あらすじ
首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山大噴火……
過去にも一度起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか?
命を守るために、いま何をやるべきか?
最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、
知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは――。
【本書のおもな内容】
●320年ほど前に起きた「前代未聞の大災害」
●首都直下地震で帰宅困難者453万人、6000人が犠牲に
●朝・昼・夕で被害はどれだけ違うのか?
●南海トラフが富士山噴火と首都直下地震を呼び起こす
●なぜ「足立区」が一番危ないのか?
●「7秒」が生死を分ける、半数は家で亡くなる
●大震災で多くの人が最も必要と感じる情報とは?
●国や都の機能が緊急時に「立川」に移るワケ
●そもそも地震は「予知」できるのか?
●「内陸直下の地震」と「海溝型の地震」は何が違うのか?
●エレベーター乗車前に「すべきこと」
●半年に1度の家族会議をする地震学者
●なぜ「耐震改修」が進まないのか?
●弾道ミサイルから逃げられない事情
●天気はコントロールできるのか……ほか
【目次】
はじめに 最悪のシミュレーション
第1章 首都直下地震の「本当の恐怖」
第2章 南海トラフ巨大地震は想像を超える
第3章 大災害「10の教訓」
第4章 富士山噴火・気象災害・弾道ミサイル
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
首都が直面するリスクと対応について最新の知見をもとに整理されており、首都でのリスクの概要把握ができます。特に首都直下地震の被害想定を9つの切り口で読み解き、リスクを身近に感じられました。大災害10の教訓の整理もあり、気付きになりました。南海トラフ地震や富士山噴火、外国からの攻撃などかなり手広く論じてますが、概要にとどまっているのは残念ですが、やむ無しでしょうか。いずれにせよ東京都はよく働いていることがわかりました。
Posted by ブクログ
首都防衛というタイトルからミサイル攻撃とかテロかと思ったが地震をはじめとする災害からの防衛で、でも読んでいると確かに重要な話だなと実感。
過去の歴史を振り返って首都直下地震と南海トラフ地震、さらに富士山噴火が重なっていつでも起きうることがわかった。そこでいかに備えるかで、1週間なりを自宅避難で耐えしのぶのに何が必要かとか考えておきたいし、実家の家族ともそういったことを話し合っておきたい。
危機管理に関して「空振りは許されるが見逃しは許されない」という、これは他のことにもあてはまるので肝に銘じておく。また、元自衛官の番匠氏が朝の歯磨きタイムにいろんなことを想定してどう指揮を執るかを考えていたとのことだが、武士がかつて死にざまを何度となくシミュレーションしたように、こういった習慣も現代の武人には求められるのだろうなと思った。
Posted by ブクログ
2024年夏、宮崎県の地震をきっかけに南海トラフ地震の注意喚起が初めて行われた。
連動する地震はその規模や震源により、被害をもたらすものも津波や家屋の倒壊、火災など変化する。その地震が連動して起きたら?富士山噴火も誘発されるかも。それより、地震の後に台風や大雨があったら?防災減災を平時から行うことしか対策はない。
東京都では災害対策のため各局横断的な組織が設けられている、と小池都政に肯定的な記載があるが著者が東京都知事政策担当秘書なので当然か。
災害が重なったらどうする…という話から北朝鮮のミサイルの話しまで扱う。
Posted by ブクログ
よ、、よう作ったなぁこの本!!!
