【感想・ネタバレ】心臓の王国のレビュー

あらすじ

発売前から話題沸騰! 著者の才能が爆発した、衝撃の青春ブロマンス小説! 2023年、PHP文藝はこの本を、自信をもって送り出します! ●Story 十七歳の鬼島鋼太郎が出会ったのは、白いワンピースのような服に身を包む美青年。「アストラル神威」と名乗るその青年は、『せいしゅん』をするために橋の上から川に飛び込んで溺れそうになるなど、予測不能な行動ばかりをとり、鋼太郎を困惑させる。鋼太郎と友達になりたいと言う神威に対し、面倒に巻き込まれたくない鋼太郎は、悪い奴ではないと感じつつも、そのままその場を後にした。しかし数日後、アストラル神威が鋼太郎の通う高校へ転入してくる。青春を謳歌しようとする神威に巻き込まれながら、鋼太郎もともに高校生活を送るが、そのうちに神威が抱える「恐ろしい秘密」を知り――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

鋼太郎と神威の剥き出しの感情に泣いてしまった。出会いは操作されてたけど、二人がお互いを見つけあえたのは似たような想いを抱えて生きていたという共通点と『本当』の自分を見せ合った真摯な対話によるものだったと思う。これがかけがえないものじゃないならなんなんだよ! 序盤のハイテンションなノリに慣れるまで多少苦労したが、このくだらなさが彼らの青春だと思うと無性に愛おしくなる。ある種刹那的だった神威が「一緒に生きたい」と言ってくれたこと。これを言うのがどれだけ難しいことだったか。一緒に生きてくれ〜! 熱い作品でした。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神威が好きすぎる笑

ドナーや宗教など重いテーマと、登場人物たちの願う『青春』の対比に心が揺さぶられました。

概ね主要登場人物たちがいい子ですごく好感度高いです。巴も序盤こそ痛い感じですが、文化祭のエピソードでその印象も180度変わりました。
同級生2人と担任の駒田先生もいい味出してる。

青春の件はかなりラノベ調強めなので好みは分かれるかもですが、その振り切ったバカらしさと突きつけられるシビアな現実に作者の振り幅の大きさを感じました。

素直にいい本!感動しました(^^)

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まず、タイトルと序盤を読めば、神威の心臓を鋼太郎の妹に移植する感動小説なのだろうと予想できる。そこに向かって鋼太郎と神威の友情がどんどん深まっていくのだろうと読み進めていく。ところがどっこい予想以上の展開になるのでエンターテイメント小説として存分に楽しめた。

前半から中盤にかけて、神威の常識はずれの言動と鋼太郎への無邪気なストーキング、鋼太郎のツッコミ、ノリが良い友人達、悪い人間が出てこない高校生活の面白い掛け合い描写が笑える。巴との仲も深まる文化祭も青春していて良い。
ちょっと本のボリューム多いかなぁと感じつつも、少しずつ鋼太郎の内面を描くシリアスな描写が増え始め、いよいよ心臓移植の話になっていくのかなと思ったら、予想外の怒涛の展開。そこまで大事になっていくと考えてなかったので驚きながらどんどん読み進めていきました。

終盤、鋼太郎は神威の世話役と思っていた小間田という女性に脅されるシーンがあるが、なるほど確かに、正義も証拠もこちら側が持っていたとしても、強大な悪の組織の権力におどされたら、たとえネット時代の今だとしても、身内の命を守るために沈黙してしまうよなという納得感が高い脅し文句だった。

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2024年06月19日

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ネタバレ

何回も笑った!
バリヤードめっちゃ面白かったし、
言葉のチョイスが良くてものすごく読みやすかった!! もし本当にこんな17歳の子達がいたら
M-1準決勝まで行けるんちゃうかと思うぐらい
会話内容が高度で素晴らしかった!
糞パピルスことスマほ、欲しい!
最後らへんはまさかそんな方向に行くとは想像できなかったけど、ぶっ飛んでて私は好き!

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2024年03月24日

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ネタバレ

どうか、どうかこれからの2人の未来が明るいもので溢れてますように。そう願わずにはいられないラストだった。

ブロマンスを読みたい!と思ってたどり着いた今作品。
正直有名なカズオ・イシグロさんの『私を離さないで』を彷彿とさせる内容だったけど、そんな中でも17歳という青春ど真ん中な男子高校生の青臭さやバカバカしさも描かれてて、タケフジ?の音楽をクラスの男子全員で踊るとことか、合唱の練習風景とか、バカバカしいのに、あーなんか若いってこういうのあるよなーと思わせてくれた。
千葉巴が最初ツンすぎてクソすぎて、いやいくら事情があるとしてもクソすぎだろ共感できん!と思ってたのに文化祭終わって半目でクラスLINE抜けたときはもう好きになってた。かわいい。

神威の『いる子』『いらない子』に対してキレすぎだろ人にはいろいろ事情があるんじゃないのかよ…と思ってけど、鋼太郎はうーちゃんをずっと内心いらないと思ってて、それを責められた気がしたのかなと思ったらわからなくもない…いややっぱキレすぎだろ。

若さ溢れる主人公たちのやりとりとか賛否両論あるようだったけどわたしは好きな作品だった。
しゅぽ!

