【感想・ネタバレ】ルールはそもそもなんのためにあるのかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新書にしては少々感情的な部分もあるような気がするが、主張には賛同するところが多かった。タイトルの答えが本文中にはっきりと出ているわけではないけれど、ルールがある程度ファジー・グレーな部分が必要だということは読んでいて伝わったし、自分も共感した。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ルールはそもそも、なぜそういうルールが作られたのかという目的を考えなければ理解できず、またルールを守ることで得られる利益と、破ることで得られる利益とを天秤にかける必要がある。そのうえで、守った人が損をするルールはダメなルールである。
ルールの発端は人間と動物に共通して「縄張りの画定」と「序列付けの必要」である。
平常時のルールの目的は、世界や社会を円滑に回すもので、各人の安全な暮らしを守るものである。
第一次的ルールとは「責務のルール」で、第二次的ルールは第一次的ルールの欠落の補完を行う運用ルールである。
ルールがルールとして成り立ち、人々がそれに従う動機を保証する必要不可欠な条件は、「Aの情況とBの情況が同じなら平等に扱うこと」と「同等に扱わない場合は、説得力のあるルールを示す必要があるということ」で、すなわち「形式的正義」である。
ルールに普遍性を徹底的に求め、「いつでも、どこでも、誰にでも」適用されるものを真のルールとしたのがカントである。彼は、功利主義が重きを置く幸福や快は条件により異なるとして、条件に左右されない理性を重視している。また、「刑罰法則は定言命令(無条件的な命令)」とされる。
マスク警察のように、中途半端なルールは逆に混乱を生む。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

ルールとは何か?法律?慣習?どう違うのか?
良いルールとは?なぜルールは守られる?守られない?

こんな感じの疑問について、カントやルソーなどの出典を交えながら、法哲学的な考えを述べる本。

コロナ禍や LGBT の事例など、最近の身近な事例を題材に扱っているので、興味深く読めました。
ただ筆者の政治的な考えもしっかり載っているので、抵抗のある方もいるかも知れません。

清濁併呑ができる人向けです笑

法律の知識が無くてもスラスラ読めます。
同調圧力という言葉に引っかかる方には特にオススメです!

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

そもそもなんのためにあるのか、を説いたのは最初の数ページ。事例が多いせいか、そもそもなんのためにあるのか、の問いに対する答えがピンボケになっている印象。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

法哲学の入門書。身近な事例のおかげで分かりやすい。
でも引用が合っていないように思えるのは、こちらに問題があるからだろうか。アムロがジェットストリームアタックをかわした場面を引いて「踏み台」にすることの是非を問うのは、的外れとしか思えなかったな。

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2023年12月25日

Posted by ブクログ

小気味良い内容で面白かった。

エスカレーターのルールは本当に謎ルールだと思う。これだけ片側開けて歩くのは良くないと言われているにもかかわらず片側開けや歩行が横行している。特に駅などでは電車を降りてからエスカレーターに乗るまでが非常に混雑して滞留が発生している。いっそ守れないならエスカレーターはやめます、と宣言してもいいのではないだろうか。

自分に都合のいいことしか受け入れないのが人間。完璧なルールや法律などないのだけど、自分以外誰かが被る影響も考慮してお互いさまで過ごすことができれば、もう少し生きやすい世の中になるのだろうけど。人間だけでなく、地球に生きる生命全てに対してもそうだと思う。

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2023年12月18日

Posted by ブクログ

法哲学の入門書。哲学的な理論の説明にとどまらず、オリンピックのドーピング問題、結婚制度、コロナ禍の対する日本政府の対応など、記憶にも新しい現代的な問題を具体例に、分析をしてくれているので、とても親近感を持って読み進められた。
それぞれの問題に対しては、筆者の法哲学者としての立場をかなり明確にしている。常識的でありつつかなり鋭い批判を述べるため、個人的には痛快だったが、もしかしたら、そうした筆致自体にアレルギー反応のある読者もいるかもしれない。最後、多種多様な価値観を持った人間が、共に生きていくためには「清濁併せ呑む」「心に毒も栄養も喰らっておおらかに生きる」度量の大きさが必要だ、という言葉は、とても共感した。

内容的には、イギリスの法哲学者ハーバート・ハートの議論を紹介しているところが面白かった。
普通、「ルール」と聞いたら思い浮かべる、何かをすることを禁止したり、罰を与えたりするルールを「責務のルール」とハートは呼ぶ。ただ、そうした原始的なルールに対して、遵守すべきルールそのものを決める「承認のルール」、ルール改廃の権限を与える「変更のルール」、ルール侵害があった際にその解決法について定める「採決のルール」という二次的なルールが存在するという。
こういった、ルールに関する細かい性格の違いは、普段考えないので、とても勉強になった。

他にも本書では、いわゆるただの「慣習」と「ルール」の違いに関するハートの議論も後半で紹介されていて、こうしたことは知らなかったので単純に勉強になった。

ルールというと守るもの。そういったイメージがある人にほど読んでほしい。そのルールは、一体、何のために、誰のためになるのか。それを考え続けるためのヒントがたくさん詰まった本だった。

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2023年11月18日

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