ガチ過ぎる専門家陣の協力を経て、地震はおろかミサイル攻撃についてまで触れている。
1000円以下で読める新書のレベルでは無い。
というか国民必読過ぎる。あ、別に国民ていうのは国籍とかじゃなくて日本に暮らす人ね。
3.11の津波被害の甚大さはあらためて身に沁みる。捜索隊の会話が印象深い。、
(遺体が)見つかった?――よかったなぁ。
という声がけだったようだ。遺体が見つからないケースが頻繁だからである。遺体が子どもというのもキツイ。
この本は、日本が地震大国&中国とロシアと北朝鮮の脅威さらされ大国であることもよう分からせてくれる。なぜなら国や首都がミサイル迎撃(というタテマエの外交とか国防)に対して割とガチめに対策してるからだ。蓋然性から考えても、我々の生活に役に立ちはしないだろう。おまけに普段のほほんと生活していると必要だとも思わない。平和ボケってこわい(すみません私です)。だが、国家や自治体は国民市民を守る義務がある(憲法に書いてあったかは忘れたけど)。ちょっと起こりうるかもしれないとんでもない脅威からも国民を守らないといけない。社会保障とか福祉とかマジでそんなの表面上のことなんだと痛感した。
ちなみに、元陸上自衛隊の偉い方の朝の歯磨きタイムは最悪な事態を想定してるという話で「尖閣諸島がミサイル攻撃されたら」というのがあったのでそこちょっと詳しく知りたい。
今回都知事選があって魑魅魍魎の候補が乱立する中、小池百合子現職を推すか降ろすかというところも注目されている。私は都民では無いので完全に蚊帳の外ではあるが、国家機能も備えてる東京都のことなので自分に影響がないとはいえないので気にはなっている。なお、本書のタイトルでもある「首都防衛」は小池百合子現職が2022年に既に打ち出してる言葉であることを、本書に記載されてて初めて知った。そして今回の都知事選でも小池百合子現職は「首都防衛」を掲げている。一貫性あり過ぎだろ。
なぜか本書を読んで政治の深さを知った気がした。というか、防衛という視点を持ってなかったのだ、私は。完全に平和に犯されていた。だが、その平和を作ってきたのは紛れもなく政治機能とそれに応じて生きてきた国民だったのだ。平和の恩恵を預かるのではなく、繋いでいかねばならぬだろう。なんか今ようやっと松下幸之助の言ってることがわかった気がした。
思ったことを思いつくままに書いてしまったが、これで最後にしよう。自治体の代表となる者は、自治体に暮らす市民を真に守ることを考えてるだろうか?表現の自由だとか上っ面なことだけでなく、生命を守ることを考えてるだろうか?
民主主義の絶望すら楽しめるようになってきたかもしれない。
Posted by ブクログ
2024年能登半島地震は、前例のない・・といった評され方もしていますが、首都直下型地震、南海トラフ地震、富士山噴火は、必ず起こることが歴史からも明らかなのに、まだまだ備え、覚悟が足りずに日々を生きてしまっています。
本書は冒頭からそうした正常性バイアスに警鐘を強く鳴らして、国民、国家を守り日本が存続するために何をどうするべきなのかを具体的に提言しています。
Posted by ブクログ
少し興味を覚えて入手し、紐解き始めてからは頁を繰る手が停められなくなった。「より多くの人達が知っておくのが善い」と思われる内容が豊富だ。逆に言えば、そういう内容であるが故に本が登場したとも言い得ると思うのだが。
題名に“防衛”と在るが、軍事行動というような内容ではない。災害対策、防災情報というような事柄、そういう問題意識を喚起しようという内容の一冊である。「巨大な災害から人々を護る」ということになれば、それは“防衛”そのものであろうという、題名の理由も本書には出ていた。
阪神大震災(1995)や東日本大震災(2011)というような大規模災害に関しては、被災地域に居合わせた訳ではなくとも、災害発生時に大きく伝えられ、繰り返し様々な話題が取上げられていることから、「凄い災害」ということは承知している。あのような次元の災害が首都圏等で発生すれば大変であることは間違いないが、問題なのは「あの程度で済まない大災害」という可能性が排除し悪いということなのだと本書では説かれている。
本書では「首都直下型地震」というようなモノで想定される事態等を説く章、そして「南海トラフ巨大地震」というようなモノで想定される事態等を説く章が設けられている。2つの章を費やし、阪神大震災(1995)や東日本大震災(2011)というような次元の大規模災害が東京で発生した場合に生じると見受けられる困難、加えて複数の大地震や富士山のような火山の噴火も併発し得る、場合によってそこに大雨が降る可能性さえ排除出来ないということを説いているのである。
古い記録を見れば、富士山の噴火と大地震が連動するという事態は「在った」のであって、そのうちに発生する可能性は排除出来ない。富士山は300年も噴火はしていないが、それでも活火山なのだという。噴火すれば、多量の火山灰が降る状況や、そこに纏まった雨が降るという情況も酷く大変であることが指摘されている。
