あらすじ
喫茶店「マーヌル」には、言葉をしゃべるずんぐりむっくりの猫がいる。マヌルさんと名乗る猫は人間をやめてマヌルネコになり、喫茶店の片隅で占いをやっているらしい。しかし占いの腕はなく、気の赴くままに占い、適当なアドバイスを繰り広げるだけ。にもかかわらず、迷える人々は今宵もマヌルさんの元を訪れる……。 がんばりすぎて疲れがちなあなたのために、マヌルさんが「人生をちょっと気楽に生きる方法」を教えてくれます。
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Posted by ブクログ
先生の直筆サイン入りとポップアップされ
行きつけの書店に並んでいた。
初めましての作家さんだけど、ブサ可愛い猫の
表紙とサイン入りに釣られて購入した。
表紙を開くと先生の優しい文字とメッセージ
赤い可愛いらしいスタンプが押されていた。
それだけで買って良かったなって
嬉しくて読み始めた。
内容はどれも日常的な事だけど、
そう そうだよねって世の中の生きづらさを
感じる。
その中で、人間の言葉を話すネコさんが
もっと適当に力を抜いて生きなさいと
背中を押してくれる。
最後に進むにつれてネコさんの正体が
あきらかになっていくワクワク感もあり
あっという間に読み終えてしまった。
こんな喫茶店があるのなら行ってみたい。
久しぶりに心が温かくなった。
これから続編があったら読みたくなるほど
良い小説だった。
Posted by ブクログ
手を抜いて、生きる方法教えよっか?
マヌルさんの言葉で、真面目すぎてヘトヘトな読者が、もうちょっと適当になれる小説。
適当な占い、だけど当たる。
知りたいことが知れる、モヤモヤしてたことが晴れる。私は読んでみてそうだった。
1話目の断捨離インフルエンサー。
汚部屋に住んでいるけれどSNSではキラキラした所をのせ、徐々に現実を見て何もかもが上手くいかなくなっていく絢未。そんな絢未にマヌルさんは「本当に大事にしたいものは、見せびらかしたりしないもんよ。満たされてるって自覚してれば、他人の承認なんて必要ないんだから」
とても刺さった。私は物理的に満たされているけれど、心まで満たされてない。だから中途半端なんだ。
ふと私も数ヶ月前に大掃除をした。大掃除をする前は手をつけたくもなかった50冊の未読の小説達。部屋が片付いた今は斜め読みで読んだり、文字を眺められるくらい余裕が出てきた。「汚部屋は悪運の始まり」マヌルさんの言葉に小説の中の絢未だけでなく、私も実感できた。
2話目、完璧主義シングルマザー。
完遂主義でなく完璧主義だからか、「母(この本では鞠)」という立場じゃない私でも痛いところを突かれた気分。鞠と違うのは最後までやりきれないのに完璧主義な所。人(子)を巻き込む完璧主義はお互い疲れてしまうけど、私の今の仕事はマイペースでもいいから私の完璧主義を尊重してくれるとても良い所なのかもしれない。自信がつく。その点、私は恵まれてるな…。
3話目、フォーチュンクッキー女子高生。
喫茶店マヌールの店長の娘、叶(かない)と同級生のかよ。周りの友達に合わせて自分の好きを隠す子。絵をからかわれてから学校では描かなくなった子。そんなかよの絵を叶は「自分は好き」という。好きと言ってくれるからまた描き始めるかよに、私も「あなたのここがいい!」って1人でも言ってくれる人がいても耳に、目に入らないくらい落ち込む時が殆どだから、1つの、1人の「いいね」にもう少し目を向けようと思う。
4話目、ホンモノの占い師。
