あらすじ
倒産しそうな実家の旅館を救うべく、御曹司・伊織と結婚した菫。ずっと惹かれていた人と結ばれるなんて！でもいつも優しい彼の本心が見えない。借金を返す目処が立ち、彼のためを思って離婚を切り出すと「菫ちゃんを手放したくない」丹念なキスと愛撫。激しく突き上げられて絶頂に導かれる。ちょっと待って！ますます好きになっちゃうから！御曹司と甘い攻防！
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Posted by ブクログ
倒産の危機にある実家の旅館を救うため、御曹司の伊織と結婚した菫。
それは打算と責任が混ざった“契約結婚”のはずだったのに、相手はずっと昔から憧れていた人。
大好きな人と夫婦になれたのに、伊織の穏やかすぎる優しさに「本当に愛されているの？」という不安が募っていく。
借金を返し終えた今こそ、彼のために身を引くべきだと決意する菫。
しかし離婚を申し出た彼の口から告げられたのは、「菫ちゃんを手放したくない」という想いだった。
ヒーロー・伊織の優しさがとにかく穏やかで、包み込むような温度があって素敵でした。
その一方で、あまりに完璧で感情の起伏が見えにくいぶん、ヒロインが彼の“本音”をつかめず悩む気持ちがリアル。
読んでいるこちらも「どうしてそんなに優しいの？」と問いかけたくなるような、静かな切なさが漂っていました。
七福さゆり先生らしい、不器用で優しい両片想いの甘やかな世界。
お互いを思いやるがゆえにすれ違ってしまう2人が、少しずつ心を通わせていく過程が丁寧に描かれていて、
派手な展開こそないけれど、じっくりと沁みるような優しさがありました。
“嫌われたいのに、嫌われない”
そんな可愛い攻防も見どころで、ヒロインのピュアさとヒーローの包容力のバランスが心地よいです。
個人的には、もう少しヒーローの気持ちを言葉で聞きたかったなと思いつつも、
彼の細やかな仕草や表情の変化に“愛”が滲んでいて、
結局のところ「この人は確かに彼女を愛してる」と確信できるラストでした。
最後まで温かくてやわらかな空気が流れる、癒し系ラブストーリーです。
