【感想・ネタバレ】“好き”を仕事にする力 スモールビジネスを立ち上げた100人の女性たちのリアルのレビュー

あらすじ

好きなことを仕事にするために起業した女性たちのインタビュー集。チャイの店、フラワーショップ、絵本専門店、雑貨輸入業、ベーカリー、器と生活道具の店、ダージリン紅茶専門店、和菓子工房、肉マン専門店、おむすびショップ、ジャムと焼き菓子のブランド、古民家カフェ、外国人向け料理教室、テキスタイルブランド、ビーズとボタンの店、アートギャラリー、コーヒーショップ、シューメーカー、ネイルサロン、保護猫カフェ、米粉菓子店、民族画のディーラー、傘ブランド、弁当・ケータリング……etc. 40人のインタビューと60人のアンケート取材、合計100人の実例を写真をふんだんに使って紹介している。彼女たちは皆、自分で決断しながら進めていけるやりがいのある仕事に、いきいきと、真摯に向きあっている。もちろん、起業にいたるまで、またその後も、さまざまな心の葛藤、物理的な問題等もあり、知恵を絞って、自分らしく乗り越えてきたという現実もある。そんな彼女たちのストーリーは、セカンドキャリアに悩む人たち、今の仕事の仕方を変えたいと思っている人たち、コロナ禍で人生観が変わりつつある人たちに、明るい希望を与えてくれるに違いない。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

好きをお店として形にした人々をたくさん集めた素敵な本でした。
人の数だけ創造性があり、可能性があり、、、そして苦労、苦悩もあるのだけれど。

皆さんがどのように起業するに至ったのか、その経緯とお店への想いを知るのは、
その人について知ることにもつながり、なんだかさらに興味を沸き立たせます。

また、皆に対する共通の情報ー創業年、起業時の年齢、初期費用、スタッフの人数、起業前に準備したこと、起業してから軌道に乗るまでの期間、起業してよかったこと、などなど、ほんとうに、身近に起業を考えられている人にもとてもためになる情報が詰まっています。

いろいろな経緯での起業が可能だ、ということも分かります。学生のころから考えてきて若くして起業した方や、仕事の業務から転じてという方、あるいは仕事での疲労や介護、転勤など何かしら一転二転あってからの出会いや強い思いのきっかけを持って、など。

でもきっと皆さん、その「好き」に対する思いが常にどこかにあって、それを信じる勇気を持つという決断をしたことで、その思いを芽生えさせる場所を創り始めるに至ったのだろうと思います。

たくさんの取材をされてきた著者が最後に挙げている、”好き”を仕事にする力についての考察もとても参考になります。

好きなことが自分にあっているか分からない、やりたいことをディテールで考えることで、自分に合っていることをより細分化して見極めることが大事みたいです。衝動の本に盛ったけれど、そうやって細部まで突き詰めることで、その好きの本質的部分が分かることで、いろいろな形でそれを実現する手段を見出せるのだろうと思います。実現方法は一つではないこと。時と場合によって、適切なものを作っていけるのですね。

お金を稼ぐ、儲ける、というような話ではないことも、分かります。ビジネス書だと、どう利益を上げて、ビジネスを大きくするか、といったアプローチが話されますが、それはきっと、そのようなビジネスでのゲームそのものが”好き”なタイプなのかもしれない。この本では、そうではなくて、自分がし続けたいことにどう取り組むかという手段の一つとして、個人事業主や小売業の形態がある。スモールビジネス、という、提案をよろい身近にしてくれる本。体調を崩してリハビリで始めた焼き菓子づくりで起業された、というお話など、休まざるを得なくなった時にふと自分の人生人は何が必要か、という視点に立ち返った時にあるもの、それをし始めたという人も何人かいらっしゃいました。対外的には仕事だけれども、自分のなかでは仕事であり自分であり、そんな”好き”の取り組みは、自己治癒的な部分を持っているものなのだろうと感じました。もちろん議長にあたり業務的な部分も発生するので、やはり書かれているように、どう続けられるか、心身の健康も含め、どう続けるか、が大切なのですね。

強い意志、と同時に、流れに乗ることも大事にする。
他人のアドバイアスや誘いを受け入れる余裕がある、身の回りの変化を敏感に察知する素直さを持ち合わせている状態、そして人の輪を広げていくような、そんな柔らかさも大事なのですね。

最後に、
ほとんどの人からのアドバイスは、
「やりたいことがあれば、まずは一歩、小さくてもいいから、踏み出すといい」
だとのことです。
とにかく動いてみること。小さな勇気を練習したいです。

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2024年12月24日

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