【感想・ネタバレ】犯罪心理学者は見た危ない子育てのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪心理学×子育てというテーマが気になり読み始めた。
少年鑑別所などで非行少年・犯罪者の心理分析をした筆者により、非行・犯罪の事例を子育ての学びに変えていく趣旨で執筆された本。

事例と共に分かりやすく解説してあり、自分が育てられた環境と照らし合わせて今の自分は親のこういう養育態度が大きく影響しているんだな、と分かったし、今後の子どもとの関わり方に活かせる一冊。前作もあるようなので読んでみたい。

また社会で関わる新人についても、核家族、共働きの時代になって親との関わりが変わってきているという環境の変化も踏まえて、配置や育成計画を考えなければならないと感じた。
自己決定ができないとか打たれ弱いとか言われることが多いが、家庭環境を仮定できれば少しは適切な育成をしていくことができそう。そこまですることが果たして正しいのかは分からないが。

・親の養育態度の方向性を支配、服従、保護、拒否の4つに分類。支配×保護=過保護型、支配×拒否=高圧型、服従×保護=甘やかし型、服従×拒否=無関心型の4象限となり、どの親もいずれかに属している。

・非行少年は親に対して、厳しい、自分のことを気にしてくれない、気まぐれ、という点で不満を持っていることが多い。

「厳しい」について、過保護型、高圧型がそれに当たる以外に、「適時性の問題」がある。そもそもの社会ルールを教えられていないのに、間違ったことをしでかしてから初めて叱られるために、子どもは厳しいと感じる。甘やかし型や無関心型に起こりやすい。つまり、どのタイプの親も「厳しい」親になりうる。

・子育てが偏るのは人間が思い込みが激しい生き物だから。確証バイアス、正常性バイアス、透明性の錯覚、行為者-観察者バイアス。

透明性の錯覚は「言わなくてもわかってくれる」と思い込むこと。子どもがこのバイアスに囚われないためには、何もかも汲み取ってあげるのではなく、「どうしたの?」と聞いてどうして欲しいという気持ちを言葉にさせる。

・自己決定が学歴や所得以上に幸福感に影響するという調査がある。
ヘリコプターペアレント:ヘリコプターが空中で静止しホバリングしていふかのように、子を見守り手助けをする
カーリングペアレント:常に先回りをして障害を取り除こうとする

・小学生を集めて実験を行った際、成功するかは五分五分、と感じるものへの挑戦が一番人気があったため、期待×価値のかけ算でやる気が高まると理論づけたアトキンソンの理論に基づき、その子にあったやる気の出る目標設定ができるとよい。

・失敗をどう捉えるかは、セルフエスティーム=自己肯定感や自尊心、に大きく関わっている。セルフエスティームが高ければ、困難にぶつかった時も、自分なら乗り越えられる、と思えるし、失敗しても、この経験が自分に役立つ、と捉えることができる。

・犯罪素人が特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれないようにするためには、無知でいてはいけない。ニュースを知る機会を作ることが大事なので、家族でニュースを見て対策について一緒に考える時間などを作るのが理想。

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2024年04月12日

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