あらすじ
殷の紂王の《酒池肉林》、呉王夫差と越王句践の《臥薪嘗胆》、秦の始皇帝の《焚書坑儒》……、『史記』にも記され、広く知られる古代中国の説話は真実か? もちろん、これらは後世の創作である。本書では、信頼できる資料に拠って、これらの虚構を検証すると共に、貴族制が専制君主制に移行した春秋・戦国時代の社会制度、勢力バランス、法治システムを浮彫りにする。初期の王朝から貴族の台頭、そして中国統一へ、説話を検証し、中国古代史をいきいきと再構築してみせる意欲作! 【目次】はじめに/第一章 三皇五帝――禅譲・放伐/第二章 夏の禹王――九州の治水/第三章 殷の紂王――酒池肉林/第四章 周の幽王――笑わない褒姒/第五章 斉の管仲――衣食足りて礼節を知る/第六章 楚の荘王――鼎の軽重を問う/第七章 夫差と句践――臥薪嘗胆/第八章 魯の孔子――由らしむべし、知らしむべからず/第九章 魏の恵王――五十歩百歩/第十章 蘇秦と張儀――合従連衡/第一一章 戦国四君と呂不韋――奇貨居くべし/第一二章 秦の始皇帝――焚書坑儒/終章 古代中国史の研究方法/結び/主要参考文献
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Posted by ブクログ
古代中国における著名な説話の虚構性を検証しつつ、秦代までの歴史を信頼性の高い資料を元に再構築する一冊。各説話の形成過程を追うコラムも、歴史資料への向き合い方を考えさせられる内容で興味深い。
説得力に欠ける点も
史記に書かれてる逸話を次々否定していく
管仲は鮑叔は実在を示す発掘資料はないという指摘は新鮮だった
一方説得力もない記述も
始皇帝が不老不死を求めて水銀を飲んだと言う話も否定してたが
始皇帝が信望する法家では不老不死を認めないからと言う論法だったが
一生物の本能として死にたくないと思うのも不思議ではない気もする
事実不老不死の薬を探せと言われたけどそんなのないと困惑している役人のメモ書き見たいな文献も発掘されてるし
始皇帝陵からも調査で周辺の土は水銀濃度が高いことも確認されている(これは別に水銀飲んだ証拠にはならないが)
史記に書いてるから、歴史書に書いてるから本当だと言う根拠はないと言いたいんだろうが
間違ってると言う根拠もまたない
この本は~~だからこの説話は嘘という記述が多いが
嘘だと言う根拠や説得力が弱いきもした