こうした情報に加えて、比較的近年の災害時の教訓のようなことも綴られている。全般的に、災害対策、防災情報というような事柄、そういう問題意識を喚起というように纏まっている訳だ。
個人的には、比較的近年の災害時の教訓のようなことに関して、もう少し厚みを持たせる、分量を増やすというようなことが在っても好かったような気がする。この部分には「そういうことも在ったか…」と気付かされる内容が多く含まれ、読者が住んでいる地域で防災に関連したことを考える有益な情報になると思ったのだ。本書1冊を読む時間さえ見出せないという程度に多忙な方でも、この“教訓”部分だけは必読かもしれないと思った。
更に気になった。例えば「南海トラフ巨大地震」というようなモノは、関東、東海、近畿、中国、四国、九州という程度に被災範囲が拡がると見受けられる。例えば「富士山噴火」となれば、関東平野の殆ど全部と静岡県や愛知県の全部または一部、加えて山梨県や長野県の一部という程度の広大な範囲、場合によって更に広い範囲に火山灰が降ると見受けられる。そういう大変な事態でも、「相対的にダメージが少ない、または影響が余り無い」という国内の地域は恐らく残ると思う。その残った地域と手を携える可能性、著者が“おわりに”で引いた後藤新平の言のように「人の御世話にならぬよう 人の御世話をするよう そして報いを求めぬよう」という程度の考え方で、全国の様々な地域の人々で手を携え合うような考え方が前面に押し出されても善かったような気もしながら本書を読んでいた。
正直に言えば、自身は「災害への備え」というような事柄に、個人的には然程の関心を示さずに漫然と過ごしているかもしれない。1923年の関東大震災から100年という年、思い掛けない大災害の可能性も指摘されている中、この種の本で問題意識を喚起してみるということも必要かもしれない。
Posted by ブクログ
南海トラフ地震はやってくる
もし東日本と西日本の地盤が連動して反応てしまった場合
富士山も噴火したりする
起こるとわかってる未曾有の災害に備えて
自分はどうするのかその時何をするのか、できるのかを
常に考えないと生き延びられない
Posted by ブクログ
備えることの大切さを説かれる機会はあるけど、どこか他人事に感じてしまうことも多かったなか、この本で危機感をかなりリアルに感じられた。
明日、首都直下地震や南海トラフそして富士山噴火が起きたらその時どうすればいいのか。自分はどこにいて、どんな行動をとれるのか。自分や家族を守る行動をなるべく多く想定して、いざという時動けるようでありたい。
Posted by ブクログ
東京都の都知事政務担当特別秘書であり防災士でもある著者。関東大震災から100年の今年、改めて防災意識を喚起するために。
タイトルの「防衛」という言葉の選択にドキっとするが、首都直下型地震、南海トラフ巨大地震に、富士山噴火という「大連動」も想定し、さらにはその期に某国からの弾道ミサイル、あるいは台湾海峡、尖閣諸島に火事場泥棒が来ないとも限らない、という壮大な想定を行う。
日本という国体の維持のためにも、まずは中枢たる、首都を防衛せよ、ということだ。
様々なシチュエーション、さらには昼夜で都心の人口が2-300万人も異なる状況を踏まえ、細かなシミュレーションが行われている。
然様な分析は、国家、自治体にお任せするとして、市民としては、自分でできること「自助」「共助」の部分をしっかり意識して、まずは己と家族を守ることを果たすべきということが綴られている。
初動の7秒、72時間生き抜くこと、その後1週間後、1か月後、いかに生活を維持していくかをしっかり意識しておくことが肝要だ。
小さな準備も大切。都心で地下鉄を使う身であれば、小さなものでもよいのでペンライトは必須。なるほどな。
とにもかくにも、予期せぬことがおきることを予期して、ことに当たる大切さ。それが全て!
Posted by ブクログ
一般的に東京圏と呼ばれる東京を中心とした神奈川、千葉、埼玉の四都県には日本の総人口の3割が集中しており、日本の政治・経済の中心的な役割を担っている。上場企業の多くは東京に本社を構え、国会議事堂も各党の本部も集中している。記憶に新しい新型コロナ流行時にはこの東京一極集中が緩和され、地方に分散する可能性について多くの議論がなされていたが、結果としてはその様な方向には極一部の転出組を除いて、未だ若年層を中心に集中化の流れは続く。都心のマンション価格は平均して1億円を超えているにも関わらず、夫婦共働きの若い世代でもこれらを購入するなど、東京への集中が止まったり停滞する兆しは見えない。一昔前は首都圏に向かう電車は朝から超満員で東京で働いたり暮らす人にとっては避けられない苦痛であったが、前述のコロナで在宅ワークも進んだ事から、満員電車も以前に比べればだいぶ緩和され、朝の通勤も比較的快適になった。とは言え休日でも首都高はいつも渋滞、渋谷や秋葉原を歩けば肩が人にぶつかりそうな程の人の多さ。田舎育ち(古い時代)の私にとっては、渋谷のスクランブル交差点や新宿駅構内は目が廻る場所だ。人が集まれば当然、交通事故や犯罪のリスクも上がるわけだが、日本国民にとっては忘れてはならない脅威がいつもすぐ側にある。地震をはじめとした自然災害がそれである。