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めに言っておく、これは褒め言葉だ。
チープな語り口とライトかつ素っ頓狂な展開に、まずは辟易としかけて、…それでも半分を過ぎるあたりまで淡々とページをめくり続けていたら、だんだんと展開が違和感を帯びてきて、歯車が噛み合わなくなってきて、そこから一気に爆発して、突如訳が分からないまま行き先不明のジェットコースターに乗せられてしまったような錯覚に陥る。

何 が どうなった?
どうしてこうなった?
いつからこうなった?

とめどなく浮かぶのは確実に疑問符なのに、それでも心臓が早鐘を打って背中を伝う冷や汗が止まらない。ページをめくる手が止まらなくなっている。一刻も早く先の展開を知りたいのに、知りたくない自分がいる。見てはいけないとさえ思う。なのに目は字を追い続ける。まさに怖いもの見たさ。

クソッ、表紙に騙された。爽やかなイケメンを並べやがって…しかもまばゆい夕陽をバックに。こんなのアニメ感たっぷりな青春10代小説だと思うじゃんか!はじめの展開もまさにソレだったし。けどそれにしてはなんか分厚いなあこの本って思ってたんだよ!このせいしゅんのノリ、まさかずっとこのページ数最後まで続くんじゃないだろうねって内心ビビってたよ。うん、そんなワケなかったよね。そりゃそうだ。なんかおかしいと思ってたんだよ。こんなの表紙詐欺だよちくしょー!

と思わず暴言を吐きたくなる程度には想像とはあまりにもかけ離れ過ぎた方面に全力疾走していくストーリーだった。こんなのってねえよ。

あまりにもリアルすぎる壮絶な事実。感情移入せざるを得ない心象描写の畳み掛け。
羨望。嫉妬。憎悪。
ゆえに、愛。

基本いつも何か読むときは目から汁を垂らし続けている私だけれども、今回この類の本で初めて泣かなかったかもしれない。それは展開があまりにジェットコースターすぎて終始情緒不安定だったからかもしれないし、ただただリアルすぎて開いた口が塞がらず、涙以上に驚愕と恐れの感情が先行したからだったかもしれない。

ちゃんとハピエン厨歓喜の終わり方で、ただただ救われた。良かった。もうダメかと思った。

沢山のことを考えさせられた衝撃作。よく見たらとらドラ!作者さんじゃない。そりゃこの展開も頷ける。

自分の幸せは自分で決めていい。要らない子なんて居ないのだから。
この本が誰かの救いになって欲しいなと思った。
ただちょっと心の体力がある時に読もうね。じゃないと持っていかれそうだからね。色々と。

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2025年01月22日

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ネタバレ

緩急が強過ぎて心臓が置いてかれてしまう。せいしゅんと命に向き合う、確実なフィクションにも関わらず妙に現実を考えさせられる面白い作品だった。ただ、その面白さに到達するためには序盤のライトノベルなノリに慣れないと辿り着けない。このノリがあるからこそ、終盤の展開に戸惑うのだが、一定数離脱してしまう人はいるのだろうと思うと勿体無い。ラノベ慣れは必須。最初ファンタジーかと思ったら茶番劇があり、そこからせいしゅん、そして命と向き合う本音と恐ろしい事実が待ち受ける。

それにしても、17歳の友情は眩しい。

病気の妹に対してのいなければ良かったのにというコウタロウの本音は強く共感できる子どもの気持ちを表現しているし、カムイの人身売買団体の話も、完全にあり得ないともいえないリアルさがある。

序盤のラノベ全開の展開もこの真相を悟らせないためのブラフであり、真相が判明してからは寧ろちょっとだけ怖いとさえ思えてしまう。上っ面の怖さね。

世界に目を向ければ、いや日本にだってあり得るんだろう。事実ドナーを待つ子どもはいて、そこの裏は誰にもわからない。わからないからこそ、想像が出来てわからないからこそ、救いも描ける。

面白かった。

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2025年01月19日

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ネタバレ

なんとなく冒頭から、『わたしを離さないで」みたいな流れになっていくのかな…と思いつつ読んだ。
ラノベ調の青春パートが、楽しいけど、物語の起伏が少なく読むのが苦痛だった。ハッピーエンドでよかったね。

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2024年10月31日

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ネタバレ

『読書メーター読みたい本ランキング1位!』の帯に踊らされて読んだせいで★×3.5かな...読書メーターってどうなん...

