多くの追加費用が必要となりました、誘致の時に言われた「スリムなオリンピック」はコロナ対策という名目で誰も文句を言える状態でなく、その上、無観客にしたので当てにした収入も大幅に減少して、この決算が明らかになるのは今年の年末頃でしょうか。

この本は「さわかみファンド」を創設した澤上氏により書かれた本です。彼の本には5年程前に出会って、それまで何度となく失敗してきたファンドとは違うだろう、と思いそれを検証するために購入を始めました。それ以来、彼の書かれた本には目を通すようにしています。この本も今ままで描かれてきた内容と重なる部分もありますが、いつきてもおかしくない大暴落の日に備えての対策が示されています。

以下は気になったポイントです。

・ゼロ金利の状態が、まだこれから2年も続き資金も続き(2021年6月出版)資金も大量に供給されるとなれば、金融マーケットはもう怖いもの知らず、債券市場はずっと高値圏にありながらも値崩れの気配すらない。(p27)この金融バブル、どんなに長く続いたとしても、せいぜいあと2年だろう。この金融バブルが崩壊すれば、株価全般が40-60%暴落するのは容易に想像できる(p37)

・発行金利が上昇し出したのを見るや、債券投資家の間で今保有している債券を売って、新発の債券に乗り換えようとする動きが即座に出てくる。高利回りで魅力的なので(p61)

・1983年からおよそ37年間というもの、債券投資家にとっては天国のような状態が続いた、長期金利がずっと下げ基調にあったということは、債権価格は上昇に注ぐ上昇を続けたことを同義である。つまり世界の債券市場は、ずっと天井圏に張り付いたまま推移してきた。ところが40数年前、1970年代半ばから1982年にかけて、世界の債権市場は地獄をのたうち回っていた、米国金利は10%台にあり瞬間では16、18%をつけていた、つまりボロボロの安値で売り叩かれていた。あの悲惨な状況を経験している債券運用者は、もうほとんど現役を退いて、その恐ろしさを知らない運用者達ばかりである(p67)

・機関投資家は運用のプロだといったところで投資家顧客があってのビジネスである、独自の判断で売ったのちになおも上昇相場が続くと運用成績で競争相手との差が広がってしまうので、それで悪い評価を受けるのは、なんとしても避けたいので(p91)10年とかの時間軸で成績評価していてはマーケティングにならないので、あっという間に毎年の成績で評価しようということになった、この流れが、世界の運用業界を狂わせた(p98)

・日本の場合、今年度の当初予算では新規国際発行額は、43兆円、借換債の発行は、147兆円、合計で190兆円にもなる。発行金利が1%上がると年間で1.9兆円の金利コスト増になる、43兆円の財政赤字となっている今年度の予算からすると、金利コスト増は大きい(p146)

・今日本国内で流通している日銀券(つまり通貨の量)は、118兆円、それに対して日本経済の現場では遥かに上回る巨額の資金が動き回っていて、それは信用で動いている。個人の預貯金額は、1947兆円(2020年12月末)その中で預貯金の通帳残高は、954緒円、それに対して現金流通額は、118兆円ということ(p149)

・日米欧(日銀、ECB,FRB)の中央銀行の資産は急膨張している、特に日銀はすごい、お金の価値が下がっているのは間違いない、ただ、コロナ禍の経済混乱もあって価値の下がっているお金を何にシフトして良いのか見えない、それで価値は下がっているものの、人々はお金を抱え込んだままでいる。従って、何かお金に代わる価値が見え出すや、たちまちインフレの火が燃え広がるだろう(p157)

・日本の借金は2021年3月末で、1216兆円(GDP比較2.3倍)、コロナ禍で財政出動が拡大したこともあり、この1年間だけでも国の借金は101兆円増加した。それでも日本は巨額の経常黒字をベースに今の所は、世界最大の債権国の座を保っている、米国は最大の債務国だが(新しく刷るドル紙幣の60%は国外へ流出)基軸通貨なので強い。バイデン政権は財政出動(中低所得者の保育費負担軽減、介護などの有給休暇の整備、子育て世帯の税額控除拡充、EC設備の整備など)に対して、増税(富裕者への税率アップ、税務調査の徹底、多国籍企業の海外収益に増税など)を行なっている(p183)

2021年8月15日作成

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2021年08月15日

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