【感想・ネタバレ】人事労務「攻め」と「守り」の勘所 中小企業(規模別) Q&A+解説のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年12月09日

困ったときに手にとりたい

・懲戒
合理的、相当な理由の2点がそろえば出して良い
降格や言及

・同業他社への転職

・フリーライダー
頑張れば報われる、という仕組みを取る

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Posted by ブクログ 2023年06月19日

企業向けの人事労務の解説書である。著者は弁護士や社会保険労務士、中小企業診断士である。

本書は企業向けの書籍である。このため、労働者の立場からはギャップを感じることもある。一方で本書は「いかに働きやすく、自己成長につながる職場であるか」が人材の採用と活用で重要とするスタンスである。労働基準法などの...続きを読む労働者保護の規制を逸脱する脱法的な手法を指南するブラック士業の書籍とは異なる。

採用時は年齢や性別を指定するような差別をしてはならない。しかし、現実は「他の従業員の写真などを載せることにより、同じような属性の人が応募しやすい工夫をしていることが多い」(30頁)と法の趣旨を逸脱する脱法的なことが行われている。これはエンジニアに男性をイメージすることが多いなどジェンダーバイアスを強化するものとして問題である。本書は「これからの時代はダイバーシティです。多様な人たちが働ける場所が求められています」と主張する(31頁)。

本書は質問に答えるQ&A形式で解説する。質問には育児休業を希望する男性社員に「ありえない。いったい何を考えているのでしょうか」とレベルが低いものがある。世の中の人事部員のレベルは、その程度なのだろうか。今は21世紀であるが、昭和の感覚のまま変わっていないのだろうか。

本書は退職代行会社という比較的新しい事象も取り上げている。昭和の人事の感覚では退職代行会社が入ると脊髄反射的に反発する傾向がある。これに対して本書は「会社側も従業員への連絡や貸与物の回収などをスムーズに進められるといったメリットもあります」と会社側のメリットも説明する(147頁)。労働者にコミュニケーションや出社を強要する昭和の感覚からのアップデートが必要である。

本書には「担当業務を決めたのですが、それ以外の仕事をしようとしなくなりました」との質問がある(20頁)。このような質問が出ることは不思議である。担当業務を決めることで、担当の業務に集中してもらい、生産性や効率を上げることを目指している。担当業務外の仕事に気を散らされないことで生産性や効率を上げる。それ故に担当業務害外をしなくなることは担当業務で割り振る施策を採ったことの帰結である。ある施策のメリットは享受したいが、デメリットは避けたいということは虫の良い話である。

本書の解決策は以下である。「Aさんの担当業務は、○○の仕事ですが、チームの役割としては前工程であるBさんの業務が詰まっていたら、積極的に手伝いにいくサポーターとしての役割もお願いしたい」(20頁)。役割を定義することによって対応する。能力があるから押し付けるという不合理なことはしていない。あくまで役割ベースで考えている。

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