文章と内容がめちゃめちゃにライトノベルで読むのかしんどかった。いや、ライトノベルは普通に読むよ?ただこんな一般書のふりした分厚めの本でこのノリはなかなかに。(読み出してから知ったがとらドラの人なんや?読んだことないけど名前は知ってた)
アニメ映画だったら普通に面白くみれたと思う。ただ個人的に大オチと終わり方はあまり好みでないかも…

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2024年07月30日

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ネタバレ

正直好みでない。

自分語りの「最強」青春ものの軽い語り口調にまず疲れる。キャラクターも強烈だが、輝くどころか痛々しい。

タイトルとイントロダクションから、テスカトリポカの流れを予想したらまあ概ねその通りで。新興宗教に無敵の人まで絡めたものだから、カオス。

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2024年07月07日

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ネタバレ

『こどもはみんな愛されて幸せになるために生まれてくるんだ』

17歳という年は、大人になる一歩手前の、まさに "せいしゅん" 真っ只中の特別な1年なのだ。


最初のプロローグで、なんかカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」っぽいな〜と感じた。
それもあってなんとなく話の展開は想像ついてたんだけど、いざ読み出してみると、あれ?やたらとライトで明るいじゃないか〜!

主人公は高校生の鋼太郎と留学生のアストラル神威(スゴい名前!)の、共に17歳の2人。
神威は今まで経験した事のない"せいしゅん"を味わってみたいのだという。

全500ページほどある中の400ページ弱が、わちゃわちゃした青春小説といった感じ。
それが後半100ページで、急に想像してた重い雰囲気にガラッと変わる。
温度差激しい、、(๑_๑;)

中高生の青春ものは、なんかノリについてけず苦手なんだけど、プロローグ的な部分がどう繋がるのか気になって読み切れた。
それにしても400ページも青春ものは長い〜
展開が変わってからは一気読みだったけど、前半が明るかった分、余計にズシっときた。
なんていうか、これ後半読むと、前半のわちゃわちゃうるさかったとこが生きるって感じかな。

でもなんかな〜〜
読み終わっても手放しで良かった〜とは思えず、むなしさ残るかな。
はぁ〜〜(´•ω•̥`)


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2024年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鬼島鋼太郎。17歳。
夏休みのある日、ロングヘアーで白いワンピース状の服に身を包む美青年と橋の上で出会う。
「アストラル神威」と名乗る彼は、『せいしゅん』をするために橋の上から川に飛び込んで溺れそうに。

数日後、神威が鋼太郎の通う高校の同クラスへ転入してくる。
青春を謳歌しようとする神威に巻き込まれながら、鋼太郎と高校生活を送り始める。
神威が乱入したことにより、鋼太郎の人生は大きく変わり始める。
妹の宇以子(うーちゃん)は心臓移植しか生き延びる手がなくて。
それを疎ましいと思う自分が嫌な鋼太郎は、仮面を被っていた。
それを純真に神威が引っ剥がす。

引き換えに、神威の過去を見せつけられる。
生体ドナーとして生きてきた過去。
あちこち傷だらけで、眼球さえも片方無くて。
神威と鋼太郎のアンダーグラウンドの言い争い。
コレが響く。刺さる。
美しい物語は確かに正論だ。
けれど言い表せないモヤモヤもあるのだ。
全てを是としてしまうと、生きてる事を非としてしまう。

神威の転校(行方不明状態)を打破するために、入念に準備して実行しようとした鋼太郎。
大怪我をして、打破を諦めかけた時。
妹がもたらした紙と、tvで見てる臓器売買のニュース。
そこには「しょけーい」、「しゅぽっ!」の発言。
鋼太郎は神威を迎いに行くため、歩き出す。


ゆゆこ氏の軽いノリから始まって・・・
かなりダークなネタ扱ってるな〜って。
第三章から、一気に持って行かれました。
ここはホントにノンストップで。
頭の中は超特急で回ってるのに、気持ちが追い付かない。
楽しかったです。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブロマンス小説が読みたくて手に取った。序盤からラノベ的な文章の青春小説で、高校生のやり取りを読むのがしんどく挫折しそうになったが、この後に展開していくのを期待して読んだ。
命に関しての倫理的な問題、心臓移植、臓器売買、新興宗教、終盤に物語が一気に動き出しすごかった。
これはアニメで観たい。

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2024年01月31日

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