ここでは「占い師」ではなく、「名前」が大きく取り上げられている気がする。この話では妙蓮寺雛菊という女性が出てくる。彼女は小さい頃から視える人で、小さい頃は「きみょうれんじ」と呼ばれていてその名前が嫌いだった。私は「綺麗な名前だな」と思ったのだけど、本人は名前をいじられたことで自分の名前を苦手としていた。かくいう私も自分の名前(本名)が苦手だった。でも漢字の意味や響きを聞いたり、人から「響き可愛いのに漢字かっこいいね」と言われてからはとても好きだ。「佐藤リリー」が彼女の占い師としての名前、マヌルさんの後押しで最後は「妙蓮寺雛菊です」と自己紹介してるので、少しは好きになれたのかなと思うと、「どの目線だ」と言われるかもしれないけど、とても嬉しい気持ちになる。
最後、板挟みマネージャー。
2つの取引先で悩んでる葛城。そんな葛城はマヌルさん(相沢)の元相方で川谷さん(マヌールの店長)の元部下。マヌルさんは花占いや鉛筆で取引先を決めるが、葛城はやる気がないなと一言。マヌルさんは「あんた、もっと自由に生きなさいよ。窮屈そうで見てらんないわ」と。マヌルさんは自由だ。でも言っていることは納得がいく。
最後の最後の一言に「なりたきゃ、あんたにだってなれるのよ。マヌルネコにも、何にでもね」
なんにもない→伸び代しかない
なんにでもない→なんにでもなれる
よく聞く言葉だけど、難しい。けれど大切。なんなら突然Uターンや曲がり角でもきにいらなければすぐに別の道に行くこともできるんだって、その気持ちで行かないとだなって思える小説。
Posted by ブクログ
猫が飼いたくなりました。会話が出来る猫ならもっと良いです。結婚するまでは実家でずっと猫を飼ってました。話せるわけではないけど一緒にいるだけで癒されて、あのしっとりした鼻の感じとか大好きでした。猫の気まぐれな感じが、マヌルネコさんの肩の力を抜いて気楽に生きてと重なり、一層猫好きになりました。
Posted by ブクログ
ゆるーい感じが、GOOD。だれでも、肩に力が入りすぎてしまうことがある。そうなると、周りが見えなくなる。気付かせてくれるのは、ふとしたときの、まわりの声だったり、家族の存在だったり。マヌルさんの喫茶店でナポリタンをたべながらメロンソーダを飲みたいな。
Posted by ブクログ
定期的に病院に通院しているのですが、待ち時間中にゆるりとした気分で読みたくて購入。
子育てと仕事に追われるシングルマザーや、仕事で板挟みになるマネージャーなど、悩み多き人達がマヌルさんと話すことで、こうでなければならぬ!といった無意識に凝り固まった思考から、ふっと解き放たれるサマが良い。
マヌルさんのいる喫茶店、現実にあったら絶対行ってみたい。
Posted by ブクログ
マヌルネコが歩いたり喋ったり、そんな想像をしながら読むのは心が和やかになってワクワクした。〇〇すべきという考えに囚われて、自分の現状にどうしようもなく凹むこともあるけれど、マヌルさんの占いのように、自由に適当に生きていく方法も身につけていきたい。
Posted by ブクログ
喫茶店「マーヌル」には、言葉をしゃべる猫がいる。
悩みを抱える人たちが、マヌルさんと出会い、色んな変化が訪れるお話。
優しいお話。
みんなそれぞれ悩みを抱えてるんだけど、何気ないひと言で助けられたり、気持ちの切り替えができたりすることってあるよな…ってしみじみ感じた。
てっきりマヌルさんはオネェ系キャラだと思ってたけど、読み始めていくうちに…あ、そうだったの!?という意外性もアリ笑
私も、マヌルさんに会いたいなぁ。
★人を好きになるってことは、たぶん、自分の一部を相手に渡してしまうことなのだと思う。
恋愛が終わるときは、相手が自分の一部を持ったままいなくなってしまうから、あんなに辛くて苦しいんだ。
自分の存在の一部が消えてしまう空虚さ。悲しさ。それが失恋ってやつだ。