【感想・ネタバレ】羊の怒る時 ――関東大震災の三日間のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読中・読後、辛くて堪らなくなってしまった。だが、「過去を学ばぬものは未来に対しても目を閉ざしていることになる」から、心身のあたうかぎり、折に触れ読み返したいと思う。ーー本書は、関東大震災(1923.9.1)とその後の2日間を、直に目の当たりにした作家が、小説のかたちで表したものだ。その眼は、『どこから出たかもわからない』デマゴギーから、日本庶民が朝鮮の無辜の人びとをどう扱ったかを、震災の様子ともども明確にとどめている。いちばんのおそれは、石牟礼道子さんが末尾の解説で語っているが、『五十年百年経って、われわれが同じことをしない保証がない』ことだと思う。ーーきょうは、あとは茨木のり子の詩「あの人の棲む国」を読んでやすむ。

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2023年10月25日

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