東日本大震災や能登、熊本で起きた地震はまだ記憶に新しく甚大な被害を齎した事、その恐怖は今なお多くの人々の心に刻まれているだろう。更には三原山噴火、雲仙普賢岳の大火砕流、御嶽山噴火による噴石の飛来で多数の登山客が亡くなったこともまだここ最近の出来事である。世界を見渡せばトルコの大地震やインド洋沿岸諸国を飲み込み500万人以上が被災したスマトラ島沖地震を発端とするインド洋大津波など更に甚大な被災規模に膨れ上がった災害も発生している。
本書はそうした日本の首都である東京に自然災害や外国からの侵略行為を受けた際などに如何に命を守り、首都を防衛するかについて、様々な数値データや研究者の言葉などを纏め、わかりやすく解説している。主には首都直下型地震、南海トラフ地震、富士山噴火を扱っているものの、それらを単独の災害と見做さず、連動して発生するシナリオが中心となる。一つ発生するだけでも数万人の命が危機に晒されるような激甚災害であるが、地震科学の観点、過去の歴史の事実からすれば連動して発生する可能性は否めない。我が国は阪神淡路震災や東日本大震災を経て、建築基準法の見直しや、災害発生時の被害想定などを定期的に見直してきた。だが首都圏にはまだまだ基準を満たさない多くの老朽化した家屋があり、そこには高齢者の一人暮らしが多いという状況もある。自治体がそれぞれ独自の行政努力や補助金により、こうした課題と向き合っているものの、実際に経験したことのない様な災害が発生した時に有効に機能するかは未知数でもある。
先ずは本書の様な災害に対する向き合い方を記載した書籍を読むことで、心の準備をする事は大切だ。そして自分の身はもちろんであるが、自分の周りにいる家族、お年寄りや若者たちと有事においては互いに助け合い手を取り合う事が大切だ。食料にしても水にしてもトイレもガスも電気も、全てが不十分な中、我々はどう生き延びるか。そして地域、東京、首都圏としてどの様に被害を最小化し、そこから日々の平和で安心できる暮らしを取り戻すか。先ずは知る事から始めたい。
Posted by ブクログ
首都直下地震、南海トラフ地震など起こったときのシミュレーションと、行政の対策を示し、個々人の備えと心づもりを促す本。うん、備えないとな…行動、行動。ミサイルなんかも出ている。
Posted by ブクログ
基本地震災害、富士山の噴火によって何が起きるか。
ちょこっと、弾道ミサイルの可能性も触れられている。
小池都知事を持ち上げるのはちょっと横に置いといて。
数字の規模がデカすぎて、むしろ実感がない。
大変なことが起きることは分かる。今、能登も大変だし。
実際、みんな自分のこととは思ってない。思ってても対応してない。首都直下型地震と南海トラフ沖地震。
富士山の噴火。
富士だけじゃないだろうし。
過去の事例と教訓の節が一番良かったかも。
昨今の状況見てても、絶対に権利だけ振りかざす、声の大きいバカが出て来るのと、隣接するいくつかのお国が爆笑しながら、これ幸いと進軍してきそうなのが憂鬱。
まずは身の回り備えなきゃです。
Posted by ブクログ
書かれていることは、いちいちごもっとも。
ホントに備えなくてはいけない事は多いんだね。ちょっと都庁のPRが鼻につくけど。
でも肝心なのは、何をどの順番でどれだけ用意するかということ。何せ費用対効果ってのと防災対策は両立しない。どれだけ災害対策に費用をかけても災害が起こるとは限らないし、対策が功を奏すとも限らない。
だからこそ政治の出番なのだが、これが心許ないのは言うまでもない。
Posted by ブクログ
評価が高く興味を持った一冊だったが…
防災に関してコンパクトにまとめられている。
メディアのように不安を煽っている様にも取れる。
この位書かなくては、また、冷静に読める人には良い情報満載。不安だけが増える人は途中でやめた方がいい。作者の災害対策への思いと必要性をまとめた一冊
江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区全域が低地で一部では皆伐0メートル地帯になっている
埋立から400年近く経っても地盤が軟弱なエリアがある。
ハザードマップポータルサイト参照
災害用伝言ダイヤル 171
隣人を助けることの大切さ。緊急車両は連絡つかない、すぐ来れない
自分で消化できる限界は、目の前で出火した際、「炎が天井に到達するまで」
初期消化が大切
災害時の火災、津波で亡くなる人の多さ
ボランティア時は、提案!
✖︎何でもやりますから仰ってください
○こんなことやりましょうか